6_役者の種類[1]

役者にもいろいろ種類がある!違いを理解しよう

役者の種類1:映画役者

映画役者は、映画に登場する役者です。昭和頃には、映画役者の第一線で活躍する人たちを「銀幕のスター」と呼び、一流だとされていました。
かつて映画役者と呼ばれていた人たちは、映画会社と直接専属の契約を結んでいました。そのため、その映画会社以外が制作した映画作品やテレビドラマなどには、出演が許されていなかったのです。このように、活動範囲が制限されたことで、映画に特化した役者が生まれたのです。

ところが、時代の流れによって純粋に映画のみに出演する映画役者と呼べる俳優は、いなくなっているのが現状です。映画に出演する場合、一般的に主演であれば150~500万円ほどの出演契約金となります。

他の役者に比べると、ギャラは高めに設定されていますが、そのぶん競争が激しい世界だといえるでしょう。テレビドラマなどと比べると、撮影期間が長期化するのも映画役者の特徴です。そのため、分単位でスケジュールに追われるということがなく、満足がいくまで撮影に没頭することができます。
映画撮影中はその他のスケジュールを入れることはあまりなく、映画撮影に集中することができるため、他のスケジュールに左右されず役作りができるのもメリットといえるでしょう

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役者の種類2:テレビ役者

テレビ役者は、ドラマやCMなどテレビを中心に活躍する役者です。ネット動画の増加により、活躍できる幅は広がってきています。ドラマの場合、一般的に主演だと1話につき80~200万円が出演料の相場です。出演が決まれば、脚本家やプロデューサー、スタッフ、オールキャストなどが顔合わせをし、撮影開始となります。本読みやリハーサル、カメラ割りなどの撮影プラン決め、ドライリハーサル、カメラリハーサル、本番の順に行うのが一般的です。出演したドラマがヒットすれば、他の作品への起用や出演ドラマの映画化などの話へとつながる可能性があります。

役者の種類3:舞台役者

舞台役者は、歌舞伎やミュージカルなど、主に舞台で活躍する役者です。小規模の劇団で活動している人や、プロの役者を目指している人も含まれているため、数が多いのが特徴です。映画役者やテレビ役者とは違い、本番で間違えたり納得のいかない演技だったりしたからといって、やり直しということができません。そのため、稽古をしっかり重ねる必要があります。また、繰り返し同じ内容のものを演じるのも、舞台役者の特徴です。1日に2回公演することもあり、体力が求められるのでトレーニングを日常的に行うことも珍しくありません。

繰り返し演じる中で、改善点を見つけたり新たな演出が加わったりすることがあります。その結果、台詞や表現の仕方が変わることも多いので、臨機応変に対応する力が必要です。公演期間中に変化を重ねていくのが、舞台役者の面白さであり、舞台を見に来る人にとっても醍醐味だといえるでしょう。舞台役者の出演料は、1公演あたり数千~1万円程度が相場です。ただし、名前が売れている役者であれば、30~50万円ほどになります。
舞台によっては、公演1期間が長期間になり、公演回数分の出演料がもらえます。一見、映画役者やテレビ役者と比較すると出演料が安いように見えますが、公演回数が多ければ100万円以上の出演料になることもあるでしょう。

所属場所の種類1:芸能事務所

芸能事務所に所属した場合、事務所がとってきた仕事をこなしていくことになります。芸能事務所は、役者の芸能活動に関する営業やマネジメントをするための企業です。中には、芸能事務所自体が、番組の企画などを行う制作プロダクションとしての機能をもち合わせている場合もあります。最初は、小さな役しかもらえないことが多いでしょう。実力をつけることで、テレビや映画など大きな仕事につながる可能性があります。

芸能事務所に所属することで、仕事だけでなく役者に必要なレッスンなどを含めたスケジュールの管理や、出演料の交渉、契約書作成などさまざまな業務を代行してもらえるのが大きなメリットです。

また、芸能事務所はテレビ局やイベント会社、広告会社などとつながりがあるため、個人ではもらえないような大きな仕事をもらえる可能性が高くなります。専属契約もしくは所属という形をとるのが一般的です。そのため、役者は事務所の商品という位置づけになり、事務所の方針に従って営業やPRを行っていくことになります。芸能事務所を選ぶ場合は、所属料やレッスン費などがどのくらいかかるのかを事前に調べておくことが必要です。

また、社長やマネージャーとの相性や、自分をきちんと売り出してくれる環境なのかということをきちんと見極めることも大切です。所属する役者とマネージャーの人数比や、所属役者の知名度などから判断しましょう。

所属場所の種類2:劇団

劇団に所属すると、年に何回かの舞台公演をこなしていくことになります。また、他の劇団の舞台に客演として出演することもあります。劇団によって、演目の内容はそれぞれ異なるのが特徴です。ミュージカルを専門とする劇団もあれば、コメディや子ども向け、海外の作品などさまざまです。

そのため、自分はどんな作品を演じたいのか、どんな舞台に立ちたいのかを考えたうえで選ぶとよいでしょう。色々な劇団の舞台を見に行ったうえで、入りたい劇団を決めるのも1つの方法です。

劇団役者は、テレビや映画にように広告収入ではなく、観客からのチケット代が主な収入源になるため、生活が厳しいケースが多いです。

所属場所の種類3:個人

劇団や事務所に所属せず、個人で活動する役者もいます。

この場合、とにかく自分でオーディションを受けに行き、仕事をとってこなくてはなりません。中には、1日に数本のオーディションに参加しているという人も珍しくありません。オーディションを受けても、必ず受かるという保証はありません。そのため、時間がある限りオーディションを受けることが、仕事につながるのです。

また、普段からさまざまな人脈を築いておくことも大切です。人脈を広げることで、自身の売り込みや営業にもつながります。

SNSも認知度を高めたり、仕事をとったりするきっかけになることがあります。フォロワー数が多いということは、つまり、拡散力があるということです。そのため、例えばCMに起用すれば商品が広まると捉えられ、仕事につながることもあるのです。事務所に所属すると、入るための費用が発生したり、事務所の方針と合わなかったりするというリスクがあります。

しかし、フリーランスであればその心配はありません。また、支払われた出演料も、すべて自分の手元に入ってきます。事務所に所属していれば、事務所の取り分が出演料から引かれてしまいます。そのため、しっかり仕事をとれるようになれば、個人の役者のほうが給与面で恵まれているといえるかもしれません。

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