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オーディションで緊張しない方法ってあるの?

オーディションなどで緊張してしまうことはよくあります。自分の持てる力をすべて発揮するためには、緊張しすぎないことが大事です。

プロの世界で活躍する歌手や俳優などは、どのようにして緊張をコントロールし、優れたパフォーマンスを発揮しているのでしょうか。

ここでは、まず緊張のメカニズムを解説し、つぎに緊張しないための具体的な方法を紹介します。オーディションで実力を出し切れるように、緊張しない方法を身につけておきましょう。

メカニズムがわかれば緊張しない方法もわかる

どんなに落ち着いている人でも、全く緊張しないことはないでしょう。しかし、緊張に負けることなく本番で結果を残せる人は、緊張をコントロールできますし、場合によっては緊張を楽しむ余裕すら持ち合わせています。

まるで緊張とは無縁であるかのような人になるためには、自分に合った緊張しない方法を見つけて繰り返し訓練することが大切です。そのためには、まず緊張のメカニズムについて知っておきましょう。

緊張は、失敗を恐れることによって起こる防衛本能です。

オーディションであれば、「セリフを言い間違えてはいけない」「歌をうまく歌わなければならない」といった「失敗したらどうしよう」という感情によって恐れや不安が生まれ、脳と体が硬直してしまうことがよくあります。この状態になってしまうと認知能力や判断能力も下がり、素早く適切な対応がとれなくなってしまいます。つまり、自分を守ろうとして脳と体が硬くなっている状態を緊張というのです。

緊張は、大昔に人類が危険を伴う狩猟生活を営んでいたころの防衛本能であるといわれています。

戦闘状態に入る前になると、人間の体にはノルアドレナリンという神経伝達物質が分泌され、自律神経の交感神経を刺激します。これにより心拍数を上げ、血流をよくし、体を温めて一時的に身体能力を高めるのです。

したがって、本来なら緊張は悪いものではないはずです。適度に緊張することによって集中力が研ぎすまされたり、感覚が鋭敏になったりすることもあるからです。上手に緊張をコントロールできれば、プラスに働くこともできるでしょう。

問題なのは、失敗を恐れることによって脳と体が硬直してしまい、するべき行動がとれなくなることです。

多くの場合、ネガティブな感情が湧くとこのような緊張状態になってしまいます。そのため、どのようなときに緊張をしやすいかをあらかじめ理解しておくことが重要です。そうすることによって、逆にどのような状態のときなら緊張しないかがわかるようになり、自分なりの緊張しない方法を見つけられるようになるでしょう。

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万全な準備をしてオーディションに臨む

「練習は裏切らない」とよくいわれます。

練習を重ねてきたことによって、さまざまなスキルが向上することはもちろんですが、メンタル面での効果もあります。「あれだけ練習してきたのだから成功するはずだ」「この程度は練習済みなので、想定の範囲内だ」などと自分を勇気づけたり、冷静さを取り戻せたりできるからです。

練習不足の場合は、全く逆の効果があります。

十分な練習をしていないなど準備不足のときは「失敗するのではないだろうか」という恐れや不安の感情が起きやすくなります。これによって、緊張を引き起こしてしまうのです。十分な練習や準備をしておけば、こうした緊張は起こりにくくなるでしょう。

また、本番を意識した準備を進めておくことも重要です。

リハーサルはできるだけ本番と同じ環境で行いましょう。オーディションであれば、本番で想定される持ち時間内で課題をこなすことや、挨拶から退出までを通しでやってみることなどもよいでしょう。本番を意識せずにリハーサルを行うと、本番ではリハーサルと違うと感じて緊張してしまうからです。

また、心構えも重要です。「これは本番なのだ」と自分に暗示をかけるイメージトレーニングをしておけば、本番をより意識した準備となります。

適度な緊張感を作り出すと緊張は消える

脳と体が硬直してしまうような緊張は避けたいところです。しかし、緊張をなくすことばかり考えていると逆効果になることもあります。

そこで、「適度な緊張感を作り出すと緊張は消える」という方法を身につけておきましょう。

緊張と緊張感は似ていますが、全く違うものです。緊張は周りからの影響で強いられるものであるのに対して、緊張感は自らが生み出すものといえるのです。つまり、緊張感なら自分でコントロールできます。この方法で有効なのは、できることよりも若干難しいことにチャレンジすることで良質の緊張感を作り出せることです。

「若干」というのが大切なポイントです。というのは、若干の差ならどうすれば上手にできるか具体的にアプローチできるからです。また、具体的な目標なので集中力も増しやすいメリットがあります。

一方、成功率が低いことにチャレンジすると、恐れや不安がどうしても先行するため緊張してしまいます。

また、他人の評価など自分でコントロールできないことを目標にすると、周りからの影響を受けやすくなるため逆効果です。

若干難しいことに繰り返しチャレンジして緊張感を味わうと、自分でコントロールできるようになってきます。少しずつ負荷のかかる状態に慣れていくことで、緊張感をコントロールできるようになるでしょう。

ルーティン化しておけば怖くない

「ルーティン」といえば、イチロー選手がバッターボックスで行う一連のしぐさなどが代表的です。必ずユニホームの同じところを触り、バットを上げて一定時間止めるなど、本番に行う動作をあらかじめ決めているのです。

人間は、本番で失敗することを不安に感じると緊張するという習性を持っています。普段と同じだと思えば、あるいはそのように自分を錯覚させれば、緊張しにくくなります。そのため、たとえば「本番直前には深呼吸を3回する」というルーティンを普段からしていれば、本番になっても普段の練習どおりのパフォーマンスを出しやすくなります。

ルーティンは、簡単に実行できることで十分です。

「毎日何か1つ同じものを食べる」「毎日同じ音楽を聴く」「毎日何か1つ同じものを身につけるようにする」などルーティンを決めておき、本番でも同じように行いましょう。そうすれば、普段と同じだと思いやすくなります。

緊張状態を解くきっかけとしたり、集中力を高めるスイッチにしたりするのもルーティン化のメリットです。自分に合った簡単なルーティンを決めておき、緊張しない方法のひとつとして習慣化しておきましょう。

リラックス状態を作り出す3つの方法

緊張は脳と体の硬直した状態なので、硬直を防いだりほぐしたりしてリラックスした状態にするのが大切です。

ここではリラックス状態を作り出す3つの方法を紹介します。

1つ目は「深呼吸をすることで新しい酸素を取り込む」ことです。硬直して体が縮こまっているような状態の場合は、酸素を体中に循環させましょう。また、過度に緊張しているとハアハアと息が乱れている場合があります。深呼吸によって呼吸を整えるとともに、心も冷静になる効果があります。

2つ目の方法は「ストレッチで硬直した筋肉をほぐす」ことです。緊張している状態とは、必要のない力が入っている状態ともいえます。ストレッチによりこわばった筋肉などをほぐしましょう。また、体を大きく動かさなくても、指のストレッチをするのもよいでしょう。指には自律神経が通っているため、ストレッチすることで体全体の緊張を緩和するのに効果があるからです。

3つ目の方法はルーティンと組み合わせる方法です。たとえば「大きな声を出す」などのルーティンは声帯の緊張を解くとともに、大きな声を出すことで自分は自信があるのだと脳をだます効果も期待できます。無理にでも笑うことで心が軽くなるなど、体の一部だけの動きが心に影響を与えることはよく知られています。

このように、脳を錯覚させることはオーディションにおいても非常に役立ちます。第一声で大きな声を出せれば緊張がほぐれますので、ルーティンのひとつとして採用してはいかがでしょうか。

自信を持って臨めれば緊張しない

「自分の敵は自分」という言葉もよく聞きます。

不安を感じることで緊張してしまい、それが失敗につながってしまうことがよくあるからでしょう。自信を持ってオーディションに臨めれば緊張はしなくなります。そのためには、専門のスクールでスキルと自信を身につけることも大事です。

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