声優の女性

声優は俳優とどう違う? 俳優と比べた声優の特徴とは?

2022.04.27 / 俳優, 声優

声優と俳優に共通するもの

声優と俳優に共通するのは、役を演じることですよね。
似ている部分も多いので、実際に声優と俳優どちらも経験したことがある芸能人も少なくありません。

声優と俳優の共通点

・演技力
・表現力

声優にも俳優にも共通するのが、演技力と表現力の高さです。
しかし、役を演じるという共通点はあっても、声優と俳優には違いも多く、それぞれに特徴があります。
今回は、声優と俳優の違いに注目して、それぞれの特徴を解説していきます。

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俳優に求められること

俳優は、セリフだけでなく、表情や動き、しぐさなどで演じ、表現します。
セリフがないシーンでも、目の動きで感情を表現したり、共演者とのセリフ、動き、表情の掛け合いなどで、気持ちを表現することもあります。
演技力が高く、役によって別人に見える俳優のことを「カメレオン俳優」と言いますが、俳優は見た目も含めて役になり切ることが求められます。

声優に求められること

声優と俳優の違いを知るために、それぞれの特徴や求められるスキルについて見ていきましょう。
はじめに、声優の特徴から解説します。

俳優と大きく違う声優の特徴と言えば、姿は見せずに声だけで演技をすることです。
声だけでの演技なので、表情や動きで表現するのではなく、声の出し方でキャラクターの気持ちや様子を表現することを求められます。

例えば、短いセリフ「はい」「OK」などでも、その言葉を発するキャラクターの気持を表現しなければいけません。

さらに、俳優の場合は、画面に写っている人が、実際にセリフを言っているのに対して、声優の場合、画面に写っているのはアニメ、ゲームのキャラクターなどです。
自分自身が話しているわけではないので、不自然にならないように、様々なテクニックを使うことが求められます。

声優が使うテクニック

では、実際に声優は、どのようなテクニックを使って、声で表現しているんでしょうか。
声優が演じる時に、使っているテクニックを知っておきましょう。

声優の演技テクニック

・声に動きをつける
・距離を表現する
・速度のコントロール
・音の演技

声に動きをつける演技

俳優とは違い、声優はマイクの前に立って演技をしますが、演じるキャラクターは画面の中で動いています。
例えば「走っている」「横になっている」「戦っている」というような状況で出す声を、マイクの前で表現します。
マイクは固定されていて、しっかりマイクに声が入る顔の位置を維持しなければいけません。
声優は、頭の位置を動かさずに、動いている様子を表現することができます。

声で距離を表現する演技

声に動きをつけるのと同じように、距離も声で表現します。
例えば、遠く離れたところから叫ぶ声、耳元でささやく声など、画面に映るキャラクターは色々な距離でセリフを言いますよね。
その距離を演じるために、声優はマイクとの距離を絶妙に調整して表現します。
近くで話すセリフの時は、マイクに近づいて、遠くから話すセリフの時には、マイクから一歩下がるなど、演じながら距離も調整しています。

セリフの速度コントロール

声優がキャラクターを演じる時に、とても難しいのが、話す速度です。
画面に映るキャラクターの動きに合わせてセリフを入れるので、決まった秒数でセリフを言いきらなければいけません。
キャラクターの口の動きに合わせて、セリフの速度を調整するという高度なテクニックを使って、声優は演じています。

音の演技

声優の演技は、セリフだけではありません。
食事中の音など、声と一緒に音の表現も必要なシーンはとても多いです。
例えば、アニメのキャラクターが水を飲んでいるシーンでは、水を飲んでいる音を、声優が喉を使って表現しています。

声優は、ただセリフを言うだけでなく、映像にリアリティを出すために、様々なテクニックを使って演じています。
さらに、マイクに雑音が入らないように注意しなければいけません。

アフレコでよくある雑音は、台本をめくる時の「ペーパーノイズ」ですが、演技をしながらそういった雑音にも注意しています。

声優の演技力トレーニング方法

では、声優の演技力や表現力を高めるためには、どのようなトレーニングを行っているのでしょうか。

声優の演技力トレーニング

・腹式呼吸
・滑舌
・表情筋を鍛える
・アフレコの練習
・文章を読む

声優も俳優と同じように、演技レッスンや表現力のレッスンなど、役を演じるためのトレーニングを行っています。
さらに声優となれば、声で表現するためのトレーニングも必要になります。

声優の表現力を上げるトレーニング

腹式呼吸

腹式呼吸でたっぷりお腹にためて声を出せば、声量も上がり、声にメリハリが付きます。
声で表現する声優にとって、声をコントロールすることはとても重要です。
腹式呼吸を使えるようにトレーニングしておきましょう。

滑舌

声優は表情や動きで表現出来ないからこそ、セリフの聞き取りやすさがとても重要になります。
聞き取りやすく話すために、滑舌のトレーニングに力を入れている声優は多いです。

表情筋を鍛える

声に表情をつけるためには、表情筋を上手く動かすことが出来なければいけません。
表情筋が鍛えられれば、喜怒哀楽の表現がしやすくなったり、滑舌も良くなるなど、声優にとって嬉しい効果がたくさんあります。

アフレコの練習

俳優の演技練習と違うのは、アフレコで演じる練習をしっかりしておかなければいけないことです。
声優のテクニックで紹介したように、セリフの動き、距離、速さなどを声で表現するには、何度もアフレコを繰り返して感覚を掴む必要があります。

文章を読む

小説などの文章の朗読は、台本を見ながらセリフを読む声優の仕事の練習に適しています。
感情をこめて文章を朗読し、録音して聞いてみると、自分の欠点も見つけやすくなります。

声優として評価される俳優

人気俳優が声優を務める機会は非常に多いですよね。
声優としての評価が高い俳優もいますが、批判が多いのも事実です。
「アニメの声は声優が演じるべきだ」という意見もある中で、アニメファンからも声優として高い評価を受ける俳優を紹介します。

神木隆之介

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声優としての出演も多い神木隆之介さんですが、スタジオジブリの作品や、新海誠監督の作品など、日本を代表するアニメ作品へのオファーが絶えません。
8歳で「千と千尋の神隠し」の坊役で声優デビューを果たし、2009年には「サマーウォーズ」の小磯健二役を、変声期真っただ中の神木隆之介さんが、高校2年生のリアルな感情を表現しています。
「君の名は。」では声優アワードの主演男優賞も受賞しており、本人も声優の仕事に対して熱い気持ちで臨んでいるそうです。

蒼井優

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女優としての演技力も評価が高い蒼井優さんですが、声優としても、その実力はアニメ業界でも注目されています。
「怪獣の子供」「ペンギン・ハイウェイ」などの作品で声優として演じたことはよく知られていますが、蒼井優さんの声優デビュー作となったのは「鉄コン筋クリート」です。
不思議な能力を持ち、精神が不安定でピュアな少女という難しいキャラクターを見事に演じ、アニメファンから絶賛されたこともありました。

芦田愛菜

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子役時代から女優として活躍している芦田愛菜さんも、声優がプロ並みに上手いと言われています。
映画「怪獣の子供」では主演を演じて話題となりましたが「怪盗グルーシリーズ」でのアグネス役や「えんとつ町のプペル」のルビッチ役など、役に声が合い過ぎて芦田愛菜さんだと気付かなかったと評価されている作品も多いです。

共通点も多い俳優と声優ですが、実際にやってみると違いは大きく感じます。
どちらもこなせる人は、本当にすごいですよね。

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