オーディションの審査員

オーディションの演技審査で求められること

オーディションでの演技審査の種類

俳優、女優のオーディションはもちろん、声優やアイドルなどのオーディションでも演技の審査が行われることがあります。
芸能界で活躍するには、演技力が必要な仕事はとても多く、芸能プロダクションのオーディションでも演技審査を実施している場合が多いでしょう。

オーディションでの書類審査は、簡単なセリフのテストや、本格的に芝居をする演技審査など様々です。
例えば、事前に脚本をもらい、オーディション当日までの間に練習をする時間を与えられる場合もあれば、当日に脚本をもらってすぐに審査が行われる場合もあります。
その他にも、芝居の設定だけを決められて、セリフや動きはアドリブで演じなければいけないなど、演技審査の種類も様々です。

また、受けるオーディションの種類によっても、演技審査の内容は違ってきます。
例えば、ドラマや映画に出演する役者を選ぶオーディションであれば、映像に映ることを考えて審査を進めていきます。
舞台やミュージカルの出演者を選ぶオーディションであれば、舞台に立った姿をイメージしながら審査員は見ています。
オーディションで求められている演技がどのようなイメージなのか、理解して対策することが大切です。

オーディションの演技審査で求められることについて、詳しく解説していきます。

20160416_CTA_2

オーディションでの演技審査の方法とは?

演技審査の方法は、オーディションによって様々ですが、良く行われている審査方法を知っておきましょう。

セリフを読んでの演技審査

物語の脚本を渡されてその場で演じるパターンでの審査がよく使われています。
1人ずつ演技審査を行う場合や、オーディションに参加しているメンバー数人で、配役を決めて演技をする場合もあります。
他にも、役者やスタッフなどが相手役を演じて行う審査も多いでしょう。
過去には、実際にヒロインを務める人気女優や、有名な舞台監督などが相手役となり、オーディションの演技審査が行われることもありました。

また、事前に伝えられていなくても、脚本にダンスを踊るシーンや歌を歌うシーンなどが含まれることもありますので、どんな脚本を渡されても落ち着いて対応しなければいけません。

アドリブでの演技審査

アドリブでの演技審査は「エチュード」と言い、出されたお題に対してストーリー展開やセリフなども自分で決めて演技をします。
エチュードは難易度が高く、苦手だと感じる人も多いでしょう。
複数人でのエチュードの場合は、相手との波長も合わせて演技をしなければいけないので、難しい審査になります。

オーディションの演技審査で審査されるポイント

演技審査で審査員は、演技がどの程度できるのかを見ているのはもちろんですが、実は演技だけでなく演じる姿を見て、その人の持つ能力や演技に取り組む姿勢なども審査しています。
審査員がチェックしているポイントを確認しておきましょう。

他の人とは違う個性

審査では演技力を認めてもらえることが、オーディション合格への一番の近道です。
しかし、オーディションには演技力に自信のある人がたくさん集まります。
その中で、自分のことを見つけてもらうには、何か光るものがなければ難しいでしょう。
例えば、アドリブの芝居であれば、無難に終わらせようとせずに、自分にしかできない見せ場を作ってみたり、他の人には負けない熱意があることをしっかりアピールすることも大切です。

心を掴む演技

上手く演じることばかり考えてしまうと、自分らしさを見失ってしまう人も多いので、いまいち審査員の心に残らない演技になってしまいいます。
審査員は上手くできなくても前向きに芝居をする姿や、失敗しても諦めずに演じようとする姿に心を打たれることも多いです。
芝居に対する情熱、良い作品を一緒に作りたいという気持ち、まだ新人であっても秘めたる才能を感じさせるなど、何か審査員の心に響くものがあることが合格の決め手となるでしょう。

求めいる人物にイメージが合う

映画やドラマに出演する俳優であれば、カメラを意識した芝居ができるか、カメラ写りは良いかをチェックするために、実際にカメラを回して演技の審査が行われることもあります。
舞台俳優のオーディションの場合は、舞台上での存在感や発声、声質なども審査をされていることも意識しておきましょう。

演技審査に合格するために事前にできる対策方法

演技力を身に付けるために、養成所や劇団に所属するのも良い方法です。
プロの指導を受けることもできて、同じ目標を持った人たちからの刺激も受けられます。
また、自分の演技を他の人に見てもらい、評価してもらえるという点でも、メリットはたくさんあるでしょう。

しかし、経済的なことやスケジュール的なことを考えれば、独学で演技を学びたい人も多いですよね。
もちろん、演技の経験が全くなくても上手い人もいれば、自分で演技の練習をして上達することも可能です。

演技審査に合格するためにやっておくべきこと

・基礎練習
・即興の演技
・演技を人に見てもらう

それぞれの練習をするポイントを解説していきます。

基礎練習

例えば、演技の基本となる発声や滑舌の訓練は、自宅で練習をすることができます。
発声は近所迷惑になると心配な場合は、車の中やカラオケボックスなどで練習する方法もあります。
声量を保つための腹式呼吸、活舌を良くするための早口言葉の練習など、基礎的な練習はコツコツ積み重ねて身につきます。
プロが演技を見れば、基礎ができているかどうか一目瞭然です。
毎日の努力でしっかり土台を作っておきましょう。

即興の演技

基礎ができていれば、セリフを読んでの演技審査は上手くできる人が多いです。
しかし、エチュードのようなアドリブの演技を求められると、動揺してしまうことがよくあります。
アドリブの芝居で演技審査が行われても焦らないように、自宅でも自分で設定を考えて、様々なパターンの演技を即興でするというような練習方法もおすすめです。

演技を人に見てもらう

家族や友人など、演技を見てくれる人がいれば、良い所、悪い所を見つけて指摘してもらうと参考になります。
自分では情熱を込めた熱演をしていても、見ている人に伝わっていないことも多いです。
自己満足な演技になってしまっていないか、人から見て指摘してもらうことはとても参考になりますよ。

演技が上手い人と下手な人の違い

演技力を向上させるために、演技が上手い人と下手な人の違いについても知っておきましょう。
役者の演技に対して、上手いか下手かを評価するのは人間なので、好みの問題もあります。
実際に、たくさんの人から演技力を認められた役者の演技を見て、あまり心を打たれない人もいます。

一般的に、芝居が下手と言えば…

「セリフが棒読み」
「感情がこもっていない」
「ぎこちない」

という演技を思い浮かべますよね。
しかし、これらの欠点は新人の役者によく見られる「下手さ」ですが、上達したいという熱意をもって練習と経験を積めば、改善されることも多いです。

では、練習を重ねても演技が上手い人と下手な人の違いがあるのはなぜなのか、その差を解説していきます。

基礎の違い

1つは、滑舌や声質、そして姿勢です。
セリフを滑らかに聞き取りやすく話せなければ、どんなに感情を込めて演じていても見ている人は演技に集中できません。
動作も同じで、演技の中でしなやかに自然に動けなければ、上手な演技はできません。
つまり、演技の基本である発声、滑舌、姿勢など基礎の部分がとても重要だということです。

バランス感覚

もう1つは、バランス感覚です。
セリフと身振り手振りのバランスの良さであったり、共演者の演技を見ながらバランスよく芝居ができることです。
芝居は上手くても、自分だけが周りに馴染めない演技をしていては、役者として成り立ちません。
今活躍している演技力の高い役者を見ていると、作品に合わせてバランスを取りながら演じていることがよく分かると思います。

演技審査のエピソード

実際にオーディションの演技審査で大役を掴んだ俳優を、エピソードとともに紹介します。

志尊淳

スクリーンショット (1027)

人気俳優として活躍する志尊淳さんは、俳優デビュー後「テニスの王子様」などのミュージカルに出演していましたが、転機となったオーディションは、主演を務めた「烈車戦隊トッキュウジャー」だったそうです。
それまで、何度もオーディションに落ちていたという志尊淳さんですが、トッキュウジャーのオーディションでは初めて自分らしさを出せたという手ごたえがあったと語っています。
「自分をよく見せよう」「気に入ってもらおう」ではなく、飾らない魅力を出すことが大切だと実感したそうです。

東野絢香

スクリーンショット (1028)

NHK朝の連続テレビ小説「おちょやん」に芝居茶屋のお嬢さん・みつえ役で出演した東野絢香さんは、初めての朝ドラオーディションで緊張して頭が真っ白になったそうです。
ちょうど演技にも慣れ始めた時期であったものの、芝居というものを見つめなおそうと考えていた時期で「小手先の芝居」を使わずに挑んだという感覚はあったと語っています。
監督が東野絢香さんを選んだ理由は、他の人が演技審査を受ける東野絢香さんの姿を食い入るように見ていたからだそうです。
審査の時点で、人を惹きつける演技が光っていたということですね。

演技審査で上手くいくために知っておきたいこと

演技の練習は完璧でも、オーディション現場の緊張感のある雰囲気の中では、実力が発揮できず合格できないこともあります。
演技審査本番で、間違えたり失敗してしまった時に焦らず、すぐに気持ちを切り替えて持ち直す力も身に付けておきましょう。
審査員は、演技力だけでなくアクシデントに対する対応力なども審査しています。

もともと緊張しやすいタイプの人は、自分に合ったリラックス方法を見つけておくこともオーディション対策になります。
落ち着いて実力を発揮することができるように、日頃から家族や友人の前で歌を歌ってみるなど何か発表する練習をしておくのも効果的です。

オーディションでは演技などの実技審査の前に、審査員に対する自己PRの時間が設けられている場合がほとんどです。
実は、自己PRも大事で、上手く自分をアピールできなかった場合、審査員の印象に残らないだけでなく、上手くいかなかったことに落ち込んだまま演技審査を受けることになります。
自己PRなど、事前にある程度準備しておけることは、内容をしっかり考えて練習しておくなど、前もって対策をしてオーディション当日は、演技審査に集中できるようにしておきましょう。

演技初心者が役者を目指すためにこれだけは知っておきたいこと

20160416_CTA_2