芸能界に入るために避けては通れないのが、オーディション。
オーディションは、就職活動でいうところの面接と同じで、「自分」を売り込む最大のチャンスです。
でも「自己PRといっても何をすれば良いのか分からない」という方は多く、悩んだ結果、「〇〇と申します。△△県から来ました。趣味は××で・・・」と履歴書の内容を復唱する方は数知れず・・・。
せっかくあなたが才能を持っていても、「ポイント」を押さえた自己紹介をしないと、あなたの魅力が100%伝わることは難しいでしょう。
ポイントを押さえながら、「審査員の印象に残る自己PR」を考えていきましょう。
審査員はどこに注目している?
審査員に対して、自分を売り込んでいくのがオーディション。
オーディションで合格をしたいのなら、「審査員がどこに注目しているか」を知ることが先決です。審査員が見ているのは、主に3つ。それは、「能力について」「身につけたスキル」「人間性」です。オーディションでの自己PRの際は、この3つを中心に話を組み立てていくと良いでしょう。
能力について
あなたのアピールポイントはどこですか?
可もなく不可もなく特にこれといった特徴もない人が、「芸能界に入りたい」とオーディションを受けに行っても、合格はなかなか難しいでしょう。
つまり審査員に印象に残るためには、自分が持つ能力のメリットについて存分にアピールすることが重要です。審査員はオーディションにおいて、「こんな能力を持った人材が欲しい」とあらかじめ目星をつけているはず。その「目星」に対してピンポイントでアピールしていけば、審査員の目はあなたに釘付けになることでしょう。
身につけたスキル
芸能界では、マルチな能力が求められるといっても過言ではありません。
たとえば俳優になりたいからと演技力を身につけても、宣伝でバラエティー番組に出演することもあるでしょう。またタレントとして活躍したいと芸を磨いても、グルメリポートなどではまじめで的確な語彙力が求められることも。
せっかく違う分野で活躍のチャンスが巡ってきても、思うように結果が残せなければ「次は別の人にオファーしよう」と背を向けられ、あなたの活躍の場はどんどん減ってしまいます。
あなたには、どのようなスキルがありますか? 新しいことに臆せず挑戦する勇敢さでも、料理の感想をドラマチックに伝える表現力でも、なんでも構いません。体に染みついているスキルは、あなただけのもの。遠慮せず、存分にオーディションでアピールしましょう。
人間性
自己PRの中で一番難しいのは、人間性の表現といえます。
芸能界では個性あふれる「変わり者」がひしめき合っていますが、逆にいえば「変わり者」こそが好まれるといって良いでしょう。しかしオーディションという場では、どうしても緊張がつきもの。
普段は明るく天真爛漫なキャラだったとしても、審査員たちの視線が気になり、借りてきた猫のように萎縮してしまう方も多数。持ち前の良さを全開でアピールできないのは、とても勿体ないことです。
これを解決するには、「演技力」がコツです。俳優を目指している方はもちろんですが、タレント志望の方も、アイドル志望の方も、「自分」という役になりきって演技をしましょう。
まずは、「自分」という人間が客観的にどう見えているのかを知ることが大事。自分自身は「私はしっかり者」と思っていても、友人からは「天然ボケ」と評価されるなど、思わぬギャップがあるかもしれません。大事なのは、自分の見解ではなく、第三者からの意見。友人、家族、同僚など、様々な相手に「私ってどういう人間だと思う?」と質問し、正直なイメージを教えてもらってください。
意見のデータが集まったら、そのデータを元に「自分」という人間を知りましょう。「周りからはそう見えているんだ」と理解できれば、「自分」が演じやすくなるはずですよ。
オーディションでは、入室した瞬間から「演技」開始。「緊張すると普段の力の5割も出せない・・・」という方には、特に効果を発揮する方法です。素の自分だと頭が真っ白になりがちでも、「自分」という演技をしていれば、いつでも客観的に「自分」を保ち続けられるでしょう。
当日に慌てないための事前準備
あらかじめ「このような内容でオーディションを行います」と詳しく伝えられていれば対策ができるものの、残念ながらそのようなオーディションは存在しません。芸能界で活躍するためには、状況に応じて柔軟に対応する能力が必須だからです。
何ヶ月も前から自己PRを用意していても、いざ当日に「1分で自己PRをお願いします」と予想よりも短い時間だったり、逆に「5分で自己PRをお願いします」と予想よりも長い時間だったり、どのようなパターンで出題されるかは誰にも分かりません。
「そう来るとは思わなかった」と焦るほど、思考回路はうまく働かなくなります。頭が真っ白になって、思うように自己PRを伝えられないまま制限時間終了・・・となる方は少なくありません。
慌てなくて済むよう、30秒パターン、1分パターン、3分パターン、5分パターン・・・など、あらかじめ自己PRを何パターンか練っておくことをおすすめします。
外観や服装で差をつける
オーディションに受かるためには、能力など内面的なものだけではなく、外観や服装など外見的な要素も重要。
内と外、両面からのアピールで、審査員たちの心をつかみましょう。
外見で差をつける
芸能界で有名な、中村獅童さん。
彼は「ピンポン」という映画で準主役の役をつかみましたが、映画のオーディションのときにスキンヘッドで参加したそうです。彼が目指した役は、原作においてスキンヘッドのキャラ。そのため彼はオーディションの段階ですでにスキンヘッドにして、やる気をアピールしていました。
俳優はもちろんタレントなど芸能活動全般にいえることとして、独自性をアピールすることはとても重要です。審査員に「任せらせるのはこの人しかいない」と思わせられれば、しめたもの。万が一、希望していた役に合格しなくても、別の作品や別の役で声をかけてもられる可能性は格段に上がるでしょう。
服装で差をつける
合格には、服装も重要です。
「スーツでお越しください」というオーディションはまずありません。私服での参加が一般的ですが、私服のチョイスを意識すれば、他の人とグンと差がつけられますよ。
たとえば「主婦の役」のオーディションの場合、「主婦」を具体的にイメージするだけで服装のチョイスはまったく変わったものになるはずです。高級住宅街に住む主婦? 団地に住む主婦? ご主人と2人暮らし? お子さんは? 仕事もがんばるキャリア主婦? 家事が得意な専業主婦? 性格は? 好みは? ・・・というように、役に対して具体的なイメージを描き、それに合わせて服を選ぶと良いでしょう。
オーディションでは、「今日の服のコンセプトは?」と質問されることがよくあります。そのときに「えっと、主婦の募集をしていたので、主婦っぽく・・・」としどろもどろになっては、むしろ減点対象に。「集合団地に住む39歳の、小学生と幼稚園生の子どもを2人育てている専業主婦をイメージして服を選びました」など、具体的に答えられればそれだけ審査員をうならせることができます。
芸能界で活躍するときにも言えることですが、「求められている人物像」を細かくイメージして、それに合わせた立ち振る舞いをすることはとても大切。役柄になりきり、そこに「自分らしさ」をプラスで加えれば、あなたは芸能界において唯一無二の存在になれることでしょう。
まとめ
芸能界に入るための関門、オーディション。
オーディションで特に大切なのは自己PRです。内容は事前に何パターンか準備しておきましょう。
またオーディションごとに服装や外観にも気を配ることで、この上ない熱意をアピールできます。
念入りな下準備で、合格を勝ち取りましょう!