泣くことで自分の気持ちを伝える赤ちゃん。「赤ちゃんは泣くのが仕事」なんて昔から言われていますが、朝も昼も夜も関係なく泣かれては、パパママも困ってしまいますよね。
特に大変なのは、夜泣き。日中のお世話で疲れきった体を少しでも休めたいものですが、深夜まで泣かれるとたまったものではありません・・・。
赤ちゃんは、なぜ夜泣きをするのでしょうか? 原因がわかれば、対策も見えてくるはずです。
赤ちゃんはなぜ夜泣きをするの?
赤ちゃんの夜泣きに、肉体的だけではなく精神的にも追い詰められるパパママはたくさんいます。
「一生懸命お世話をしているのに。私の何が不満なのよ!」と、赤ちゃんに当たりたくなってしまうお気持ちはよく分かります・・・。しかしそれでは、本末転倒。
夜泣きは、あなたのせいではありません。ミルクもあげてオムツも変えて抱っこもして空調も最適なら、特に原因があって泣いているわけではないのです。時には「体のどこかが痛い」「体のどこかがかゆい」などのメッセージを泣くことで発している場合もありますが、正直そこまではいくら両親でも計りかねるものです・・・。
夜泣きのメカニズムは、医学が発達した現在でも明確には解明されていません。
しかし一説によると、睡眠のメカニズムが関係しているといわれています。
大人でも赤ちゃんでも、眠っている間は、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」が交互に繰り返されます。大人の場合は約90分サイクルですが、赤ちゃんの場合は約50分サイクル。つまり「すぐに起きてしまう」という状態であるうえに、「昼は活動して夜は寝る」という大人のような体内時計がまだ備わっていないこともあり、それらが複合して夜泣きへと繋がっているといわれています。
ほとんどの赤ちゃんは、生後半年から1歳半くらいまでに夜泣きの時期を経験します。いわば夜泣きは、赤ちゃんとご両親の通過儀礼。「泣くのはやめて!」と伝えても理解が未熟な赤ちゃんですから、大人の睡眠時間を確保するためには「いかに夜泣きを和らげるか」がポイントです。
実は、「夜泣き」という言葉そのものがない国はたくさんあります。赤ちゃんは、泣くのが普通。たまたま夜に泣いているというだけで、「昼泣き」という言葉がないように「夜泣き」の言葉も概念もない国が多いのだそうです。そう考えると、「うちの子どうしたのかしら」「私のお世話が悪いのかしら」「どうにかしなきゃ!」など焦る気持ちが少しラクになりませんか?
赤ちゃんの夜泣き対策6つ
夜泣きは、誰もが通る道。
夜泣きそのものを「させない!」と意気込むとストレスになるので、「夜泣きは仕方がないこと」と受け入れたうえで緩和策を練るのがベスト。
ではここからは、赤ちゃんの夜泣きへの具体的な対策について6つほどご紹介していいます。
■赤ちゃんの夜泣き対策1「昼は明るく夜は暗く」
赤ちゃんの夜泣きの原因は、「睡眠サイクルが短いこと」と「体内時計が備わっていないこと」だと前項でお伝えしました。
逆に考えると、このどちらかを緩和できれば、夜泣きも和らぐことが期待できます。
睡眠周期を変えるのはなかなか難しいので、体内時計のほうから見直してみましょう。
体内時計は、私たち大人のように「昼に活動して夜には寝る」というサイクルを繰り返すことで自然と身についていきます。
そのため、太陽が出ている日中はカーテンを開けて日差しを取り込んだり、外に散歩に出かけたりして、赤ちゃんが活動している時間を増やしましょう。
そして夜になったら、部屋の電気を消し、就寝の雰囲気づくりをしてください。家事や雑用が溜まっているとは思いますが、まずは電気を消して、テレビも消して、「この時間になったら暗くなるので寝る」という習慣づけをしていくことが大事です。
■赤ちゃんの夜泣き対策2「安心できる音を聞かせる」
ママのお腹の中にいるとき、赤ちゃんはテレビの砂嵐のような音を聞いているといわれています。
これはママの血流が胎内にこもって聞こえるもので、「ザーーー」という大人には少し不快な音かもしれません。
生まれてからも、10か月もお腹の中にいた赤ちゃんはこの音を覚えています。そのためこの音を聞かせてあげると、夜泣きの最中もハッとして泣き止むことがありますよ。
例えばテレビの砂嵐をはじめ、ビニール袋を手でガシャガシャと鳴らしたり、水が流れる音も効果的といわれています。最近ではこれらの音を集めたアプリも普及しているので、スマホで探してみても良いかもしれませんね。オルゴールの音が流れるメリーもおすすめですよ。
■赤ちゃんの夜泣き対策3「電気をつけて完全に起こす」
何をしても、どう頑張っても夜泣きがおさまらないときはあります。
赤ちゃんを抱っこする手も疲れてくるし、何より眠すぎて「いい加減にしてよ・・・」と途方に暮れた気持ちになりますよね。
そんなときは、思いきって電気をつけて起こしてしまいましょう!
絵本やぬいぐるみごっこなど、いつもの遊びをすれば赤ちゃんも気分転換になります。「あうあうー」と手足をバタつかせた後は、疲れて眠くなり、その後ぐっすりと眠ってくれることもありますよ。
■赤ちゃんの夜泣き対策4「ドライブをする」
車の振動は、ママのお腹の中で感じていた振動と似ているといわれています。
泣き叫んで手がつけられないお子さんでも、車に乗せたら5分で熟睡・・・ということも珍しくありません。
外出の準備は少し億劫ではありますが、夜なのでパジャマのままでも大丈夫でしょう。部屋の中で何時間もつきあっていた夜泣きが、ドライブに連れ出したらあっという間に解決するかもしれませんよ。
■赤ちゃんの夜泣き対策5「就寝前の習慣をつける」
まだ世の中の仕組みを知らない赤ちゃんにとって、「夜になったら眠る」というルールは通用しません。
そのため、「今から寝るんだよ」と日常的に習慣づけをすることで、赤ちゃんも「これから寝るんだな」と理解しやすくなります。
例えば、消灯の2時間前には入浴する、消灯したらいつもの子守唄を聴かせるなど、赤ちゃんが「あ、これが始まったからもうすぐネンネだ」のように自然と覚えられるような習慣をつくってみてくださいね。
■赤ちゃんの夜泣き対策6「お気に入りアイテムをつくる」
これは筆者の体験からですが、何かお気に入りのアイテムを手に持たせると、赤ちゃんの気持ちが落ち着くことがあるようです。
私も数年前、同じように子どもの夜泣きに悩んでいました。
育児書の「先輩の体験談」を読んでいたとき、そのうちの一つの投稿に『うちの子はガーゼを手に持たせると夜泣きが落ち着きました』と書いてあるのを発見。
さっそくその日の夜泣きのときに、近くにあったガーゼを持たせてみたら・・・ 口に持っていって食べていました(笑)。
でもこのガーゼ作戦、効果てきめん。言い方は悪いですが「口をふさぐ」というおしゃぶり的な効果もあるようで(笑)、子どもの気持ちも落ち着くうえ泣き声もなくなって、良いことづくめでした。
ガーゼは、タオルケットや毛布などいろんな布製品でも代用できるのですが、うちの子はそのうち「お気に入りの1枚(6重ガーゼタオルケット)」が見つかったようで、そればかり食べていました。
泣いたら「はいコレ!」と渡せば、ハムハムしながら一人で勝手に寝てくれるので本当に大助かりです。
ちなみにうちの子は現在4歳ですが、4歳になった今でもそのタオルケットを食べ続けています。私が隣で寝かしつけなくても、その1枚さえあれば、食べながらひとりで寝てくれます。
スヌーピーのアニメに、ライナスというお子さんが出てくるのですが、ライナスはいつもお気に入りの毛布を持ち歩いています。何か手に持つと落ち着くアイテムがひとつあると、お子さんにとって心の寄りどころになるかもしれませんね。
まとめ
赤ちゃんの「夜泣き」は、自然なこと。
「今日こそは泣かせない!」と意気込むのではなく、「泣かれても大丈夫」とゆったりした気持ちで受け止めてあげてください。
1歳半くらいまで、パパママは昼も夜も関係ない生活になるでしょう。しかし赤ちゃんの中で生活リズムさえできてしまえば、赤ちゃんの隣でぐっすり眠れる日もそう遠くありませんよ。
夜泣きにストレスが溜まりそうなときは、『今日の夜泣きムービー』と銘打って夜泣き動画をコレクションするなど、ご両親も割りきって少しでも気分を変えられるよういろいろ試してみてくださいね。