社会に出ると初対面の人と上手にコミュニケーションをとらなければならないシーンなどは多々訪れます。このようなケースに遭遇すると、なぜか良い印象を持たれる人と悪い印象を持たれる人に分かれます。
第一印象というのは今後社会生活を送る上では重要な要素のひとつです。そのため、現在初対面の人に抱かれる印象がパッとしないという方は、少しでも第一印象を良くする努力や対策を施しておきましょう。
今回は第一印象の基本や第一印象を良くするために必要なことを徹底解説します。
第一印象はなぜ重要なのか?
第一印象は芸能界だけではなく、さまざまな業界で重視されている要素です。ではなぜ第一印象はこれほどまでに重要視されているのか?それは人というのは相手に対して抱く第一印象がわずか数秒で決まってしまうといわれているからです。
第一印象の話題でよく取り上げられる法則のひとつに「メラビアンの法則」というものがあります。
メラビアンの法則とは1971年に米国で提唱された概念であり、話し手が聞き手に与える影響力を「視覚情報」「聴覚情報」「言語情報」の観点から数値化したものです。この法則によると、それぞれの情報への影響力の割合は以下のようになっています。
・視覚情報・・・55%
・聴覚情報・・・38%
・言語情報・・・7%
上のデータを見ると第一印象に最も影響力があるのは視覚情報の55%、次いで聴覚情報38%、言語情報7%となっています。
視覚情報というのは相手の見た目、表情、目線、仕草や態度などのことを指します。そして聴覚情報は相手が発する声の大きさやトーン、話し方やテンポのことであり、言語情報は相手が発する言葉そのものの意味や会話の内容などを指します。
つまり人の第一印象というのは見た目や表情、声の大きさやトーンなどの視覚情報、聴覚情報で約9割が決定されてしまうということです。さらに人というのは第一印象で悪い評価を付けられると、そこから挽回するのは非常に難しいといわれています。
と、いうことは大切な面接や仕事などで初めて会う相手に第一印象が悪いと思われてしまったら、次のチャンスが巡ってくる可能性は低くなるということです。
これが社会に出ると第一印象は特に大切といわれる理由でもあります。そのため、これから大事な仕事を成功させたいという方や夢を叶えたいという方は第一印象を良くする方法などを少しでも知っておくとよいでしょう
第一印象を良くする6つの方法
ここからは実際に第一印象を良くする方法をご紹介します。なお、業界によって良い第一印象の定義というものは異なる可能性もありますが、ここでは世間一般的な第一印象を良くする方法を取り上げます。
清潔感のある身だしなみを意識する
前述のように人の第一印象というのは50%以上が視覚情報、つまり見た目で決定されてしまいます。そのため、人の目に入る部分は特に力を入れるようにしましょう。
第一印象を良くする基本は清潔感のある身だしなみです。たとえばですが初めて会う人に寝ぐせがついており、ボサボサの髪の毛だったらどう思うでしょうか?またヒゲをまったく手入れしないなど、とにかく無精ヒゲが目立つ方などを見るとどう思うでしょうか?
おそらく多くの方は「ちょっとキレイな感じがしないな…」といった印象を抱くでしょう。この他にもシワやシミがついた洋服なども第一印象を悪くする原因になります。
これらは周囲にも不潔という印象を与えてしまうため、自宅を出る前には必ず最終チェックを行うようにしましょう。全身から清潔感にあふれている方は相手も安心感を覚え、会話に集中できるといったメリットも生まれます。
あいさつは徹底する
あいさつは社会人の基本マナーのひとつです。これは家族、友人、知人、上司、同僚など相手に関係なく徹底しなければならないものです。一例ですが会社に出社したときに周囲にあいさつもせず、机に座る方がいたらどう感じますか?
大半の方は「○○さんってあいさつもできない人だね」「子どもでもあいさつぐらいはできるのに」といった感情を抱くことでしょう。こうなると自然と周囲が抱く印象も悪くなりますので、最悪の場合は今後の仕事などに影響を及ぼす可能性もあります。
ご近所さんでも元気よくあいさつができる人であればこちらからも話しかけやすいですが、不愛想な表情であいさつもせず通り過ぎてしまう方はどうしても印象が悪くなってしまいます。
特に面接など時間が限られたシーンの中ではあいさつをせずに第一印象を悪くしてしまうと、そこから挽回するのは非常に難易度が高いです。そのため、周囲の人へのあいさつは徹底して行うようにしましょう。
笑顔を意識する (特に最初の5秒~7秒間)
初対面の人を見るとき、多くの方はおそらく表情を最初にチェックします。このときこわばった顔や眉間にしわを寄せた怖い顔になっていたら相手はどう思うでしょうか?
「何か話しづらそうな人だな…」「爽やかさが足りないな…」といった印象を抱く可能性が高いです。人見知りが激しい方などの場合は初対面の人と会話をするとき、緊張から表情が固くなる傾向にあります。
しかし、表情が固いままでは自分本来の魅力、姿を相手に伝えることができないため、採用面接やオーディションなどでは不合格を通達される可能性も高くなります。
このような理由から初対面の人とコミュニケーションをとるときは、笑顔を見せることも忘れないでください。特に会って最初の5秒間~7秒間ほどの時間は最高の笑顔を作るようにしましょう。
これは前述のように、人は会って数秒で第一印象を決定づけてしまう傾向にあるためです。と、いうことは最初の数秒間で最高の笑顔を見せることができれば、相手が抱く第一印象も良くなる可能性があります。
ちなみに笑顔は心や行動と連動しているため、自然な笑顔を維持できれば緊張を和らげる効果も期待できます。以下に自然な笑顔を作るための簡単なトレーニング方法を記載しましたので参考にしてください。
<笑顔を作るトレーニングのやり方>
① 口角を上げ、元に戻す動きを1分間行う
② 頬の筋肉を持ち上げ、目を細くする状態と元に戻す動きを1分間行う
笑顔が少ない方は表情筋と呼ばれる筋肉の使用頻度が少ないため、上記の2種類のトレーニングを行って表情筋を鍛えていきましょう。
ハキハキとした声で話す
人は初対面の人と話すとき、緊張による影響で声が小さくなる方も少なくありません。もちろん初対面の人と話すときはほとんどの人が緊張しますから、致し方のない部分もあるでしょう。
しかし、あまりに小さな声だと相手は何度も聞き返すことになるなど、会話の流れが悪くなる傾向にあります。
会話のテンポが悪くなると相手が抱く印象も悪くなりがちですので、初対面の人とコミュニケーションをとるときはハキハキとした声で話すことを意識しておきましょう。
大事な場面などでは小さな声よりも大きな声のほうが、自分が持っている意欲ややる気が相手に伝わりやすくなります。
また、ある心理学の研究ではハキハキとした声でしゃべると、相手が会話の内容に賛同しやすくなることもわかっています。
普段、口数が少ない方や声が小さいと指摘されることが多い方が急に大きな声を出すのは難しいです。そのため、最初は家族などに協力してもらいながらハキハキとした声でコミュニケーションをとる練習をしてみましょう。
相手を否定しない
自己中心的な態度をとる人や協調性がない人などは、相手が抱く印象も悪くなりがちです。人は知らない人と仲を深めるとき、コミュニケーションをとりながら徐々に相手の性格や興味があることなどを知っていきます。
このとき相手からの発言をすべて否定するような態度をとると、相手はどう思うでしょうか?
たとえばですが、相手が「私は○○が好きです」といった言葉を発したとします。このような発言に対して「私は大嫌いです、○○を好きな人の気持ちがわからない」などのような返事を返したとしましょう。
上の会話はあくまでも一例ですが、おそらく相手は「どこか話しづらい雰囲気だな…」「はっきりいうのは構わないけど…」といった感情を抱くことでしょう。
第一印象が良い人というのは、相手を思いやる気持ちや相手の意見も受け入れる姿勢を持っています。また、相手を受け入れることができる人は心にゆとりがある人といった印象も持たれやすいため、結果的に周囲と良い関係を構築しやすくなります。
自信を持つ
第一印象を良くするにはさまざまな方法がありますが、最終的には自分自身を信じる心を持つことが大切です。世の中には確かな能力を持っているにもかかわらず、自信のなさが影響して本来の実力を発揮できないといった方が多くいます。
自信のなさは表情や声のトーンなどにも悪影響を与えるため、結果的に相手が抱く第一印象もパッとしないものになってしまうのです。自分の夢を叶えるために大手企業や芸能界のオーディションなどへ応募する方は自信を持ってください。
世の中には自信が持てないことが影響して、行動を起こさなかった人も数多くいます。ということは夢を叶えるために行動を起こそうとしているあなたは、他の人から見れば十分に素晴らしい人間です。
自分が持っている能力や魅力を低く評価しすぎるのは良くありません。自信を持って物事に取り組む姿勢を忘れないようにしましょう。
まとめ
今回は第一印象に関するお役立ち情報を解説しました。私たち人間は人の第一印象をわずか数秒で決める傾向にあります。そのため、これから大事な面接などが控えている方は第一印象を良くする方法を学び、少しでも良い結果が出るように努力していきましょう。
第一印象はいきなり良くしようと思ってもすぐにできるものではありません。普段の生活の中から少しずつ改善していくことが大切です。現在、第一印象に関する疑問や悩みを抱えている方はぜひ参考にしてください。