演出家とは?
「演出家」とは、その名の通り、舞台作品の演出をする仕事です。
演劇やミュージカルなどの舞台作品や、映像作品での演出をすることもあります。
演出家は、作品の演出の責任者という立場なので、作品全体のエンターテイメント性を高めるために重要な役割を果たしています。
演劇やミュージカルが好きな人にとっては、出演する役者と同じくらい作品を担当する演出家は、注目するべき存在でしょう。
作品が魅力的になるかどうかは、演出家の能力によって大きく変わります。
そんな重要な役割を担う「演出家」の仕事内容や、なり方について詳しく解説していきます。
演出家の仕事内容
演出家は、作品の芸術性を高める仕事ですが、具体的にはどういう仕事をしているのでしょうか。
演出家の主な仕事
・照明、音響、美術など決めて指示する
・役者への演技指導
・オーディションでの審査 他
演出家は、稽古で役者に作品のイメージを伝えたり、演技指導をする他、照明や音響などもエンターテイメント性を高めるために演出し、技術担当スタッフに指示します。
中には、脚本や台本を書くところから始める演出家もいます。
また、出演する役者をオーディションで決める場合は、演出家が審査員として参加し、作品のイメージに合う役者を選出するのも大切な仕事です。
では、次に演出家の仕事の流れも見ていきましょう。
演出家の仕事の流れ
・企画会議、打ち合わせ
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・台本の準備と演出のイメージを決定する
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・出演する役者を決める(オーディション)
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・稽古への立ち合い、演技指導
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・作品の公演
舞台の主催者やテレビ局のプロデューサーなどと、作品の企画について場所や時期、予算や出演者について細かく打合せすることから仕事が始まります。
作品の演出を任される演出家は、作品のイメージをしっかり固めて、スタッフや役者に的確に伝えるのが重要な役割です。
エンターテイメント性の高い作品を作るためには、演出家がイメージする世界観を、関わる全ての人と共有出来ていなければいけません。
稽古では、演技をする役者に対して、演技指導を行い、細かく調整しながら完成度を高めていきます。
演出家のやりがいとは?
作品の演出全ての責任者となる演出家の仕事では、自分が手がけた作品が、完成して成功することにやりがいを感じられることは想像できますよね。
では、実際に演出家として活躍している人は、どのようなやりがいを感じているのでしょうか。
演出家のやりがい
・多くの人に感動を与えることができる
・伝えたいメッセージを多くの人に伝えることができる
・達成感がある
・チームの絆を感じることができる
・才能が評価される
それぞれの「やりがい」について詳しく見てみましょう。
多くの人に感動を与えることができる
エンターテイメントは、たくさんの人の心に大きな感動を与えます。
演出家は、作品を通して、たくさんの人に希望や感動を与えることができる職業です。
伝えたいメッセージを多くの人に伝えることができる
舞台や映像の中で、作品を表現するのは役者の役割ですが、その作品を演出する演出家は、自分の表現したい想いや世界観、さらに伝えたいメッセージを、演出を通じて世の中に発信することができます。
達成感がある
演出家は、作品の責任者としてみんなをまとめて、成功させなければいけないプレッシャーのある役割です。
そのため、ひとつの作品を作り上げて成功させた時には、やり遂げた達成感を感じる事が出来ます。
チームの絆を感じることができる
音響、照明、美術スタッフや役者など、たくさんの人が「良い作品を作る」という同じ目標を持って、作り上げていきます。
仲間たちと苦楽を乗り越えて作品を作り、チームとしての絆を感じることも演出家のやりがいを感じられる瞬間です。
才能が評価される
演出家は、多くの人に評価される職業でもあります。
自分の作り上げた作品に、演出家として名前が残り、素晴らしい演出家として認められれば、名誉ある賞を受賞することもできます。
演出家の給料
演出家の収入は、平均すると年収400万円前後だと言われています。
事務所に所属するか、フリーランスで働くケースがほとんどですが、基本的には1つの作品に対してギャラが支払われます。
相場としては、舞台作品1本あたり数十万~ですが、人気の演出家では数百万円のギャラが支払われます。
演出家になるには?
演出家になる2つの方法を紹介していきます。
【大学・短大・専門学校で学ぶ】
演出家になるためには、演劇や映像の専門的な知識を学べる大学、短大、専門学校に通う方法を選ぶ人が多いです。
舞台や映像を演出するには、照明や音響など知っておくべき専門的な知識がたくさんあります。
専門知識が学べる学校では、演出家になる準備を整えることもできて、就職へのサポートも受けられるので、費用や時間はかかりますが、おすすめの方法です。
【劇団を立ち上げる】
自ら劇団を立ち上げて、演出家として活躍している人もいます。
「劇団の旗揚げ」と聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、実際に小劇団を立ち上げて成功した演出家もたくさんいます。
【アシスタントになる】
映画や舞台の制作会社や、すでに活動している劇団で、アシスタントスタッフとして働きながら経験を積む方法もあります。
現場の一番近い所で、演出家の仕事を見ながら学べる方法です。
演出家に向いている人とは?
演出家になるために必要な資格は、特にありません。
しかし、舞台や映像の演出をするという仕事は、誰にでもできることではありません。
演出家に向いている人の特徴も見てみましょう。
演出家に向いている人の特徴
・芸術的な感性が優れている人
・リーダーシップが取れる人
・コミュニケーション能力が高い人
・伝えたいことを言葉にするのが得意な人
演出家になるには、エンターテイメントを作り上げる芸術的なセンスがある方が有利です。
また、1人ではなくチームで作品を作るので、仕事中にリーダーシップやコミュニケーション能力が必要な場面がたくさんあります。
人に感謝して助け合うことができる、人との絆を大切にできる人が向いています。
さらに、頭の中に描いている世界観を役者やスタッフに伝えるには、言葉の引き出しも多い方がいいでしょう。
演出家の知識を学べる専門学校
最後に、演出家になるための知識を学べる専門学校を紹介します。
東京工学院専門学校
34学科103分野ものコースを設置している、総合専門学校「東京工学院専門学校」では「放送芸術科」にて演出家になるための知識を身に付けることができます。
同学科では、照明、映像など様々な専門知識を学ぶこともできます。
東京ダンス・俳優&舞台芸術専門学校
俳優やダンサーなど、表舞台に立ってエンターテイメントを輝かせる職業を目指す人をサポートする「東京ダンス・俳優&舞台芸術専門学校」では「舞台マネージメント&テクノロジーワールド」学科で、演出や照明、美術などステージエンターテイメントに必要な知識をしっかり学ぶことができます。
東京ダンス・俳優&舞台芸術専門学校
【学費】
・初年度納入金/159万5800円(教材費別途)
【場所】
・東京都
作品を通じて、エンターテイメントを表現する演出家という仕事は、たくさんの人を感動させる素敵な職業ですね。