天候は、私たちの生活を左右します。
雨が降ると持ちものが変わりますし、洗濯物も溜まりますし、仕事内容を急遽変更しなければならないこともあるでしょう。
誰も天気を決めることはできませんが、今後の天気はどう変わっていくのか予測することはできます。
気象予報士は、人々の暮らしをサポートする仕事です。あなたの予報で、人々はあらかじめその日に向けて「備え」ができます。
では気象予報士になるためにはどうすれば良いのでしょうか? 気象予報士になる方法、魅力、仕事内容などを幅広くお伝えします。
気象予報士の仕事内容は?
私たちが「気象予報士」を目にしているのは、テレビ画面越し、もしくはラジオなど音声を通じてではないでしょうか。
普段なかなか直接関わる機会のない気象予報士ですが、その仕事内容は私たちの想像よりかなり奥が深いもの。
もちろん「天気の予測」が仕事ですが、ただ雨雲を元に分析するだけではありません。
ベースは気象庁から提供されるデータですが、日本全国、地域ごとの地形の特性や傾向を踏まえつつ、トータルに予測しなければならないのです。
さらに、「晴れ」「曇り」「雨」など単純な天候だけではなく、気温、湿度、降水確率など細かなデータも算出しなければなりません。1日ごとの予測でも大変なのに、場合によっては1時間ごとのデータを求められることもあるので、気象予報士は難易度の高い仕事といえるでしょう。しかし難易度が高いぶん、やりがいは抜群。「君が雨と予報していたから傘を持っていったんだ。おかげで濡れずに済んで助かったよ」なんてお礼を言われたら、ますます頑張りたくなりますね。
気象予報士の就職先は?
気象予報士というと、テレビやラジオでの仕事をイメージする方も多いと思いますが、職場は芸能界だけとは限りません。
漁業や農業、イベント会社など、天気により影響される仕事は少なくありません。そのため一般企業でも気象予報士を募集していることがありますし、自衛隊や気象庁などの公的機関にも就職できます。
ちなみに一般企業に勤める場合、従業員が集まる前に天気を予測しなければならないことがほとんど。早朝勤務や深夜勤務もあることは覚悟しておきましょう。また季節によって勤務時間が変化することもあるので、勤務形態は変化するものと認識しておいたほうが良さそうです。
また最近では、民間の気象会社も気象予報士の募集をすることが多くなりました。天気予報が見られるアプリがいくつも普及し、それらのアプリをスマホにインストールしている方も多数います。お天気アプリを提供しているのは、ほとんどが民間企業なのです。それでも採用枠は狭いことに変わりはありませんが、気象予報士の就職先として「民間の気象会社」も挙がってきたことは特筆に値するでしょう。
気象予報士になるには?
気象予報士になるためには、「気象予報士」の資格を取得する必要があります。
気象予報士は専門的な知識を多く必要とする職業のため、試験の難易度も高め。合格率はわずか5%という狭き門です。
試験は年に2回行われているので、あきらめなければチャンスは何度でも巡ってきます。年齢制限も特にないので、何歳になっても受験できますよ。
ちなみに2012年には12歳の合格者が誕生しました。
大人でも子どもでも平等なチャンス。たくさん勉強をして、5%に食い込みましょう。
なお、試験では天気図を読み取ったり気象の専門知識を問われたりします。今から過去問題を入手して、おおまかな傾向をつかんでおくのも良いでしょう。
気象予報士になるための勉強は?
気象予報士は、天気や地域ごとの特性など専門的な知識を必要とする職業です。
もし気象予報士を目指しているなら、気象について学べる大学で勉強をするのが得策です。
もちろん「大学で気象について学んできました」と学歴や実績をアピールしたからといって、試験に合格するわけではありません。試験に必要とされるのは、あくまで知識のみ。学歴は特に必要ではないのです。
しかし、合格率5%の難関な試験を独学だけでクリアするのはなかなか難しいでしょう。
大学なら専門的な知識を教えてもらえるうえ、分からないことがあったら教授に質問して解決することもできます。
気象予報士の試験に合格するためには、大学で勉強をするのが最短ルートなのです。
もし「お天気キャスターのような仕事ではなくて気象庁に勤めたい」と考えているのであれば、気象大学校に進学しましょう。
気象大学校は、千葉県の柏市にある4年制大学です。一般の大学と同じように、気象の専門科目だけではなく一般教養も学ぶことができます。
国土交通省が管轄している大学のため、卒業後は気象庁への就職が約束されているのが特徴です。
気象予報士の給料は?
合格率5%の、気象予報士という職業。
難関な国家資格を取得できた専門職なので、つい給料も期待してしまいますよね。
気象予報士の給料は、勤め先によって様々です。場合によってはサラリーマンの平均年収と同程度になることもあるので、気象予報士とは「やりがい」をメインに働く仕事だと考えておきましょう。
テレビやラジオなどメディアで活躍するのであれば、年収は300~500万円ほど。一年ごとの契約が多いのも特徴です。
自衛隊や気象庁に勤める場合も、300~500万円が一般的です。
一般企業や民間の気象会社の場合は、年収500~600万円が目安です。ただこれはボーナス込みの金額なので、会社の業績によって多少前後する可能性も考えておきましょう。
気象予報士の意外な苦労とは?
どんな仕事でもそうですが、「就職がゴール」ではありません。
気象予報士の試験に合格したら、「もう勉強から解放された!」と晴れ晴れした気持ちになることでしょう。
しかし気象予報士とは、「一生勉強」の仕事。
最近では、地球温暖化の影響などで異常気象が多くなっています。前代未聞の大型台風、ゲリラ豪雨、酷暑など未知の天候に直面することも年々増えてくるはず。
でも、「天気は読めません」で終わらせるわけにはいきません。原因を分析して、今後に役立てていかなければならないのです。
天候予測のプロである、気象予報士。私たちを取り巻く環境は刻々と変化しています。その「変化」に対応すべく、日々の研究は不可欠。大変さはあるものの、その分やりがいも抜群の仕事ですね。
気象予報士の繁忙期っていつ?
天気は毎日一定ではありません。
だからこそ、多くの人が天気予報に注目して情報を入手しています。
「気象予報士は一年中必要とされる仕事でしょ?」と、気象予報士を多忙な職業として認識している方は少なくないでしょう。
確かに気象予報士は需要が絶えない仕事ですが、年に何度も繁忙期があることはあまり知られていません。
たとえば花見客でにぎわう時期、ゴールデンウィーク、夏休みや冬休みなど大型連休の時期、クリスマスシーズンなど、アウトドアが好まれる時期はたくさんの人が天気予報に注目します。
この時期は定期的に休暇を取るのが難しくなったり、不規則な生活になりがちなので、体調管理には一層気をつけてくださいね。
まとめ
気象予報士になるには、「気象予報士」という国家資格を取得しなければなりません。
合格率は5%の難関な試験なので、一度の試験で受かると思わずに最初から長期的な視点で考えていったほうが良いかもしれません。
気象予報士が与える情報は、私たちの生活を左右します。
努力を重ねて、天候のプロとしてやりがいを感じながら仕事をしていきましょう!