舞台オーディションの流れは?
舞台オーディションにはさまざまなものがありますが、多くのオーディションは次のような流れで行われます。
まずは、書類選考です。応募の際は、応募要項に従って書類を作成して提出します。応募用紙やフォーマットが指定されている場合もあるので、必要事項を漏れのないように記入します。所定の応募用紙がない場合はオーディション履歴書を使用しましょう。一般的なオーディション履歴書はインターネットで検索するとすぐに見つかるので、ダウンロードして使用できます。
書類に添付する写真は非常に重要です。最低でも顔のアップと全身写真の2種類を用意し、高画質のものを使いましょう。未成年の場合は保護者の同意書が必要です。また、年齢やスリーサイズ、レッスン歴などは正直に記入しましょう。虚偽の記載をしてもオーディション時に発覚してしまい、審査員の印象を悪くするだけです。
書類審査を通過すると、オーディション会場での実技審査があります。書類審査の合格者にはオーディション日時と会場、服装や持ち物などを記した通知が届くので、記載された内容に従ってオーディションを受けに行きましょう。
当然ながら指定された時間は厳守です。着替えやストレッチなどのアップが必要な場合は、時間に余裕を持って会場入りしましょう。服装は指定されたものであることが大前提ですが、動きやすく清潔感のある服装がおすすめです。
オーディションでは、実技の前に簡単な自己紹介や自己PRを求められることがあります。短い時間の中で、いかに審査員に自分を印象付けられるかがポイントです。突拍子もない言動をしてインパクトを与えようとする人もいますが、これは逆効果になることもあります。舞台は多くの出演者とスタッフが力を合わせて作り上げるものです。舞台では、集団の中に溶け込んでいける協調性を持ちながら、キラリと光る個性と実力を持った人が求められます。自己PRの際は、審査員ひとりひとりの目を見ながら、明るく胸を張って自分の魅力を伝えましょう。
オーディションによっては、2次、3次とふるいにかけて最終審査がある場合もあります。いずれにせよ、採用されるかどうかはオーディション後に連絡が入ります。
舞台オーディションを受けるときの注意点
舞台オーディションには一般公募向けと所属事務所向けの2種類があります。一般人やフリーの役者が所属事務所向けのオーディションを受けることはできません。また、一般人が受けられる一般公募の舞台出演者オーディションは、所属事務所向けに比べて数が少ないため、合格するチャンスは低くなります。
通常は、一般人が主役や準主役などの配役をもらいたい場合には、まずは事務所に所属することが必要です。事務所に所属すると、一般には公開されていないオーディション情報などを知ることもできるうえに、オーディションに必要な準備、対策などをレクチャーしてもらうこともできます。
舞台オーディションを探すには?
事務所に所属せずに、舞台オーディションを探す方法にはいくつかあります。
まずは、オーディション情報サイトで探してみる方法です。小さな劇団の募集がほとんどではありますが、さまざまな役どころの募集が多数あるため、オーディション経験や舞台経験を積んでみたい人には向いているかもしれません。
また、オーディション雑誌もあります。ただし、以前に比べると数は多くありません。雑誌自体が廃刊や休刊になり、ウェブサイトに移行しているからです。
SNSを使ってオーディション情報を発信する団体もあります。好きな劇団やカンパニーのSNSをフォローして、注意深く情報収集するのも一つの方法です。また、劇場で席置きされるチラシなどで出演者を募集する劇団もあるので、舞台を鑑賞する際はチラシにも目を通してみると良いでしょう。
舞台オーディションに必要な準備とは?
舞台オーディションに合格するために、行っておくべき準備があります。
1つ目は発声練習です。大きな舞台ではワイヤレスのピンマイクを使用しますが、小劇場ではマイクを使いません。多くの観客に確実にセリフを伝えるために、しっかりとした発声と滑舌の良さが求められます。正しい発生方法を身に付けることは、観客のためであるだけなく、自らの喉を傷めることなく長丁場の舞台を務めるためにも必須です。
2つ目は姿勢です。普段無意識に立ったり歩いたりしていると、姿勢の悪さに気付きません。まずは正しい立ち方、次に歩き方、さらに、美しい所作について鏡の前で徹底的に身に付ける必要があります。舞台ではあらゆる階級、年齢、人種の人を演じ分けなくてはなりません。若い王侯貴族や侍の役をやるためには、ぴんと背筋の伸びた堂々たる立ち姿が求められます。
3つ目は体力です。体力は、舞台人にとって一番重要な資質かもしれません。芝居やミュージカルは大体一演目1時間半から2時間、長いもので3時間を超すこともあります。その間、舞台に立ち続けるだけでなく、お腹から声を出し、時に全力で走り踊るのです。しかも、公演は最低でも2~3日、長ければ数カ月続きます。日によっては1日に2回公演の日もあり、体力がなければ到底務まりません。
殺陣やダンスのスキルも身に付けておくと役の幅が広がり、オーディションでアピールできます。そのほか、楽器演奏や手品、アクロバットなどもオーディションで披露するチャンスがあれば、審査員にアピールできるでしょう。
オーディションに受かるためのコツ
オーディションには受かるためのコツがあります。
書類審査では、審査員の印象に残り、他人と差のある自己PRにすることが大切です。ただし、小さな字で長々とした説明文では読んでもらえません。簡潔かつ意外性のある内容になるようにしましょう。
オーディションの自己PRも同様です。簡潔かつ意外性を持たせることに加えて、伝え方に工夫して特技を披露するようにしましょう。例えば、楽器演奏が特技の場合は、ただ楽器を演奏するのではなく、モノマネを取り入れるなど一捻り加えてみることです。
服装やヘアメイクにも気を付けましょう。服装は、審査員に好印象を抱いてもらえるように自分に似合う色やサイズ、清潔感のあるものを選びましょう。自分の魅力を最大限にアピールできるようでなければ、審査員の心を捉えることはできません。他人にはない、自分だけのチャームポイントはどこで、そのチャームポイントを活かすにはどのようなヘアスタイル、メイク、服装であるべきかをよく考えて準備しましょう。やり過ぎや独りよがりにならないよう、親や友達など第三者の目を通して見てもらうのも良いでしょう。
役柄としてのキャラクターと自分自身のキャラクターのすり合わせをするのも大切です。オーディションまでに役柄に対する理解を深めておきましょう。
対策をして舞台オーディションを受けてみよう!
舞台に立つという夢は、誰にでもかなえられることではありません。舞台に憧れている人は多く、憧れの世界に飛び込んでみたいという気持ちだけでは夢はかないません。夢をかなえるためには、強い気持ちと覚悟、入念な準備が必要です。舞台オーディションを受ける際は、必要な準備や受かるためのコツを踏まえつつ、しっかりと対策をして臨みましょう。