俳優や女優として活躍していくために、「舞台を経験しておいた方がいい」と言われます。
ただ、実際に舞台のオーディションって、どんな仕組みなのか分からないですよね。
舞台のオーディションにも種類があって、それによってギャランティー(給料)も変わってきます。
ここでは、
・舞台オーディション情報
・オーディションの流れ
・舞台俳優として活躍するためにやっておくべきこと
などを詳しく解説していきます。
Outline
1.舞台のオーディションとは
1-1.舞台のオーディションの2つのタイプ
舞台のオーディションは大きく分けて2種類あります。
①オープンタイプ
②クローズドタイプ
順にご説明していきます。
①オープンタイプ
オープンタイプのオーディションは、一般公募型のオーディションであるので万人に対して門が開かれています。
ネットで調べて、オーディション募集のサイトに載っているものは誰でも受けられるものなので、オープンタイプとなります。
そして、このタイプオーディションの多くは劇団が主催する小劇場演劇です。
もし舞台に出たいのであれば、まずはオープンタイプのオーディションを受けていくことになります。
オープンタイプのオーディション情報は、以下のサイトから調べることが出来ます。
小さな劇団から大きな劇団まで、コメディ劇からシリアス劇まで幅広い情報が掲載されています。
募集団体に直接問い合わせることができるので、今すぐに舞台に出演したい人にオススメです。
公演・団体・劇場別で検索することが可能です。
自分の好きな舞台のオーディションを受けやすいです。
舞台作品はもちろん、劇団に所属できる役者を募集しています。
どこかの劇団に入って活動してみたい方にオススメです。
②クローズドタイプ
クローズドタイプのオーディションは、事務所に対して送られるものであることが多いので、万人が受けられるものではありません。
テレビや映画で活躍している俳優や女優が出ているような舞台は、基本的に一般に向けてオーディションが開かれることはほぼありません。
もしクローズドタイプのような大きな舞台に立ちたいということであれば、まずは事務所に所属しなければなりません。
事務所に所属するためには、
「俳優のオーディションを勝ち抜くための3つのポイント」
の記事を参考にしてください。
1-2.舞台オーディションの流れ
舞台のオーディションには、2種類あるというのは分かっていただけたと思います。
そこでここでは、舞台のオーディションの中身について説明していきます。
舞台におけるオーディションの流れは基本的に、
①書類選考
②実技審査
③自己PR
④合否発表
という流れになってきます。
①書類選考
まずは履歴書にあなたのプロフィールや志望動機、自己PRを書きます。
ここで最も重要なのは、自己PRです。
・他人と差をつけること
・審査員の印象に残ること
履歴書の自己PRに関しては、
「オーディションで差をつける履歴書の自己PRを書くための3つの手順」
を参考にして下さい。
②実技審査
書類審査を通過すると、次は実際に演技を披露します。
舞台は、テレビやドラマよりも演技力が重視されてくるので、ここ肝心になってきます。
この実技審査では、次の公演で行う舞台の台本や役者の演技力を見るための台本が使われることになります。
一発勝負の世界ですので、緊張でいつもの調子が出せないというようなことは避けたいものです。
③自己PR
オーディションでは、自己PRを課されることが多くあります。
その自己PRで意識してほしいことは「インパクト」です。
どれだけ審査員の注目を集められるかが自己PRのポイントになってきます。
「笑顔が取り柄です」
「誰とでもすぐに仲良くなれます」
というような自己PRは、たくさんのオーディション参加者が言っている可能性があるので、審査員の印象に残らないのです。
自己PRに関しては別記事の、
「オーディションに合格する自己PR3つのポイント」
でご紹介していますので、参考にして下さい。
④合否発表
合格することで、はじめて稽古がスターとします。
ここからは個人の力量もさることながら、他の共演者とのチームワークも肝心になってきます。
自分勝手な演技ではなく、作品全体のクオリティを上げるような演技を心がけましょう。
POINT
劇団のオーディションにおいては、自己PRで合否が変わることはあまりないといわれるほど実技審査が重要になってきます。
自己PRは、演技というベースがあった上でのおまけだと思っていてください。
1-3.実技審査で気をつけたいところ
実技審査の対策は、どのようにすればいいのでしょうか?
実際のところ演技に正解はないように、何をすればいいかの正解はありません。
しかし、もしできる対策があるとすれば「キャラクター」を大事にするということです。
その人にしか演じることが出来ない「キャラクター」だということが演技においては大事になってきます。
「誰でもいい」ではなく「この人がいい」と思わせる台本上の「キャラクター」と、あなたの「キャラクター」をすり合わせて押し出していくことがオーディションの実技では必要になります。
2.舞台のギャラとノルマ
舞台におけるギャランティーはどうなっているか実際のところ分からない世界だと思います。
ここでは、詳しく舞台におけるお金に関して説明していきます。
2-1.チケットノルマ制度
あなたは、チケットノルマ制度というのをご存じでしょうか?
舞台では多くの場合、役者にチケットのノルマが課されている場合があります。
というのも舞台はテレビや映画と違ってスポンサーからの収益があるわけではなく、動員数=公演収益になるためです。
このノルマ制度によって、ファンがついていない駆け出しの役者は、ノルマにあったお客さんを呼ばなくてはいけません。
30人呼ぶとなるとかなり宣伝に力を入れないといけませんよね。
役者として売れるようになればチケットノルマが課されるようなことはありませんが、お客さんを呼べない駆け出しの役者はこうしてお客さんを増やしていくのです。
2-2.舞台の収入源
舞台で得られる収入の多くはチケットバックであることが多いです。
チケットバックというのは、何枚チケットを売ったかでその枚数に応じてギャランティーがもらえるシステムのことです。
つまり、チケットを売れば売るほどギャランティーが高くなるという仕組みです。
劇団や主催する団体によって変わってきますが1枚目からバックがあるところもあれば、ノルマを超えてからがバックの対象になる団体もあります。
チケットバックがない場合は、1ステージでいくらというように固定でギャランティーが支払われることになります。
一般的には1ステージ、数千円~1万円程度のギャランティーになり、有名な俳優になれば1ステージで何十万ともらえることもあります。
舞台というのは、なかなかギャランティーが安い世界ですが有名になればもらえる額も変わってきます。
実力をつけて舞台だけで食べていけるように日々精進していきましょう。
3.舞台役者としてやっておくべき5つのこと
ここでは、舞台役者として活躍していくための5つのポイントをご紹介します。
①発声練習
②姿勢
③体力作り
④殺陣(たて)
⑤ダンス
順にご紹介していきます。
①発声練習
舞台では声がお客様に届かないと話になりません。
一つの公演で何ステージもあるので、駆け出しの役者は声を枯らしてしまうことがあります。
しかし、声が枯れてはお客様に見せる演技をすることが出来なくなってまい、舞台全体のクオリティーを下げかねません。
まず第一に強い喉を身につけましょう。
②姿勢
舞台で映える役者というのは姿勢が綺麗です。
基本的にはよい姿勢が大事になってきます。
舞台で重要になる存在感というのは姿勢で印象づいてしまうことが多いので、まずは鏡を見たら自分の姿勢を気にするようにしましょう。
③体力作り
舞台は映像と違ってシーンごとではなく、60分~120分もの間出続けるということもあります。
そのため生半可な体力では後半に行くにつれてバテてしまいます。
そうならないために走ったり、筋トレをするようにしましょう。
④殺陣(たて)
時代劇になってくると必ず必要になってくるのが殺陣(たて)です。
刀を振り回して戦うシーンは圧巻です。
そして、この殺陣というのはいきなりやれと言われてできるものではありません。
基礎がしっかりできていないと観客を魅了することはできません。
暇があれば木刀で素振りするなど地道な努力が必要になってきます。
⑤ダンス
エンターテインメント性の強い舞台では、演技だけでなくオーディションの際にダンスを求められることがあります。
大きな舞台のチャンスがあったとしても、ダンスが出来ないというだけで逃してしまうのは残念です。
ダンサーのように踊れるようになる必要はありませんが、基本的なダンスはできるに越したことはないです。
4.まとめ
いかがでしたか?
舞台のオーディションといっても、小劇場と言われるものから商業と言われるものまで様々なものがあります。
そして、どんなオーディションにおいても舞台で重要視されるのは演技力です。
人を魅了する演技をすることが、舞台でいつまでも輝き続けられる役者になるための秘訣です。