自己肯定感とは
「自己肯定感が高い」「自己肯定感が低い」という言葉が、日常的に使われるようになってきましたが、この「自己肯定感」によって、一体何が変わるのでしょうか。
自己肯定感とは?
・自分自身に満足している感覚
・自分のことを肯定的に思える感覚
日本人は、自己肯定感が低いと言われており、自分のことが好きな人や、自己評価が高い人のことを「ナルシスト」「自信過剰」と、ネガティブに捉えやすい部分もあります。
しかし、自己肯定感が高ければ、自信過剰とは限りません。
自己肯定感が高い人ほど、上手くいくことも多いです。
特に子どもは、これから様々な経験をして、吸収していく時期なので、自己肯定感を高めて、主体的で芯のある子どもであってほしいと願うパパやママも多いでしょう。
子どもの自己肯定感を高めると、どんなメリットがあるのか、また自己肯定感を高めるためにはどんなことに気をつけて、子どもと接するべきなのかも紹介していきます。
自己肯定感が高いとどうなる?
自己肯定感を高める方法も知りたいけれど、子どもの自己肯定感が高ければ、将来的にどんなメリットがあるのかも先に知っておきたいですよね。
【子どもの自己肯定感を高めるメリット】
①主体的に考えることができる
自己肯定感が高い子供は、自信を持っているからこそ、何か問題が起こっても、落ち込んだり、人に頼るより、自分で解決しようとする力があります。
自己肯定感が高い人は、基本的にポジティブなので、あらゆる困難が訪れても、基本的にはネガティブにならず、ポジティブな考え方で乗り越えようとすることができます。
自分で考えて判断できる「主体的」な考え方を持つことができます。
②自信を持って行動できる
自己肯定感が高い人は、そのままの自分を受け入れているので、他人からの評価を過剰に気にすることなく行動することができます。
上手くできないことでも「失敗したら恥ずかしい」「上手くできないからやりたくない」と思わずに
「できるようになりたい」「達成感を味わいたい」と、前向きな気持ちで行動できるのも、自己肯定感が高い人のメリットです。
③他人に対しても公平な評価ができる
ありのままの自分を受け入れているので、他人に対しての劣等感など、ネガティブな感情を抱きにくい性格になります。
自分よりも優れた人に対しても、嫉妬や妬みのような感情よりも、素直に「すごい」と認める感情が強くなります。
自己肯定感を高めることで、無駄に他人と比べることなく、自分と他人を別だと考えられるようになり、コミュニケーションでのストレスも少なくなります。
④人間関係が上手くいく
自己肯定感が高い人は、自分自身を大切にできるので、周りの人からの言動に対しても、ネガティブにとらえず、人との間に壁を作りません。
自己肯定感が低いと、他人が言った何気ない言葉に心を痛めてしまったり、気にし過ぎることも多くなりますが、自己肯定感が高い人は、自分自身が自分を認めているので、人間関係でのネガティブな感情が少なくなります。
子どもの自己肯定感を高めるヒント
自己肯定感が強い子どもに育てば、将来的にも人間関係や、社会でのステップアップに役立つでしょう。
「わが子も自己肯定感が高い子供に育てたい」「芯のある子に育ってほしい」と思うなら、子どもの自己肯定感を高めるように導く方法を実践してみましょう。
子どもの自己肯定感を高めるヒントを3つ紹介します。
主体的で芯のある子に育つヒント①自発的に動ける環境
自己肯定感が低い子供は、普段から周りの人が決めた方法で行動していることが多いです。
パパやママも忙しい毎日を過ごす中、生活習慣やスケジュールは、大人中心になってしまうのは当然のことです。
しかし、全て大人が決めた習慣に合わせて生活していると、子どもは自発的に行動することが難しくなります。
例えば、子どもの生活リズムを整えるために21時に寝かせたいとします。
そういう時にやってしまいがちなのが…
・早く寝かせたいから親がお片付けや歯磨きなどをやってしまう
・「早く片付けないとおもちゃで遊ばせないよ」と言って急かす
・子どもが遊びの途中でも止めさせる
など、子どもが自発的に動けないような、声かけやサポートをしてしまっていませんか。
例えば、寝る時間が少し遅くなったとしても「今日は遅くなっちゃったね。明日は○○ちゃんと一緒に早く寝たいな」などと声をかけて「明日は早く寝るためにどうすればいいのか」と、子どもが自分で考えられる環境を作りましょう。
上手くできた時には「すごい!自分でできたね」と声をかけることで、子どもは自分の成功体験を実感することができます。
成功体験を重ねることは、自信を持つこと、自己肯定感を高めることに繋がります。
日常生活の中でも、先にやり方を指定するよりも、自分で考えて行動できるような声かけを意識しましょう。
主体的で芯のある子に育つヒント②結果にとらわれない
常に結果ばかり求められると、子どもの自己肯定感は高まりません。
子どもが「良い結果を出さなければ褒められない」「失敗したら怒られる」と思ってしまうと、自分で考えて行動することが怖くなってしまいます。
良くない結果が出た時にも「結果だけが全てではない」「悪い結果が出てもそこで終わりではない」と、ポジティブに考えるようになるためには、大人が結果を責めないことが大切です。
また、良い結果が出た時にも、結果に対して褒めるのではなく、その過程も褒めるように意識しましょう。
例えば、習い事のテストに合格した時に…
・「本番に強いね」
・「すごいね」
・「上手くできたね」
などの言葉だけでは、子どもは結果に対して褒められているだけに感じてしまいます。
そこにプラスしたい言葉が…
・「頑張って練習したからだね」
・「一生懸命練習する姿を見ていたから合格して嬉しい」
など、それまでの過程を褒める習慣をつけましょう。
さらに、子どもにとっては満足できる結果だったのに、親が「このまま連続で合格を目指そう」「次はもっといい結果を出そう」と、先走った言葉で結果を求めると、子どもにとってはプレッシャーになり、結果ばかり求められる感覚になります。
一つ一つの成功を認められることで、子どもの自己肯定感は上がります。
主体的で芯のある子に育つヒント③多様な考えを受け入れる
自己肯定感を高めるためには、人はみんな多様な考え方や個性があることを受け入れることが大切です。
「あの子の方が勉強ができる」「妹の方が走るのが早い」など、人と比べて劣等感を感じる事は、自己肯定感を下げる原因になります。
そうならないためには、周りの大人が、子どもを他の人と比べたり、他の子どものことばかり褒めることはしないようにしましょう。
「人はみんなそれぞれに、違う才能がある」と思えれば、自分のありのままの考え方や個性を受け入れやすくなります。
また、考え方も人それぞれで、自分の考えだけが正解でもないし、少数派の意見が間違っているとも限らないと、分かっておくことも重要です。
常に子供の意見に同意するのではなく、共感はするものの「ママはこう思う」「違う方向から見るとこういう考え方もある」など、会話の中で、物事には多様な見え方があることも伝えておきたいですね。
自己肯定感が下がるとどうなる?
子どもの自己肯定感が下がってしまうと、どんな影響があるのでしょうか。
子どもの自己肯定感が下がると…
・行動せずに諦めてしまう
・自分のことが嫌いになる
・人と比べて劣等感を感じる
・素直になれない
・人のことを信用できない
・自分の意見を言うのが怖くなる
・感情を出すのが怖くなる
自己肯定感が下がると、他人からの評価が過剰に気になり、人と接することに、不安を感じるようになります。
褒められても素直に喜べなかったり、自信がなくて自分の意見を出せなくなるなど、人間関係にも大きな影響を及ぼします。
子どもの自己肯定感を高めるために親ができること
子どもの自己肯定感を高めるためには、最も身近な存在である親のサポートが大切です。
たくさん子どもの話を聞いて「口を出す」のではなく「見守る」ことを意識して接するようにしましょう。
また、いつも見ているパパやママの自己肯定感が低いと、子どもにも影響を受けます。
もちろん「子供のために」と自分のことを後回しにして頑張るパパやママの愛情は、しっかり子どもに伝わります。
しかし、パパやママ自身が、自分の好きなことを楽しんだり、自分を労わる姿を見ている子供は、その姿を見て「自分を尊重すること」の大切さを学びます。
子どもの自己肯定感を上げるだけでなく、親が自分の存在価値を実感することも大切です。