子供の「プレゼンテーション力」とは?
社会人になると、仕事で「プレゼンテーション」をする機会もありますが、苦手意識が強い人も多いのではないでしょうか。
聞いている人に自分の提案を伝える「プレゼンテーション」ですが、最近は子供の時にその力を身に付けることが注目されています。
欧米では、小さい頃から人前に立って自分の意見を提案する機会がある授業も多いのに比べ、日本では先生の話を聞く授業が多く、自分の意見を人前で発表する機会が少ないと言われています。
しかし、グローバル社会が進んでいく中、子供達が将来社会に出ていく時には、より一層プレゼンテーション力が求められるでしょう。
プレゼンテーション力は、大人になったら自然に身につくものでもなく、性格や元々持っている能力に加えて、トレーニングすることでも身に付けることができます。
子供の頃からプレゼンテーション力を身に付けておけば、学生時代だけでなく、大人になってからも役に立つことがたくさんあります。
今回は、子供に「プレゼンテーション力」をつけさせる方法について紹介していきます。
プレゼンテーション力をつけるメリットは?
子供の時にプレゼンテーション力をつけておけば、どのようなメリットがあるのか知っておきましょう。
【プレゼンテーション力をつけるメリット】
①自信を持って発表できるようになる
プレゼンテーション力があれば、自信がついて人前で発表することが好きになれます。
人前に出ることが好きになれば、学校でもリーダー的な役割をしたり、積極的に発表できるようになります。
②物事を伝える力が身につく
プレゼンテーション力があれば、人前に出る時に限らず、普段から人に物事を伝えるのが上手くなります。
そのため「信頼できる人」「頼りになる人」と思われて、交友関係が上手くいくなど、コミュニケーション能力にも良い影響が現れます。
③受験の面接でも役に立つ
中学、高校受験でも面接がある学校が多いです。
子供にとっては、正式な面接は受験が初めてとなることも多いですよね。
非常に緊張感がある面接でも、プレゼンテーション力があれば、落ち着いて自然体で話すことができます。
④就職活動にも役に立つ
受験の面接と同じように、就職試験にも面接審査がある会社がほとんどです。
最近は、審査として「プレゼンテーション」や「グループ発表」を取り入れている会社も増えているので、プレゼンテーション力があれば、就職活動でも役に立ちます。
⑤論理的思考力が高まる
プレゼンテーションをするには、伝えたいことを整理して、順序を考えたり、話し方も工夫する必要があります。
「どう言えば相手にどう伝わるか」「相手を納得させる内容になっているか」と考えて企画すると、視野が広がり論理的思考力を育みます。
⑥表現力が身につく
プレゼンテーションでは、相手を納得させる必要があります。
そのため、言い方や表現も工夫しなければ上手く伝わりません。
相手に伝える工夫を繰り返していれば、自然と表現力が身につきます。
プレゼンテーション力を鍛える方法は?
子供のプレゼンテーション力を鍛えるには、何をすればいいのでしょうか。
プレゼンテーション力を鍛える方法を紹介します。
①人前で発表する機会を増やす
プレゼンテーションをする時に多くの人が困るのが「緊張して本来の力が発揮できないこと」ではないでしょうか。
人前に出て発表することに緊張する人は多いですが、人前に立つ頻度が少ないほど緊張します。
つまり、人前で発表する機会が増えれば、緊張は軽減されて慣れてきます。
プレゼンテーション力を鍛えるには、人前に出る機会を増やして慣れることが効果的です。
②本を読む
人の心を掴んで納得させるような、説得力のあるプレゼンテーションをするには、表現力や語彙力が必要です。
たくさんの言葉や、言葉の表現は文章を読むことで身につきます。
子供が知らない言葉や、言い回し、話す順序などは、日々の読書習慣で得ることができます。
③文章を書く
文章を読むことも大切ですが、書くこともプレゼンテーション力を鍛えるために効果的です。
例えば、日記を書く習慣もおすすめです。
日記を書くことは、自分の気持をアウトプットすることができて、子供が自分の考えを改めて実感できる機会になります。
パパやママと交換日記をして、大人が子供の気持をさらに引き出してあげるのもプレゼンテーション力向上に効果的です。
④練習を積み重ねる
人前で発表するのが苦手な子供は「失敗したくない」「間違えたらどうしよう…」などと考える、自信がないことが原因になっているケースが多いです。
練習を積み重ねることで自信を持って発表することができます。
人前で発表する機会を増やすことも効果的ですが、毎日家族の前でプレゼンテーションの練習をするなど、何度も練習を積み重ねてみましょう。
親子のコミュニケーションでプレゼンテーション力アップ!
子供のプレゼンテーション力を高めるには、家族のコミュニケーションがとても重要なポイントになります。
人前で発表することに対して苦手意識がある子供は、慎重な性格であったり、人前に出る経験が少なくて「自分は人前で発表することが苦手」と思い込んでる場合も多いです。
家族でたくさんコミュニケーションを取って、子供の表現を引き出しましょう。
子供のプレゼンテーション力を引き出す、家族のコミュニケーションのコツを紹介します。
たくさん会話をする
家事に仕事に忙しいに毎日で、子供との会話も減ってしまったり、何となく聞き流してしまうこともありますよね。
しかし、日常の会話こそ、子供の想像力や表現力を引き出すチャンスです。
例えば、子供が「遊園地に行きたいな」と言った場合「また今度ね」「パパと相談しとくね」と会話を終わらせてしまうことも多いのではないでしょうか。
しかし、こういう日常のちょっとした一言から話を広げてみましょう。
会話の例
子供「遊園地に行きたいな」
↓
親「何で遊園地に行きたいの?」
↓
子供「ジェットコースターに乗りたいから」
↓
親「ジェットコースター怖くないの」
↓
子供「怖くないよ。ママは怖いの?」
↓
親「ママは怖いな。他にどんな乗り物があるかな?」
↓
子供「観覧車もあるよ」
このように、会話の中で子供に考えさせる習慣を身に付けましょう。
子供の意見に対して「なぜそう思ったの?」「もっと詳しく教えて」と問いかけるといいですね。
会話の中で、子供は考えを整理して説明する力を鍛えていくことができます。
動画を撮る
子供がプレゼンテーションをする姿を、動画に撮って本人に見せてみるのもおすすめです。
人前で発表するのが苦手な子供は、スムーズに話せないだけでなく、うつ向いて小さな声で話す傾向にありますが、その姿を自分自身では分かっていない場合が多いです。
例えば、好きな食べ物や行きたい場所など、簡単なプレゼンテーションでいいので、発表している姿を動画に撮って一緒に見てみましょう。
何回も繰り返しているうちに欠点が改善していくのが分かり、本人もプレゼンテーションするのが楽しくなります。
プレゼンテーション力をつける習い事
家庭でもプレゼンテーション力を鍛える方法を紹介しましたが、習い事で身に付けるのもおすすめです。
プレゼンテーション力を鍛えるのにおすすめの習い事も紹介します。
①プレゼン講座
最近は、子供向けのプレゼン講座を受けられるスクールや通信教育が増えています。
自分のアイデアや意見を人前で発表する方法を学び、実際に人前で発表するカリキュラムで、苦手意識を克服することができます。
また、人の心を掴むプレゼンテーションができるように、話す順序や伝え方を丁寧に教えてもらうことができます。
②プログラミング
プログラミング教室では、作った作品を発表する「プレゼンテーション会」を開催しているスクールも多いです。
プログラミングのコンテストでは、子供が作った物を自分でプレゼンテーションするため、アピールしたり伝える力が必要になります。
プレゼンテーションも含めてスキルアップを目指せる、プログラミング教室もおすすめです。
③芸能スクール
芸能スクールも、演技、歌、ダンスなど、人前に立つことに慣れるレッスンが豊富です。
さらに、オーディションでは、自分の魅力を最大限にアピールしなければ結果に繋がりません。
伝えることやアピールすることも学べて、人前に立つことにも慣れる機会がある芸能スクールも、プレゼンテーション力を鍛えることができるので、芸能界に興味がある子供にはおすすめです。
子供のプレゼンテーション力をつけておけば、学校生活はもちろん、社会に出てからも必ず役に立ちます。
出来ることからはじめてみましょう。