ボイスオーバーとは?
声優の仕事は、アニメやゲームの吹き替えというイメージですが、他にもナレーションの仕事や、海外の映画・ドラマの吹き替えもあります。
海外の作品の吹き替えを、声優が担当することはよくありますが、その吹き替えとはまた違う「ボイスオーバー」という仕事もあります。
海外のニュース番組やドキュメンタリー番組を放送する時に、小音量で元の言語の音声を流しながら、吹き替えをした音声を流すことをボイスオーバーと言います。
テレビを見ていても、海外で撮影されたドキュメンタリー番組などで、ボイスオーバーが使われているのをよく見かけますよね。
声優として、ボイスオーバーの仕事もできれば、活躍の幅が広がります。
今回はボイスオーバーの仕事について、詳しく解説していきます。
ボイスオーバーの仕事内容
ボイスオーバーの仕事は、吹き替えと同じように思われることが多いので、その違いから見ていきましょう。
吹き替え
海外映画などで、元の言語で話している原音を全く消して、新たに音声を吹き替える方法です。
日本で放送、放映される海外の映画やドラマでは、吹き替えが使われるケースが主流となっています。
ボイスオーバー
元の言語での音声を小音量で残しながら、翻訳した言語を重ねて音声を流します。
ニュース番組などで、海外で取材された映像が流れる時などによく使われる方法です。
ドキュメンタリーとして、リアリティを出したい時に、ボイスオーバーが使われます。
また、吹き替えの仕事に比べ、ボイスオーバーの仕事は、本番までに時間がない依頼が多いという特徴があります。
例えば、海外の現状を取材した映像であれば、いち早く放送しなければいけないので、取材からボイスオーバーの音声を入れるまでに、時間をかけることができません。
ボイスオーバーの仕事の流れ
・仕事の依頼を受ける
↓
・当日に原稿をもらう
↓
・すぐに収録
映画、ドラマの吹き替えであれば、事前に台本を渡され、役作りをする時間もありますが、ボイスオーバーの仕事は、原稿を当日にもらうだけでなく、映像も見ないまま本番を迎えることも少なくありません。
放送時間ギリギリの仕事依頼も多く、何度もやり直す時間もないので、ボイスオーバーは臨機応変に対応できる器用さと、原稿を読む実力が求められます。
ボイスオーバーの働き方
ボイスオーバーの仕事をするには、どのような働き方があるのでしょうか。
ボイスオーバーの働き方
・声優事務所に所属する
・映像、翻訳関連会社で働く
・フリーランスで活動する
主には、この3つの方法でボイスオーバーの仕事をしている人がほとんどです。
それぞれの特徴を紹介します。
声優事務所に所属する
ボイスオーバーの仕事は、声優やナレーターが所属する事務所へ依頼されるケースが多いので、声優事務所に所属して働く人が多いです。
声優事務所は、それぞれ強いジャンルがあるので、ボイスオーバーの仕事に強い事務所を選びたいですね。
映像、翻訳関連の会社で働く
映像翻訳を専門にする会社では、ボイスオーバー用の台本製作から、収録までを請け負う会社もあります。
そのため、ボイスオーバーができる声優やナレーターが、登録している会社もあります。
フリーランスで活動する
ボイスオーバーの経験や実績があれば、フリーランスで活動しても、制作会社やテレビ局から依頼をもらえるケースもあります。
事務所や会社に所属して、ボイスオーバーの経験を積んでから、フリーランスに転向する人も多くなっています。
【ボイスオーバーの収入】
ボイスオーバーの仕事は、ほとんどが歩合制なので、仕事によって単価が大きく違います。
特に最近は、YouTubeなど、動画や映像を配信するコンテンツも多く、10分程度の映像のボイスオーバーで数百円という、低単価の仕事もあります。
しかし、実績や信頼を積み重ねれば、テレビなどの大きな仕事をもらえるようになり、仕事の単価も大きく上がります。
中には、ボイスオーバーの仕事で、月に50万円以上を稼ぐ人もいます。
ボイスオーバーに向いている人の特徴
声優やナレーターと同じように、声の仕事であるボイスオーバーの仕事ですが、どんな人が向いているのでしょうか。
ボイスオーバーの仕事に向いている人
【臨機応変な対応ができる人】
ボイスオーバーの仕事は、当日渡された原稿を読むだけでなく、原音に音を重ねたり、少し遅らせて読むなど、その場で言われたことや、要望に応えなければいけません。
また初めて見た映像に音声をつける仕事も多く、感情表現などもその場で臨機応変に対応します。
そのため、臨機応変な対応ができる人が、向いている仕事だと言えるでしょう。
【本番に強い人】
ボイスオーバーの仕事は、限られた時間でやらなければいけない依頼も多くなります。
ほんの5~10分程で終わらせなければいけない時など、失敗してやり直す時間はありません。
緊張で思うように声が出ないということがないように、普段から練習をしっかりして、自信を持って出来る準備を整えておけるような本番に強い人は、ボイスオーバーの仕事に向いています。
【コミュニケーション能力が高い人】
ボイスオーバーの仕事は、制作側から気に入ってもらえれば、何度も声がかかることも多い職業です。
そのためには、依頼主が何を求めているのか、コミュニケーションを取って、意図を感じ取ることも大切です。
人とのコミュニケーションを取るのが好きで、相手が求めていることを感じ取るのが得意な人が向いています。
また、声の仕事なので、発声や滑舌など基本的な技術は必要となります。
ボイスオーバーに求められること
・滑舌
・発声
・原稿読み
声優やナレーターと同じように、聞く人にとって、聞き取りやすい声や話し方が出来なければ、ボイスオーバーの仕事は務まりません。
また、原稿読みが主な仕事となるので、スムーズに読む力も求められます。
普段から原稿読みはもちろん、文章を読む習慣を身に付けておくといいでしょう。
ボイスオーバーのスキルを学べるスクール
最後に、ボイスオーバーのレッスンが受けられるスクールを紹介します。
テレビ朝日アスク
また、受講終了後にオーディションがあり、認定されれば即仕事のオファーがもらえます。
フェロー・アカデミー
この3つを身に付けておけば、映像翻訳業界でも、即戦力として活躍できるようになるため、授業では原稿の制作からしっかり学んでいきます。
授業では、実際にドキュメンタリー番組を使って、ボイスオーバーの体験を重ねることもできます。
アルク通信講座
ベーシックコースからスキルアップコースまで、レベルに合わせた内容を学ぶことができます。
映像翻訳者としてのスキルも身について、プロとしてデビューできるまでのサポート体制も整っています。
仕事の幅を広げるためにも、ボイスオーバーのレッスンを受けておくと有利になりそうですね。