伝説なオーディション番組「スター誕生」について記した記事中のイメージ画像です。スタジオに置かれたマイクがクローズアップされています。

「スター誕生!」の魅力や歴代合格者について

2021.12.24 / 未分類

昭和世代なら誰もが知っている・・・といっても過言ではないほどの大型オーディション番組、「スター誕生!」。

1971年10月3日から1983年9月25日まで、約12年間にわたって全619回の放送を行いました。

初回視聴率は4.7%だったものの、徐々に人気が加速し、1978年5月には28.1%もの視聴率を獲得。

番組自体はもう終わってしまいましたが、この「スター誕生!」からデビューしていった方々の中には、今も第一線で活躍されている方もたくさんいます。

では「スター誕生!」の魅力や特徴について、詳しく迫っていきましょう。

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「スター誕生!」の予選会について

「スター誕生!」は、視聴者参加型のオーディション番組なので、歌唱希望者の方は予選を受けなければなりません。

スター誕生予選会の詳細

【会場】
・よみうりホール
【審査方法】
・4小説の歌唱
【平均参加人数】
・500~1,000人
【最終審査出場人数】
・10人前後

予選会として用意されたのは、よみうりホール。百貨店大手そごうなどが入っている読売会館の7階に位置するため、休日の読売会館の階段は応募者であふれかえっていたとか。

予選会のシステムは、とても簡単。参加人数が多かったので、4小節の歌唱だけで「はい終了」だったそうです。4小節を時間にすると10秒程度。審査員も、超短時間の歌唱だけで参加者の才能を見抜くのはひと苦労だったことでしょう。
その代わり、楽曲の中の「どこの4小節」かは規定されていませんでした。サビなど自分の得意な部分だけで勝負できるのは魅力ですね。

予選では、毎回500~1000人もの方が歌唱を披露しました。一次審査では、この中から50人にまで一気に絞られます。
二次審査も同じ方法で行い、そこで30名まで絞ります。

ようやくフルコーラスで歌えるのは、最終審査。最終審査で残れる人数は厳密には規定されておらず、時期によって増減しました。
ちなみに第一回目の予選では、14人の参加者が最終審査を通過し、スタジオ歌唱へとすすみました。

スタジオ歌唱について

スタジオで歌唱を披露できるのは、番組の時間の関係上、1回につき7人(7組)まで。しかし番組の放送回数がすすむにつれて少しずつ変わり、番組が終了するころには1回につき5人の歌唱となりました。

予選通過者は、紹介のナレーションと共に入場。設置してあるスタンドマイクの前に立ち、カメラ、審査員、ゲスト、観客たちの前でフルコーラスでの歌唱をします。

審査方法

採点方式。5人の審査員と会場の観客たちがそれぞれ点数で評価し、合計点がそのときに「規定点」を超えれば合格となります。
審査員の持ち点は、1人につき100点。観客たちは合計で500点を保持しています。審査員は5人いるので累計500点、観客の500点と合わせて1000点が上限となります。

では規定点は何点かというと、その時期によって変動します。たとえば番組がはじまった頃は250点以上が合格でしたが、番組の末期には300点以上が合格となっていてハードルが上がっていったことがわかります。

合格者には、日本テレビ音楽学院の入学案内書と、さらに奨学金が副賞として贈呈されます。その場で紺色のブレザーコートを羽織られ、最後はバンザイをして番組終了・・・という流れでした。
誰も合格者が出なかった回は、「バンザーイ無しよ!」「ごめん!」「残念!」など様々なフレーズと共に、賑やかに締めくくられました。

1981年4月12日~1982年1月3日まで

番組が好調な人気を見せる中、オーディションのシステムは少しずつ変化していきました。

たとえば、予選会の二次審査に残れる人数は30人、最終審査を通過できるのは16人と明確に規定されたこと。
またスタジオ歌唱では2部構成が採用され、歌唱者数は8人になったことなどが挙げられます。

審査において、1部では歌唱者の8人がメドレー形式で順番に歌唱をしていきます。これを100名の観客が、各自1点の持ち点から審査。点数が高い参加者から順に、5名だけが2部へとすすむことができました。

2部では、ハンドマイクを持ってそれぞれがフルコーラスを歌いきります。これを、5名の審査員が評価していく方式です。5人の合計点が300点ぴったりに達すれば合格・・・というシステムでした。

点数に明確な規定はなく、基準は60点とされていました。そのため参加者の歌唱によっては90点以上が連続してつくこともあり、「5人の審査員すべての開票を待たずに合格が決定した!」とスタジオが盛り上がることも少なくありませんでした。

合格者にはトロフィーを贈呈して締めくくられました。

この後、放送時間短縮と共に、スタジオでの歌唱人数が1回につき6人や5人など変更されていきました。また特番では1回につき15名が歌唱するなど、特別な編成で放送されることもありました。

1982年1月23日から最終回まで

1983年1月23日から、番組の正式タイトルが「スター誕生!~全国選抜歌の応援歌」に変更されました。

ルールも変わり、7週連続の勝ち抜き制に。
スタジオ歌唱者はそれぞれフルコーラスを歌い、5人の審査員が合計点を発表します。このとき審査員も持ち点は1人につき70点が基準で、5人の合計で350点を超えると次の週にすすむことができました。

7週連続で勝ち抜くと、「グランドチャンピオン」に認定。紙吹雪が舞う中で、審査員から賞状とトロフィーが渡されました。

「スター誕生!」の歴代合格者とデビュー曲

長きにわたって人気を獲得してきた「スター誕生!」。

スタジオ歌唱での合格者を、合格した時期が早い順からご紹介します。デビュー曲も合わせてお伝えするので、興味があればぜひ聴いてみてください。初々しい歌声は、まさに彼らの夢の集大成といえるでしょう。

歴代合格者とデビュー曲

沼尾健司 :第1回放送の合格者。後にユニットとしてデビュー
森昌子 : 『せんせい』
長田たいじ : 『女の未練』
柴葉子 : 『白い羽根』
三橋ひろ子: 『私の花言葉』
コスモス : 『若草物語』
藤本哲也 : 『冬の旅』
緑川真 : 『高校時代』
鷲と鷹 : 『さすらい渡り鳥』
南陽子 : 『赤い花まつり』
堺淳子 : 『祭りの思い出』
最上由紀子: 『初恋』
池田正臣 : 『われしのぶ』
桜田淳子 : 『天使も夢みる』
菅原昭子 : 『十七歳の行進曲』
山口百恵 : 『としごろ』
シルビア・リ―: 『霧のエトランゼ』
松下恵子 : 『花嫁の父』
すみあきくん : 『満員電車』
宮本賢治 : 『さすらい』
麿こうじ : 『悲しみの湖』
藤正樹 : 『忍ぶ雨』
おがた愛 : 『別れのブラックコーヒー』
城みちる : 『イルカにのった少年』
石江理世 : 『目かくし』
伊藤咲子 : 『ひまわり娘』
しのづかまゆみ: 『パパはもうれつ』
松田新太郎 : 『君でいっぱい』
米永透 : 『あれから』
目黒ひとみ : 『わたしのシュガー・ボーイ』
片平なぎさ : 『純愛』
小林美樹 : 『人魚の夏』
梶たか子 : 『京都初雪』
渡辺秀吉 : 『ぼくはもう一度恋をする』
小川真代: 『それでも私は』
岩崎宏美 : 『二重唱』
黒木真由美 : 『好奇心』
北村優子 : 『若草のデート』
新沼謙治 : 『おもいで岬』
横本メイ: 『すてきな貴方』
久木田美弥 : 『少女自身』
神保美喜 : 『はじめてのワルツ』
朝田のぼる : 『白いスカーフ』
浦部雅美: 『少し遠出をしてみませんか』
清水由貴子 : 『お元気ですか』
ピンク・レディー: 『ペッパー警部』
神田広美 : 『人見知り』
谷ちえ子 : 『花の女子高数え歌』
ものえ和恵 : 『帰っちまえ!』
梓真由美 : 『白い猫おいで』
岩城徳栄 : 『ダウン・タウン・ベイビー』
渋谷哲平 : 『朝日に向って』
石野真子 : 『狼なんか怖くない』
大橋恵里子 : 『経験シーズン』
豊田清 : 『青春PART1』
金井夕子 : 『パステル・ラヴ』
北野玲子 : 『初恋景色』
川崎公明: 『ひとりにしてくれ』
ポップコーン : 『ブルーロマンス薬局』
菅沢恵子 : 『哀しくて哀しくて』
井上望 : 『ルフラン』
鯨井ゆかり : 『街はおしゃべり』
甲斐智枝美 : 『スタア』
柏原芳恵 : 『No.1』
北原裕 : 『愛は今から』
杉田愛子 : 『花吹雪』
堤久美子 : 『浜辺のマドリガル』
宮原巻由子 : 『花明り』
水谷大輔 : 『星屑海岸』
矢野良子 : 『ちょっと好奇心』
松本泰司 : 『BAD BOY ON STAGE』
小泉今日子 : 『私の16才』
中野美紀 : 『未経験』
河上幸恵 : 『ブルー・エトランゼ』
田中さとみ : 『私の神様』
中森明菜 : 『スローモーション』
水谷絵津子 : 『キラリ・涙』
吹田明日香 : 『バ・ケー・ショ・ン』
松尾久美子 : 『メモワール』
ルー・フィン・チャウ : 『スター誕生』
松本明子 : 『♂×♀×Kiss(オス・メス・キス)』
太田貴子 : 『デリケートに好きして』
高橋美枝 : 『ひとりぼっちは嫌い』
佐藤佳代 : 『ファースト・デイト』
宮野比呂美 : 『横浜ジゴロ』
金子美香 : 『Teenage Blue』
愛田悦子 : 『まわり道』
小椋幸子 : 『初恋しぐれ町』
滝里美 : 『東京ジンタ』
鈴木ゆかり : 『新プロ野球小唄 中日編』
久保田篤 :『恋の爆弾ストリート』
中尾浩美 :合格はしたが番組が終了

デビュー権を賭けた決戦大会

「スター誕生!」では、3か月を1クールとして、合格者が7~8人溜まったところで決戦大会を開催しました。

観客席に座っているのは、芸能事務所やレコード会社のスカウトマン。つまりメジャーデビューへの権利を獲得できる最大のチャンスです。

出場者がそれぞれワンコーラス歌い終わった後、順番に「お立ち台」の上に立って、スカウトマンたちにアピールします。「〇番の△△です。心を込めて歌いました。よろしくお願いいします!」のように、出場者たちの自己アピールはほぼ定型文のように決まっていたものの、ここでの出会いから人生が変わった出場者たちもたくさんいました。

司会者が「どうぞ!」と発声した後に、スカウトマンたちがそれぞれの会社の名前が書かれたプラカードを揚げます。スカウトをしたい人にはプラカードが集中しますが、逆に誰からも指名されない出場者も少なくありませんでした。このリアリティーさこそが、まさに「スター誕生!」の醍醐味といえるでしょう。

このときのスカウトでデビューへの権利を獲得した出場者には、今も第一線で活躍されている方々がたくさんいます。スカウトマンたちの見極めは、まさに本物ですね。

決勝大会でスカウトを受けた参加者

【指名社数】
桜田淳子:25社
山口百恵:20社
新沼謙治:20社
黒木真由美:18社
渋谷哲平:18社
伊藤咲子:17社
石野真子:16社
清水由貴子:14社
森昌子:13社
中森明菜:11社
岩崎宏美:8社
ピンク・レディー:8社
岡田有希子:4社
柏原芳恵:3社
小泉今日子:3社
神保美喜:1社
松本明子:1社

スター誕生からデビューした大スター

人気番組だった「スター誕生!」は、注目度も高く日本を代表する大スターを多数輩出した番組です。
その中で、特に印象深い「スター誕生出身」の芸能人を紹介します。

山口百恵

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1972年、中学生の時に「スター誕生!」に出場し、20社からスカウトの指名を受けた山口百恵さん。
1973年にデビューし、俳優の三浦友和さんとの結婚を機に、1980年に芸能界を引退するまでトップアイドルとして駆け抜けました。
人気絶頂での歌姫の引退は、多くのファンに衝撃を与え、芸能界の歴史に残るエピソードです。
ヒット曲「いい日旅立ち」「秋桜」など、今も聞かれている楽曲がたくさんあります。

中森明菜

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歌手に憧れた母の影響で、同じ夢を追いかけるようになった中森明菜さんは1981年に、本選3度目の挑戦となった「スター誕生!」への出場で、史上最高点で合格しました。
その後11社からのスカウトを受けてデビューを果たし、瞬く間にトップスターとして活躍するようになりました。
現在活躍している芸能人にも、中森明菜さんファンを公言している人がたくさんいるほど、カリスマ性のある歌姫です。

ピンクレディー

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同級生だった2人が揃って「スター誕生!」に出場したのは1976年でした。
8社からのスカウトを受けて「ピンクレディー」としてデビューし「ペッパー警部」「渚のシンドバッド」「UFO」など数々のヒット曲で、ピンクレディー旋風を巻き起こしました。
大胆なコスチューム、マネしたくなるダンスで一躍人気アイドルとなり、トップアイドルへと駆け上がりました。

小泉今日子

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1981年に「スター誕生!」に出場し、翌年「私の16才」でデビューした小泉今日子さん。
友人に勧められて、何となく受けたオーディションだったため、審査の歌も最後まで覚えておらず、歌えなかったそうです。
しかし、天性のアイドル性を評価され、合格しましたが、アイドルとしての自分自身に違和感を感じ、髪をショートカットにしたり、個性的な衣装に身を包むなど、独自の世界観を生み出し大ブレイクしました。

石野真子

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中学時代から歌のレッスンを受けていた石野真子さんは、1976年に歌の講師から勧められて「スター誕生!」のオーディションに参加しました。
決勝大会では見事16社からのスカウトを受け、デビュー前からファンが付いていたほどの人気で、注目されていた参加者でした。
1978年に「狼なんか怖くない」でデビューを果たし、現在は女優としても活躍しています。

まとめ

「スター誕生!」は視聴者参加型のオーディション番組として、12年間にわたり放送をされてきました。

参加者の一人から、誰もが知るスターへと登りつめる姿は、思わず応援したくなってしまいますね。あなたも、視聴者参加型の番組があればぜひ参加してみましょう。そこから、人生が大きく変わるかもしれませんよ。

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