イカ天について説明した記事中のイメージ画像。モノクロ画像で、舞台でギターを演奏する人物に背後から淡いライトが当たっている。

【イカ天】伝説の音楽オーディション番組

2020.01.08 / 未分類

「イカ天」をご存知でしょうか?

「三宅裕司のいかすバンド天国」、通称イカ天は、深夜番組の1コーナーとして放送されました。

1989年2月11日から1990年12月29日までの短い期間でしたが、この番組に出演したバンドの総数は846組。

この番組をきっかけに知名度が上がり、全国的に有名になったバンドは多く、まさにイカ天は素人オーディション番組として時代をつくりあげたといえます。

では伝説の番組、イカ天について詳しく見ていきましょう。

イカ天は「平成名物TV」の1コーナー

イカ天は番組の名称ではなく、番組内の1コーナー。

毎週土曜の深夜に放送されていた「平成名物TV」の名物コーナーとして人気を博し、あまりの人気からコーナー名がひとり歩きをしたのです。

イカ天の人気の仕組みは、「メジャーデビューが約束されている」という点にあります。

1回の放送ごとに約10組のバンドが出演し、審査員の評価によって「イカ天キング」が決まります。

しかし、イカ天キングの称号を得るのは簡単ではありません。

週の優勝者には、まず「チャレンジャー賞バンド」の称号が与えられます。チャレンジャー賞バンドに選ばれたバンドは、前回の王者バンド(イカ天キング)と対決しなければならず、勝った方が「イカ天キング」となります。
そして「イカ天キング」の座に5週連続でい続けると、今度は「グランドイカ天キング」となりメジャーデビューが約束される・・・という仕組みです。

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「イカ天」裏話

イカ天の放送回数が増えるごとに、「5週連続でグランドイカ天キングになる⇒メジャーデビュー」という流れが定着していきましたが、実は番組開始当初はメジャーデビューという話はありませんでした。

最初は、「グランドイカ天キング」になれば専用の音楽スタジオを貸し切りにして自分たちの音楽を録音でき、さらに番組でPVも制作してもらえる・・・というものだったのです。

しかし番組の人気とともに、「賞品」のレベルはどんどん上がっていき、最終的にはメジャーデビューの切符まで与えられるようになりました。

「イカ天」で出演バンドに与えられる賞

メジャーデビューの権利を得られるバンドは、とてもレア。

5週連続での勝ち抜きが条件のため、たとえば4週目で惜しくも脱落してしまうバンドは少なくありませんでした。

しかし賞は、メジャーデビューへの切符だけではありません。

「グランドイカ天キング」以外にも、「チャレンジャー賞」、「ベストボーカル賞」、「ベストプレイヤー賞」、「ベストキャラクター賞」、「ベストスピリッツ賞」、「ベストコンセプト賞」、「在宅審査員賞」、「特別審査員賞」など、出演バントには様々な賞が与えられました。

しかも獲得できる賞は一つだけとは限らず、たとえば「チャレンジャー賞」と「在宅審査員賞」など複数の賞をもらったバンドも少なくありません。

イカ天キングへの挑戦権を獲得できる賞は「チャレンジャー賞」のみですが、必ず与えられるとは限らなかったのもポイントです。1990年11月17日の放送では、どのバンドも「該当者なし」としてチャレンジャー賞が与えられず、当時のイカ天キングの信任投票となりました。

「イカ天」内の人気コーナー

「イカ天」はアマチュアバンドの演奏だけではなく、音楽情報なども発信していました。

たとえば「バンドストッククラブ」ではアマチュアバンドのライブ情報、「ロックロックこんにちは」ではイカ天出身バンドの最新情報、視聴者からの投票で決定する「プロバンドベスト20」のコーナーなど。

当時はインターネットなどが普及しておらず、リアルタイムの通信手段は電話かFAXが主流でした。今でこそリモコンのdボタンで誰もが番組に参加できますが、当時はまだ珍しい視聴者投票型のシステムが、イカ天の人気を底上げしていった理由の一つでしょう。

イカ天の歴代スローガン

イカ天は放送ごとにスローガンを掲げています。

スローガンに書かれた言葉は毎回独特で、思わず吹き出してしまうようなものも。面白いのでズラズラっと並べてみます。
タレントを目指す方は特に、言葉選びは重要でしょう。ぜひイカ天のスローガンを参考に、語彙力にさらに磨きをかけてくださいね。

・2月11日:若い才能は芽のあるうちに摘め!!
・2月18日:甦った勝ち抜きBAND合戦。業界ソーゼン!!
・2月25日:若きBAND MANたちのおたけびも高らかに
・3月4日:爆発寸前のエネルギーをぶつけ合う
・3月11日:ゲコクジョー! 参勤交代が現代に復活!!
・3月18日:現代に甦った勝ち抜きバンド合戦
・3月25日:キミはチャンネルを変える勇気はあるか
・4月8日:何かが起こりそうなとんでもない夜
・4月15日:イカス・イカ、スイカ…スイカ!! 1個¥14,000のすいか
・4月22日:イカ天KINGが……いねぇー
・4月29日:世の中何が起こるか“一寸先は3センチ先!”
・5月6日:ピョンピョンはねてイカ天戦国時代を乗り切ろう
・5月13日:バンドやってて、お母さんごめんなさい
・5月20日:パンク狩り撲滅運動強化月間
・5月27日:晴れの日には布団をほそう – シド・ヴィシャス –
・6月3日:髪は染めても歯は白!
・6月10日:伊東に行くのはハードや! 伊豆イカ漁業組合
・6月17日:イカ天の父かえる(蛙)
・6月24日:畳の上でも遊んでみよう、イカ天ロッカーズ
・7月1日:7月1日は海開き 溺れた時は拳をあげよう!
・7月22日:Punkの一票が日本を変える
・7月29日:花火のそばで火を吹くのはやめよう
・8月5日:故郷に錦ヘビブーツを飾ろう!
・8月12日:お盆だ、御先祖様とハモろう!
・8月19日:泣くな球児よ 次は焼肉をめざせ!(いか天高くフライをあげよう)
・8月26日:残暑ザンショ 夏はサルサ
・9月2日:九月だ! 新学期だ! イカ天は秋がきてもアキがこないかな?
・9月9日:ブルースは鳴かせるぜ
・9月16日:紅葉の秋! 髪は真赤なもみじおろし
・9月23日:ロックも芝居もシャウトのしすぎに注意しよう
・9月30日:この季節、いか天コロモがエエ!
・10月14日:この季節イカ天はコロモがええー!
・11月4日:外タレに負けるなイカ天ここにあり!!
・11月11日:イロものバンド撲滅キャンペーン実施中
・11月18日:楽器ひいてもカゼひくな!
・11月25日:火の用心!! イエーッともえても家燃すな!
・12月2日:もういくつ寝ると武道館
・12月9日:朝まで生バンド! 忘年会カラオケ撲滅運動展開中
・12月23日:クリスマス☆パンクがママにキスをした!
・12月30日:除夜の鐘、パーカッションをなめるなよ!

「イカ天」で「イカ天キング」を獲得したバンドたち

誰もが憧れる王位の座、イカ天キング。

では、歴代イカ天キングを紹介します。今では誰もが知る有名バンドへと躍進した方など、知名度のあるバンド名も数多く見受けられますね。

初代:SLUT&SLASH BAND(2週勝抜)
2代目:GEN(1週勝抜)
3代目:FLYING KIDS(5週勝抜、初代グランドイカ天キング)
4代目:イエロー太陽s(1週勝抜)
5代目:RABBIT(3週勝抜)
6代目:JITTERIN’JINN(1週勝抜)
7代目:セメントミキサーズ(3週勝抜)
8代目:突撃ダンスホール(1週勝抜)
9代目:ダイヤモンズ(1週勝抜)
10代目:宮尾すすむと日本の社長(3週勝抜)
11代目:NORMA JEAN(4週勝抜)
12代目:BEGIN(5週勝抜、2代目グランドイカ天キング)
13代目:サイバーニュウニュウ(1週勝抜)
14代目:たま(5週勝抜、3代目グランドイカ天キング)
15代目:マルコシアス・バンプ(5週勝抜、4代目グランドイカ天キング)
16代目:Stone Crazy(2週勝抜)
17代目:THE BOOTS(4週勝抜)
18代目:RAMBLE-FISH(3週勝抜)
19代目:LITTLE CREATURES(5週勝抜、5代目グランドイカ天キング)
20代目:SOLID BOND(1週勝抜)
21代目:LANPA(4週勝抜)
22代目:悪名エレキショー(1週勝抜)
23代目:ジョリーロジャー(1週勝抜)
24代目:COLLAGE(1週勝抜)
25代目:BLANKEY JET CITY(5週勝抜、6代目グランドイカ天キング)
26代目:PANIC IN THE ZU:(5週勝抜、7代目グランドイカ天キング)
27代目:GLU(4週勝抜)
28代目:EDITION DELUXE(1週勝抜だが番組終了)

まとめ

素人オーディション番組の基礎をつくりあげた、「イカ天」。

ロックからパンクまで出演バンドの音楽層は幅広く、バンドブームを巻き起こしました。

ところが、番組ディレクターと構成作家の逮捕や審査員の交代で人気が下降し、2年と経たずに番組は終了。

しかし番組が残した功績は大きく、イカ天の伝説は後世まで語り継がれています。2007年には「あの伝説の番組再び!”イカ天2007復活祭”名物バンド激レア映像 今夜限りの大放出スペシャル」として特番が組まれました。

芸能界入りを目指すなら、このような素人オーディション番組に参加してみるのも一つの方法かもしれませんね。番組づくりに関わりたい方も、イカ天の斬新なアイデアにヒントを得て、新しいものを生み出していってください。

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