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ダンサーの収入って?

2019.08.27 / 未分類

ダンスだけで生活できる??

ここ数年の学校教育としてのダンスの普及もあり、憧れの職業としてプロのダンサーを目指す人たちもたくさん増えてきました。観ている人に感動を与える、とても夢のある職業ですが、収入の面はどうなっているのでしょう?果たして、ダンスだけで生活できるものなのでしょうか?せっかくの夢のある職業でも、それだけでは生活できない、食べていけないというようであれば不安でたまりませんし、その内情は、サラリーマンのような一般の職業と違い、なかなか想像がつきにくいと思います。

まずダンサーは、プロダクションやエージェントなどに所属すれば多少の固定給が入ることもありますが、基本的にはサラリーマンのように毎月決まった給与が入ってくる月給制ではなく、1ステージごとに出演料が入ってくるという歩合制です。正直なところ、ダンサーの中でもかなりの収入差があって、ダンサーだけの収入では生活が厳しい人もいれば、数えるほどですが、年収1000万円前後というダンサーもいます。

ダンサーの仕事には、舞台出演、テーマパーク出演、ダンスカンパニーやバレエ団、劇団への所属、コリオグラファー(振付師)、インストラクター(ダンス講師)など様々な種類があり、どの仕事を請けるかによって、収入もずいぶん変わってきます。ひたすら舞台出演だけにこだわって仕事を請ける人もいれば、講師や振付など多様な仕事を請ける人もいます。何本も大きな舞台に出演できるようなダンサーなら別ですが、色々な仕事をこなすダンサーの方が収入は当然アップします。そのような点から、多岐の仕事に対応できるダンサーほど、生活は安定していくと言えるでしょう。

舞台出演での収入

舞台出演の仕事にも色々な種類があります。単独で公演できるようなダンスアーティストは例外として、主にクラブなどでのショーケース、ライブコンサートのバックダンサー、ミュージカルや演劇での出演といった仕事があります。

クラブやイベントなどでのショーケースの出演料は、ステージ内容やダンサー自身の能力と知名度によっても変わってきますが、一般的には1ステージ3万円〜と言われています。その他ショーハウスでの出演、結婚式の披露宴やフラッシュモブでのダンスなど、単発の安価なアルバイトもあります。

ライブコンサートのバックダンサーでの出演料は、基本的に日給として発生します。そのアーティストやアイドルなどの人気にもよりますが、本番1ステージの大体の相場は5000円~3万円、大物アーティストの場合では5~10万円といったところです。加えて、リハーサルからも5000円~2万円の日給が発生します。つまりバックダンサーでの出演料は、リハーサル日数×本番回数という計算になりますので、全国ツアーのようなコンサートに参加できれば、まとまった収入を得ることができます。

ミュージカルや演劇などは、一部の劇団では一定の給与が出るところもありますが、ほとんどの場合は1公演ごとの契約となっています。公演の規模やダンサー本人の知名度で変わってきますが、その相場は1〜10万円、よほど観客動員の見込める公演でない限り、ベテランのキャストでも50万円ぐらいだと言われています。さらにコンサートのバックダンサーとは違い、リハーサル中の日給などは発生しません。もし出演料1万円の公演で、リハーサルを含む公演期間が1カ月であれば、単純に月給1万円ということになります。ミュージカルや演劇の仕事は、本当に好きでないと続けられないとも言われ、収入は関係なく好きだから続けているという人も多く見られます。

テーマパークでの収入

テーマパークでの出演料は、時給、日給、月給と運営会社により異なる多様な設定があります。パレードやショー、キャラクターなどの配属先や出演回数によっても変わってきますが、おおよその相場は時給1200円〜、日給7000円〜、月給7万円〜となっており、もちろんキャリアや能力に合わせて上がっていきます。基本的な契約期間は1年間で、定期的な内部オーディションに合格すれば、昇給することができます。また期間限定イベントなどのダンサーを短期バイトとして募集することもあります。テーマパークの仕事も、それほど収入にはこだわらず、そのテーマパークが好きだからという理由で就いている人が多いのが実情です。

ダンスカンパニーやバレエ団などでの収入

ダンスカンパニーやバレエ団に所属での出演料は、2〜5万円と言われています。以前は所属すると一定の給与が支給される団体もありましたが、現在はほとんどがアーティスト契約という形をとっています。主催公演の多い団体なら、そのぶん収入も見込めますが、公演の少ない団体では十分な収入は難しいので、複数の団体に所属するダンサーもいます。しかしながら、知名度のあるダンサーになれば、年収800万円前後とも言われています。

コリオグラファーでの収入

コリオグラファーの振付料には、実は特に決まった相場はありません。それは完全に言い値であったり、依頼主との相談で決まることがほとんどだからです。町内会のダンス大会の振付を1万円で請けることもあれば、CMの振付を100万円で請けることもあります。アーティストやアイドルの楽曲を振り付ける場合、強いて言うなら1曲10〜20万円といったところですが、超有名な売れっ子振付師ともなれば、料金は何十倍にも跳ね上がりますし、自然と相場も決まってくるでしょう。仕事にはダンスセンスだけでなく、ビジネスセンスも必要になってきますが、適性さえあれば、かなりの収入が見込めます。

インストラクターでの収入

現在の大半のダンサーの生活を支えているのは、間違いなくインストラクターの仕事だと思います。

全国規模のダンススタジオやフィットネスクラブの正社員になるケースもあり、その場合の年収は300万円前後と言われています。ただ、その雇用数はそれほど多くありませんし、現状では自分で時間を選べるフリーのインストラクターがほとんどです。

ダンススクールや養成所、ダンススタジオなどにフリーのインストラクターとしてクラスを持つ場合、1レッスン3000〜8000円が相場となっています。キャリアや知名度で上がっていくので、ダンスコンテストで入賞したり、ショーケースや動画などで人気の出たダンサーは、1レッスン2〜3万円にもなります。人気のあるダンサーほど生徒も集まりやすくなるので、ゆくゆくは独自でワークショップやダンススタジオを開くことも可能となるでしょう。

ダンサーの2つの夢

ちなみに、平均的なダンサーの年収水準は100~300万円と言われており、残念ながら決して高い水準にはありません。なかなか収入も増やせず、この時点で辞めてしまうダンサーが多いことも事実です。とはいえ一方で、年収500~700万円という水準のダンサーも少なくはないので、最初のうちは厳しくても、ある程度の経験と実績を積んで、少しでも名前が売れるようになれば、年収アップも現実的なものとなるということでしょう。

また、継続年数と年収は比例しているので、必然的に長く続けられる人は一定の人気もあり、収入も安定しているということになります。とにかく続けることがポイントです。ダンサーはアスリートと同じで、身体を壊すとすぐに収入がゼロとなってしまいます。長く続けるには、当たり前ですが、身体のメンテナンスを怠らないことも最低限必要です。また、フリーで活動するよりもプロダクションなどに所属した方が仕事を獲得しやすく、結果的に長く活動できることは間違いありません。

ダンサーは人気商売でもあり、収入面では不安定な部分もありますが、成功できるかどうかはまさに本人次第です。そういう意味では、観る側に与える夢だけでなく、仕事する側にも夢がある素敵な職業だと思います。そんな2つの夢を叶えられるようなダンサーを目指してみてはいかがでしょうか?