舞台に関わる仕事の種類
舞台作品には、映像とはまたち違った魅力がたくさんありますよね。
実際に舞台を見て、その迫力に感動して、ハマってしまったという人も多いのではないでしょうか。
さらには「舞台を見て、そこに関わる仕事がしてみたい」と考える人も少なくありません。
舞台に関わる仕事と言えば…
・舞台に出る仕事
・舞台を支える仕事
・舞台を作る仕事
があります。
今回は「舞台に関わる仕事がしたい!」という人のために、舞台を作る側になりたい人への指南書を紹介していきます。
舞台に出る仕事
舞台を作る側の仕事を紹介していく前に、舞台に出る側の仕事をまとめておきます。
舞台に出る仕事の種類
舞台俳優
ミュージカル俳優
アクション・スタント
歌手
舞台やミュージカルで役を演じる俳優の他、アクションやスタントを担当して、舞台に出演する仕事もあります。
さらに、コンサートなどで歌う歌手も舞台に立つ仕事です。
舞台での作品を作るためには、舞台に立つ人たちと共に、たくさんの人たちが舞台を作る仕事や支える仕事をしています。
舞台を支える仕事
はじめに、舞台を作る仕事の中でも「支える」仕事を順に見て行きましょう。
【舞台を支える仕事の指南書】
【舞台美術】
・舞台での美術関係全体を担う仕事。大道具、小道具、背景の幕など、細かい部分の制作にまで全て携わります。
【向いている人】
・美術的な感性が高い人
・好奇心が旺盛な人
・コミュニケーション能力が高い人
【就職先】
・舞台制作会社
・音楽会社
・プロダクション
※演劇やミュージカルの他、コンサートなど、華やかな演出を求められるステージでの、装置や衣装を含めた全ての美術専門家です。
舞台の制作会社に勤務した後に、フリーになったり制作会社を立ち上げる人も多い職業です。
必要な資格はありませんが、大学や専門学校で学んで、アシスタントとしての実務経験で、知識を身に付ける方法が一般的です。
【大道具・小道具】
・舞台上のセットを作る仕事です。大道具は、大掛かりなセットや背景、造形物(銅像など)を作ります。
小道具は雑貨や食べ物などを調達します。
【向いている人】
・美術や造形が得意な人
・想像力がある人
・体力に自信のある人(大道具)
【就職先】
・舞台制作会社
・劇団
・テレビ局
※大道具、小道具は大学や専門学校で美術製作を学ぶ人もいれば、制作会社等に就職して、現場でスキルを磨く人も少なくありません。
大道具は、大掛かりなセットを作るだけでなく、解体作業を担当することもあるので、体力を使う仕事でもあります。
【照明】
・舞台で行われる演劇やコンサートで、照明を担当する仕事です。
演劇では照明で天気や時間を表現する演出も求められ、テクニックが必要です。
【向いている人】
・想像力が豊かな人
・コミュニケーション能力が高い人
・柔軟な対応ができる人
【就職先】
・制作会社
・テレビ局
・劇団
※照明の仕事は、専門的な知識が必要になるため、電子系、舞台美術、照明などを学べる大学や専門学校で、知識を得る人が多い業界です。
重い機材を運ぶのも仕事の1つなので、体力が必要な現場もあります。
【音響】
・舞台での演劇やコンサートの音に関する全般を担う仕事です。BGMや効果音を流したり、マイクやスピーカーの音量、音質を調整します。
【向いている人】
・音楽が好きな人
・体力がある人
・集中力がある人
【就職先】
・舞台制作会社
・音楽関連会社
・テレビ局
※照明の仕事と同じで、重い機材を運ぶので、体力があることも求められます。
また、BGMや効果音はタイミングが重要なため、集中力があることも必要になるでしょう。
音響もスキルが必要なため、大学や専門学校で学んで就職する人が増えています。
【メイク】
・舞台に立つ俳優やアーティストのメイクを担当する仕事です。汗に強いメイクなど、舞台ならではのメイク知識が必要です。
【向いている人】
・メイクやファッションが好きな人
・美的な感性が優れている人
・コミュニケーション能力が高い人
【就職先】
・プロダクション
・化粧品メーカー
・ヘアメイク事務所
※舞台のメイクは、汗をかいても長時間崩れない化粧品を使うなど、特殊な知識も必要です。
多くの人は専門学校で技術を学びますが、舞台のメイクを専攻しておくことをおすすめします。
また、美的な感覚が優れており、俳優や制作スタッフの意思を汲み取るコミュニケーション能力も必要です。
舞台を作る仕事
次に、舞台を作る仕事について、知っておきたい情報をまとめていきます。
【舞台を作る仕事の指南書】
【脚本家】
・舞台演劇やコンサートなどの脚本を書く仕事です。登場人物のセリフや行動を書き、キャスティングなどの作業にも関わることもあります。
【向いている人】
・表現することが好きな人
・執筆が好きな人
・演劇が好きな人
【就職先】
・制作会社
・テレビ局
・舞台脚本家事務所
※演劇の面白さを決める重要な仕事となる脚本家は、人を惹きつける文章を書くことが求められます。
大学や専門学校で学ぶ方法もありますが、公募でチャンスを掴む方法もあります。
また、制作会社やテレビ局で働いて、スタッフとして他の仕事をしながら、脚本家を目指す人もいます。
【舞台監督】
・舞台で行われる演劇やコンサートでの、調整や進行を管理して、指揮をとる仕事です。
脚本家、演出家の意向を汲み取り、イメージを具体的に作っていきます。
【向いている人】
・リーダーシップを取れる人
・コミュニケーション能力が高い人
・説明するのが得意な人
【就職先】
・劇団
・プロダクション
・制作会社
※舞台監督にも必要な資格はありませんが、舞台に関する全てのことを理解している必要があります。
大学や専門学校で学ぶこともたくさんありますが、現場でしか学べないことも多い職業です。
【舞台演出家】
・舞台を作る上での、全体の責任者です。作品の世界観を、全てのスタッフに伝えて、時には指導する立場となります。
【向いている人】
・表現力が豊かな人
・コミュニケーション能力が高い人
・リーダーシップが取れる人
【就職先】
・劇団
・プロダクション
・制作会社
※演劇やコンサートの世界観を表現するために、重要なポジションとなります。
大学や専門学校でスキルを学ぶ他、劇団で舞台演出家のアシスタントをしながら演出家として独立するケースも多いです。
【プロデューサー】
・演劇やコンサートのプロデュースをする仕事です。舞台の企画、運営、予算などにおける管理を総括する責任者です。
舞台の公演のスケジュールや場所、予算を考えるため、滞りなく舞台を運営するために、重要な役割となります。
【向いている人】
・交渉するのが得意な人
・発想力豊かな人
・コミュニケーション能力が高い人
【就職先】
・音楽制作会社
・イベント制作会社
・テレビ局
※制作会社で、アシスタントディレクターとして、現場で知識を学ぶ人が多い業界です。
スケジュールや予算など「段取り」をすることが求められるため、全てのスタッフが円滑に作業を進めるのに、重要な役割となります。
舞台に関わる仕事をするには?
舞台を作ったり、支える仕事をするには、大学や専門学校で学んでから就職する方法が主流になりつつあります。
学校に通うとなると、時間や費用もかかるため、現実的ではない人もいるかもしれません。
しかし、専門知識を学んでおくことでのメリットがあるのは事実です。
大学・専門学校で学ぶメリット
・就職後に、仕事を理解するのが早い
・就職へのサポートがある
・現場に出る前に、実技で実践することができる
専門的な知識を身に付けておけば、就職後も即戦力となれる可能性も高まります。
しかし、現場でアシスタントをすることで、自分が目指す分野以外の舞台関係の仕事にも詳しくなれるので、どちらにもメリットはあります。
自分に合う方法を選ぶのがベストですが、舞台に関わる仕事は実に豊富なので、視野を広く見ておくことも大切ですよ。