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テレビが赤ちゃんの心や脳へ与える影響とテレビとの付き合い方

2022.05.10 / 未分類

テレビは、家事で忙しいときや赤ちゃんがなかなか泣き止んでくれない時、ついつい頼りにしてしまいますよね。

「赤ちゃんにはよくないんじゃない?」
「テレビを見すぎると視力が悪くなるって聞いたことあるけど・・」

そんな悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。

ここでは、

・テレビがもたらす赤ちゃんへの影響
・テレビとの付き合い方

これらについてご紹介します。

ぜひテレビをつける前に読んでみてくださいね。

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1.赤ちゃんとテレビ

1-1.赤ちゃんはテレビが好き?

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実は赤ちゃんは、テレビを好きで見ているわけではありません

「なかなか泣きやんでくれない」
「家事で手が離せない」

こんなとき、テレビをつけると途端にそちらに集中して大人しくなった。
こんな経験はないでしょうか?

そんな時ふと、

“もしかしてこの子って、テレビが好きなのかな?”と思ってしまいますよね。

見るもの聞くもの全てが新鮮な赤ちゃんにとって、様々な音や映像がうつるテレビは、赤ちゃんの聴覚や視覚を刺激し興味を引くこれ以上ない道具です。

また、大人の真似をする赤ちゃんにとって、ママやパパがテレビ好きでよく見ているご家庭では、赤ちゃんもまたテレビ好きになる傾向があります

続いては、テレビが与える影響についてご説明します。

1-2.テレビによる赤ちゃんへの影響

209.

1997年に起こった、ポケモンショック事件。
記憶に新しいという方も多いかと思います。

テレビアニメ「ポケットモンスター」の放映中、赤と青の光が激しく点滅するシーンを見た子どもたちが発作などの症状を訴え、全国で135人もの児童が入院したという事件です。

この事件をきっかけに、テレビがもたらす健康面への影響を心配する方は増えました。

しかし、それでもテレビをつけっぱなしにしているという家庭も多くあります。

では一体、テレビは赤ちゃんにどのような影響があるのでしょうか。

テレビによる赤ちゃんへの影響

・言語発達が遅れる
・表情が乏しくなる
・注意欠陥障害
・視力が悪くなる

・身体的発達が遅れる
・暴力的、反社会的な行動

このように、言葉や社会性の発達への影響が心配され、テレビは赤ちゃんにとって害であるというイメージを持つ方も増えました。

ではなぜ、テレビを見ることで知能や社会性の発達に遅れが出てしまうのでしょうか。

その根本的な原因は、「コミュニケーションの機会が減る」ことです。

テレビを見続けることで、本来そこにあるべきはずの親子のコミュニケーションが減り、言葉の発達が遅れたり、相手を思いやる気持ちや想像力が育たなくなってしまいます

POINT

テレビがもたらす赤ちゃんへの健康・心への影響は、必ず起こることではありません。

しかし、赤ちゃんの時期は脳が外から影響を受け、それにより様々な感情や思想が育っていきます。

メディアそのものが悪なのではなく、脳にバランスよく正しい情報を与えてあげることが重要です。

1-3.視力が悪くなる?

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赤ちゃんがテレビを見るときによく心配されるのが、視力への悪影響です。

しかし一般的に、赤ちゃんがテレビを見ることで視力には大きな影響はないと言われています。

赤ちゃんの視力

生後1、2ヶ月:0.02程度
生後6ヶ月   
:0.2程度
1歳半      :0
.4程度
4、5歳 頃       :1.0程度

赤ちゃんの視力は、このように発達します。

視力の発達とともに自然と画面から距離をとって見るようになってくるため、視力への影響については特別心配する必要はありません。

では、どれくらいの視聴時間であれば問題がないのでしょうか。

続いては、テレビと赤ちゃんとの付き合い方についてご説明します。

2.テレビとの付き合い方

2-1.テレビはいつから?どれくらいから?

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2004年に、ある提言が出されました。

「2歳未満の子どもたちにはテレビを見せてはいけない」
アメリカ小児科学会

「2歳までの子どものテレビやビデオ視聴は控えるように」
日本小児科学会

前述でも触れたように、

・テレビの長時間視聴による言語発達の遅れ
・知的能力の発達の妨げ

このような観点から、できる限り2歳未満のテレビ視聴は控えるべきと言えます。

許容範囲としては、1日1時間~2時間くらいの範囲の視聴時間にとどめることをオススメします。

2-2.どんな内容が良いの?

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赤ちゃん向け番組や教育番組など、社会的スキルや言語力の発達に役立たせたいと学習のためにテレビを見せる方も多いですよね。

しかし、一般的に2歳以下の子どもには番組の内容を理解する能力が十分に備わっていないため、期待される効果を得ることは難しいです。

幼児期のうちは現実と非現実の世界の区別や善悪の判断が付いていないため、暴力的なシーンは避けテレビゲームなど攻撃性の高い内容のものは見せないようにすることが大切です。

2-3.テレビを見るときは一緒に

https://www.flickr.com/photos/sydneytreasuresphotography/8642370602/

特に生後12~18ヶ月の赤ちゃんにとっては、直接人と触れあってコミュニケーションをとることで学習したり、心や脳の発達に好影響を与えたりして、赤ちゃんの記憶にも長く残ります。

コミュニケーションツールとして歌や踊りで一緒に遊んだり、テレビのキャラクターのおもちゃや絵本で知的好奇心を刺激してあげることができます。

人とのコミュニケーションが不足しないように、テレビを観ている時も積極的に話しかけてあげるなど、放置してしまわないように心がけましょう。

・一人で見せずに、一緒に見てあげる
・テレビの2時間以上の
視聴を避ける
・食事中のテレビ、ビデオ視聴は止める
・子ども部屋にテレビやビデオ、ゲームやパソコンを置かない

これらのことも大切です。

POINT

テレビの付き合い方やどの程度見せればいいのかわからない場合は、そのテレビは本当に必要なのかどうか考えてみましょう。

どうしてもテレビを利用する場合は一日2時間までに留め、テレビを子どもに見せている間もできるだけコミュニケーションをとるよう心がけましょう。

3.赤ちゃんにおすすめのテレビ番組

「赤ちゃんにテレビを見せるのは良くないのかな?」と不安に思うパパやママもいるかもしれませんが、正しく使えば、赤ちゃんとママのリフレッシュにもなります。
短時間で、親子のコミュニケーションがとれる「おすすめのテレビ番組」を紹介します。

「いないいないばあっ!」/Eテレ

スクリーンショット (774)

NHK Eテレで放送されている「いないいないばあっ!」は、0歳~2歳児を対象にした番組です。
「ワンワン」や「うーたん」などの人気キャラクターはもちろん、映像と音で子供の感覚を刺激し、さまざまな可能性を引き出す工夫がされた内容です。

また、楽しく親子のコミュニケーションが取れるように考えられているので、2歳を過ぎても楽しく見ている子供も多いですよ。

・毎週月~金曜 朝8:10~8:25
・毎週月~金曜 夕方4:00~4:15(再放送)
※見逃し配信あり

「シナぷしゅ」/BSテレ東

スクリーンショット (775)

民放で初めての0歳~2歳児向けの番組です。
「赤ちゃんにはテレビは見せない方が良い」と言われることもありますが、世の中ではスマホの普及により、赤ちゃんに動画を見せる機会は増加傾向です。

そこで、赤ちゃんに良質な動画コンテンツを提供するべく、作られた番組です。
赤ちゃんの脳の発達や、パパやママの肩の力が抜ける番組をモットーに制作されています。

放送時間

・毎週月曜~金曜 朝7:35~8:00
・毎週木、金曜 夕方5:30~5:55
※動画配信もあり

「しまじろうのわお!」/テレ東系6ネット

スクリーンショット (776)

小さな子供に人気のしまじろうが登場する番組「しまじろうのわお!」は、歌やダンスのコーナーはもちろん、しまじろうが様々な体験をするコーナーや、不思議を見つける実験コーナーなど、たくさんの「わお!」が詰まった番組です。

楽しい音楽や可愛いキャラクターで、赤ちゃんも楽しめる番組になっています。
親が子供に伝えたいことも詰まっているので、親子で学びながら見ることができますよ。

放送時間

・毎週土曜 朝8:30~9:00
※全国34テレビ局で放送中 見逃し配信あり

4.動画とテレビの違いとは?

これまでは、子供が映像を見ると言えばテレビやDVDがほとんどでしたが、最近ではYouTubeをはじめ、数々の動画配信サイトで映像を見ることができるようになりました。
それによって、お出かけしていてもどこでも動画を見ることができます。
昔は「テレビばかり見ていたらダメ」と言われていましたが、最近は「動画ばかり見ていたらダメ」という方が増えているでしょう。

では、動画が赤ちゃんに与える影響はどのようなものでしょうか。

【動画が赤ちゃんに与える影響】

親子のコミュニケーションが減る

スマホは赤ちゃんでも手に持ちながら見ることができるため、オムツを替える時や歯磨きの時など、グズリそうな時に手に持たせて動画を見せているパパやママも多いのではないでしょうか。
しかし、このような「ぐずりそうな時には動画を見せる」という習慣は、親子がコミュニケーションをとる時間を大幅に減らすだけでなく、意思の疎通ができなくなってしまいます。
赤ちゃんの表情を読み取ったり、反対に赤ちゃんがパパやママの表情を読み取る機会も減らしてしまいます。

1日に何度も動画を見たがる

大人でも動画を見ていると、楽しくてあっという間に時間が経っているのと同じように、赤ちゃんも動画が大好きです。
大人からすれば「グズった時に」「ちょっと用事を済ませたい時に」と思って赤ちゃんにスマホを手渡してしまうかもしれませんが、それを繰り返していると、動画を見せてもらえないと泣く、グズるということも起こります。
例えば、夜寝る前にスマホを見せてしまうと、脳が刺激されて赤ちゃんの睡眠に悪影響を及ぼすことも考えられます。
「動画を見せれば機嫌がいいから」といつでもどこでも見せてしまうと、様々な悪影響が懸念されます

目に起こる障害

スマホが普及してから、まだ目への影響がはっきりわからない部分も大きいですが、近い距離で小さな画面を見続けるため、近視化やピントを上手く合わせられない「調節障害」が起こる可能性も指摘されています。
また、最近では、スマホを長時間使用している若年層に「後天性内斜視」を発症するケースも増えています。
赤ちゃんの目の健康を守るためにも、スマホを上手く活用するように心がけたいですね。

このように、スマホなどで動画を見る時間が長いと、テレビとはまた違った影響も出てくるので、時間を守って活用するように工夫しましょう。

5.まとめ

赤ちゃんの心と脳の発達には、コミュニケーションが必要不可欠です。

その貴重な時間をテレビやビデオなどのメディアによって赤ちゃんから奪い、ましてや大人になってしまってからでは育て直すことはできません。

・テレビは一日2時間まで
・一人で見せずに一緒に見る
・何よりもコミュニケーションをとる

赤ちゃんとの会話を楽しむなど、テレビ中心の生活にならないようにしましょう。

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