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テーマパークダンサーというお仕事 経験者は語る

2019.10.09 / 未分類

夢のある職業、テーマパークダンサー

幼い頃に訪れたテーマパーク。一歩入った瞬間、風景、空気、人々の笑顔、その何もかもがキラキラとまぶしくて、本当に夢の世界へ来たような気分になりました。大人になってもそのキラキラ感は色褪せることなく、観る人たちを魅了します。なかでも、華やかなパレードやステージで活躍するダンサーたちは、観る人たちに元気を届けて笑顔にする、テーマパークには欠かせない重要な存在です。いつかは自分もなってみたいと憧れる人たちもたくさんいることでしょう。そんな観る人にも夢を与え、老若男女に喜んでもらえるテーマパークダンサーは、他のダンサーと比べても特に夢のある職業だと思います。

日本のテーマパークには、世界的に有名な大型テーマパークからローカルな中小型テーマパークまで、多種多彩なテーマパークがあります。以前はパレードやステージでのショーを行うのは大型テーマパークのみでしたが、最近では中小型テーマパークでも行われるようになっており、ダンサーにとっては多方面なテーマパークへ活躍の場が広がっていると言えます。では、そんなテーマパークダンサーとは、具体的に一体どのような仕事をするのでしょう?

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テーマパークダンサーは3種類

テーマパークダンサーは、大きく分けてパレードダンサー、ステージダンサー、キャラクターダンサーの3種類に分かれます。
パレードダンサーとは、園内で行われるパレードに出演するダンサーのことであり、ひとまずパレードダンサーとして採用されることも多いので、テーマパークダンサーへの登竜門とも言えます。
ステージダンサーとは、各アトラクションやパビリオンのテーマに沿ったステージやレストランに出演するダンサーのことで、パレードダンサーと比べると高い技術や豊富な経験が必要とされます。
キャラクターダンサーとは、パレードやステージにキャラクターに扮して出演するダンサーのことで、
それぞれキャラクター特有の表現力を身につけた上でダンスをするので、徹底した特別な訓練や厳格な体格制限などがあります。

パレードダンサーの仕事

パレードダンサーは、テーマパークによって回数は異なりますが、1日1〜6回のパレードに出演します。パレードは1回につき20〜30分で、年間を通じて毎日開催されており、その前後に季節に合わせた期間限定のパレードも開催されます。
パレードには、進行の妨げにならないようにクラシックバレエやジャズダンスなどの難しいテクニックは必要とされず、シンプルで真似のしやすいキャッチーな手振りやステップ、そして何よりも元気で明るい満面の笑顔が必要とされます。パレードダンサーは、観客との距離が最も近いのが特徴です。それだけに観る人の笑顔を一番に感じられる、また、観る人に一番に親しみを感じてもらえるポジションでもあります。
収入面に関しては、運営会社によっても異なり、おおよその相場は時給1200円〜、ですがパレードは屋外のため、悪天候などで中止となってしまった場合には、残念ながら無給となってしまいます。

ステージダンサーの仕事

ステージダンサーは、こちらもテーマパークによって回数は異なりますが、1日1〜4回のステージに出演したり、場合によってはパレードにも出演します。それが週3〜6日というペースで続いていきます。1ステージ30〜40分でパレード同様、年間を通じて毎日開催されており、その前後に季節に合わせた期間限定のステージも開催されます。

ステージダンサーは、各ステージのテーマに沿って色々なジャンルのダンスに対応しなければならないので、高いスキルと経験が必要とされます。基本的にはクラシックバレエやジャズダンスを要求されますが、タップダンスやラテンダンス、ヒップホップダンスにブレイクダンス、時にはアクロバットを要求されることもあります。ダンス経験や舞台経験が豊富であり、様々なジャンルのダンスを踊れる即戦力となるようなダンサーが重宝されることは間違いないでしょう。

収入面に関しては、こちらも運営会社によって異なっており、おおよその相場で日給7000円〜、キャリアや能力に合わせて上がっていきますので、定期的な内部オーディションに合格すれば、昇給することができます。そして、トップクラスのダンサーともなれば、1ステージ30000円とも言われています。

キャラクターダンサーの仕事

キャラクターダンサーは、仕事内容はパレードダンサーやステージダンサーと変わりませんが、そのテーマパークの言わば「顔」に扮する花形のダンサーです。ステージダンサーに要求されるダンスの技術にプラスして、キャラクターとしての役作り、演技力が必要となってくるので、演技や手話、パントマイムなどのスキルも求められます。そして、着ぐるみはもちろん、常にメイクや重厚な衣装などを身にまとい、キャラクターのイメージを完全再現しながらダンスしなければいけないので、想像以上に重労働となってきます。また、身長や体重に厳しい制限があり、日々の食生活などにも配慮が必要でしょう。
収入面に関しては、パレードダンサー、ステージダンサーと同様ですが、テーマパークによってはキャラクターとしての手当が付く場合もあります。

テーマパークダンサーを目指すなら

だいたいのテーマパークにおいて、各ダンサーとも毎日の出番をこなすだけでなく、シーズンごとのイベントの準備やリハーサルを閉園前や閉園後に行ったり、日々のパフォーマンスのクオリティー維持と向上のため、ダンスや演技のレッスンを余儀なくされます。そして、体調管理も大切な仕事の一部と考えられており、1日に複数回のパレードやステージを消化しなければいけないので、基礎体力を十分につけておく必要があるでしょう。パレードやステージは屋外であることが多く、暑さや寒さに耐えながらパフォーマンスしなければいけませんし、連日の出演によって疲労も蓄積され、ケガや病気の心配がつきまといます。ケガや病気をすれば、ステージ全体にも大変な迷惑をかけることになり、仕事を失くしてしまう可能性にまで発展してしまいます。常にストレッチやマッサージ、規則正しい生活をして、体調を万全にしておくことが求められます。

テーマパークのステージには、ミュージカル要素の高いステージがほとんどで、クラシックバレエとジャズダンスの経験が必須とされます。ステージによっては、それに加えタップダンスやヒップホップダンスなどを求められる場合もありますので、総合的に学べるダンススクールや養成所に通うのが一番の近道となるでしょう。

採用はオーディションによって決定し、主に年1回の定期的なオーディションがあります。また、期間限定イベントなどのダンサーを短期バイトとして募集することもあります。
基本的な契約期間は1年間ですが、イベントにより短期契約で採用される場合もあります。契約期間終了後には再度オーディションを受けることになりますが、トップクラスのダンサーには、特典として契約期間が延長されることもあります。

大型テーマパークでは、ほとんどが運営会社との専属の契約となりますが、中小型テーマパークでは、プロダクションからの派遣という形も多いので、プロダクションに所属するのも有効でしょう。
多くのテーマパークでは、従業員をキャスト、来場者をゲストと呼びます。これは訪れた来場者に最上級のおもてなしをするというサービス精神の表れであり、テーマパークでの仕事は、人を喜ばせる究極のエンターテインメントと言えるかもしれません。自分のダンスでたくさんの人たちを笑顔にできる。なかなか高収入とはいきませんが、それ以上に得るものも多い、とても貴重でやりがいのある仕事だと思います。

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