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コミュニケーション能力を向上させる方法

2019.09.17 / 未分類

コミュニケーション向上に必要な2つの能力

コミュニケーションは人間関係の基本である、とよく言われます。
自分の気もちを伝え、相手の気もちを知る方法は、コミュニケーションのみだからです。

コミュニケーションを難しく考える人もいますが、心理学的にシンプルに考えると、必要な能力は大きく2つあります。
1つは「共感して聞く能力」。
もう1つは「率直に伝える能力」です。
この2つがバランス良く機能していれば、良質なコミュニケーションを作っていきやすいと思われます。

なお、念のために強調しておきますが、「自分はこういう性格だからコミュニケーション傾向を変えられない」ということはありません。本人の意識と取り組み次第で改善していけるものです。

共感して聞く能力を向上させるには

それではまず、「共感して聞く能力」を向上させる方法を見ていきます。

共感しながら話を聞くためには、相手の立場や置かれた状況、気もちに思いを巡らせることがポイントになります。
ただし、あなたと相手は別の人間ですし、置かれた状況も違います。育った環境も違えば価値観も違う。つまり、相手の気もちを100%理解することなど、どだい無理なのです。しかし、努力次第で100%に近づくことはできます。

では、どのように相手の気もちに思いを巡らせるかというと、想像力を働かせるしかありません。
この人の状況だったら相手は、そして自分はどう感じるだろう?…というふうに、100%は無理にしろ、想像を巡らせながら極力相手の気もちに近づく努力をするということですね。これがよく言われる「共感力」です。

しかしあなたがいかに共感していようと、それが相手に伝わらなければ、(この人は自分の話を理解してくれていない…)と思われてしまうかもしれません。

実は、人間のコミュニケーションには「言語(バーバル)のコミュニケーション」と「非言語(ノンバーバル)のコミュニケーション」があります。分かりやすく言えば、「話の内容」と「仕草や表情など、話の内容以外の全て」に2分されます。

相手に与える印象としては、「非言語のコミュニケーション」のほうが強いということが分かっています。
人間の心には、意識の領域と、無意識の領域があります。意識の領域というのは、全体の1割程度しかないと言われています。
そして人間は、「言語」のメッセージは意識の領域で聞き取り、「非言語」のメッセージは圧倒的に多い無意識の領域で感じ取ります。

つまり、私は共感してあなたの話を聞いている…ということを相手に伝えるためには、話の内容(言語のメッセージ)もさることながら、非言語のメッセージを多く届けると効果的なのです。

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心理カウンセラーが使う非言語コミュニケーションあれこれ

それでは、この非言語のメッセージをどのように伝えていくか、心理カウンセラーが使う技術なども織り交ぜながらいくつか具体的にご紹介します。

①うなずき、あいづち、アイコンタクト

相手が話している時に、「はい、聞いてますよ」と言いながら聞いたとしたら、相手の話をさえぎってしまうことになります。
そこで無言のうなずきや、話を妨げない程度のあいづち(「ええ」「へぇ~」「なるほど」などの「音」)を会話の際に織り交ぜると効果的です。

同様に、適切なアイコンタクトも効果的です。ポイントは「見すぎない」ことです。相手から見つめられつづけて緊張した経験は誰でもお持ちかと思いますが、見つめ続けるのではなく、視線を適度に合わせ、適度に外すことが自然にできるといいですね。

②オウム返し

相手の使った単語をそのまま返すオウム返しも有効です。ポイントは「そのまま伝え返すこと」です。
例えば、相手が「〇〇さんのあの態度、頭に来ちゃった!」と言ったとします。この場合は、「ああ、腹が立ったんですね」などと変なふうに言い換えずに、「頭に来ちゃったんですね」…とそのまま返すわけです。
相手は何千何万もある言葉の中から「頭に来ちゃった」という言葉を選択してそれを言語化したのですから、これが今の気もちに最もフィットしている言葉ということになります。これを他の言葉にわざわざ変換するのは逆効果となります。

③相手との距離と位置

相手との距離や、話を聞く際の位置も、非言語のメッセージとして相手の無意識に届きます。
相手との距離が近すぎて緊張したり、圧迫感や不快感を覚えたことは、皆さん経験があると思います。相手との距離は「近すぎず、遠すぎず」を意識してください。
人間も動物ですから、防衛本能を持っています。ここまでの距離なら許せるが、それを超えて近づいてくる人は無意識に警戒する…というわけですね。

座る位置もポイントになります。
ケースバイケースですが、真正面に向き合う位置は、可能であれば避けたほうが良いかもしれません。対面の位置関係は「対立の構図」とも言われ、交渉事や折衝などの際に有効とされています。採用面接なども正面で向き合うことが多いですね。面接官が正面に座っていて緊張した経験は皆さんお持ちかと思います。
できれば斜め、もしくは横並びに座るほうが、相手に対して不必要な圧迫感を与えずにすむでしょう。そしてこの位置取りであれば、前述の「適切なアイコンタクト」も自然にできるはずです。

率直に伝えるのは意外に難しい

ここからは、「率直に伝える能力」を向上させるための方法を見ていきます。
人間の感情の伝え方は、3種類あると言われます。①攻撃的、②非主張的、③率直――の3つです。

攻撃的な伝え方は、自分のことだけを一方的に主張するようなイメージです。強引に主張することが多く、相手からすると後味の悪さが残り、ぎすぎすした関係になってしまいがちです。

非主張的な伝え方は、自分の意思や感情を明確に伝えない・伝えられないというイメージです。どっちつかずで曖昧な態度を取ってしまうのも非主張的です。相手の意見に反対なのにもかかわらず、結果的に相手に迎合してしまう感じですね。

率直な伝え方は、相手の気もちに配慮しつつ、自分の意見もしっかり言える、いわば相手と自分の両方を大切にしたコミュニケーションといえましょう。皆さんにはぜひ、この「率直な伝え方」を実践して欲しいと願っています。
ところが、この率直な伝え方ができている人は意外に少ないのです。

例えば、「たとえ間違っていると感じても、上司の言うことには反論できない」という人がいるとします。このコミュニケーションは、非主張的です。たまたま今回だけ言えなかったのでしょうか?
おそらくこの人は、過去に何度も言えずにいたはずです。つまり、非主張的な伝え方がクセになっているのです。

攻撃的なコミュニケーションも、クセになっていることが多いです。
例えばなにか揉めた時や自分の意見が通らない時に攻撃的になり、ごねる人を見たことはありませんか?こうしたケースは幼少期の生育環境が原因の一つということが多いですが、「ごねれば相手が折れる」ということを繰り返し体験してきたことで、攻撃的な伝え方がクセになっているわけです。

ですから、まずはご自分の伝え方・コミュニケーションのクセ・傾向を振り返ることから始め、そのうえで率直な伝え方を目指してください。

攻撃的・非主張的・率直のいずれの傾向を持っている場合でも、共通して言えることがあります。それは、「きちんと主張しなければ、自分の気もちは相手には伝わらない」ということです。

ですから、非主張的な伝え方がクセになっている人は、①とにかく伝えると決め、②この言い方は相手を傷つけないか?――という順序で考えることを習慣にしてください。この順序が逆になってはいけません。ポイントは、多少のリスクを冒してもとにかく伝えるということです。

攻撃的な伝え方がクセになっている人は、主張はできており、その伝え方に問題があるので、主張する前に「自分の言い方は相手を傷つけないだろうか?」と考える習慣をつけるように頑張ってください。

また、攻撃的な人は怒りの感情も多い場合があります。
怒りの感情をコントロールすることはなかなか難しいですが、「怒りを感じたら6秒がまんする」ことを心がけてみてください。
人間が怒りを覚えるとき、脳内では興奮物質のアドレナリンが激しく分泌され、そのために興奮状態となり冷静ではいられなくなります。
しかしこのアドレナリン分泌のピークは、怒りを発してから6秒後と言われています。つまりその最初の6秒間をやり過ごしてしまえば、その後は冷静さを取り戻しやすくなるというわけです。

コツコツと地道にトライすることが近道

コミュニケーション能力を向上させる方法、すなわち「共感して聞く能力」と「率直に伝える能力」をいかに高めていくかについて述べてきました。
この時点で自分の課題に気づいた方は、とても素晴らしいです。どこが課題なのかに気づくことが最も難しいので、気づけた方はすでにそこをクリアしているわけです。
あとは実践あるのみ。一朝一夕に身につくものではありませんが、コツコツと地道にトライしてください。結果的にそれが一番の近道となります。

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