マイクの種類1.ダイナミックマイク
マイクの種類のひとつである「ダイナミックマイク」は、オーソドックスなタイプです。イベントやライブなどで頻繁に使われており、頭部は球状のものが多く、金属の網のようなもので覆われています。カラオケ店などでもよく見られるので、重さやサイズがだいたい想像できる人も多いでしょう。ダイナミックマイクに向かって声を出すと、その空気の振動が内部の振動板に届いて音が出る仕組みとなっています。こちらのマイクは人の声を拾うことが得意であり、歌声などの特徴を非常にクリアな音として響かせることが可能です。
また、エレキギターやドラムなどの近くに置かれているケースもあることから、人の声から楽器の音まで幅広い音声をしっかりと拾うことに長けているといえます。さらに、頑丈かつリーズナブルな価格設定のものが多いので、購入しやすいというメリットもあるとても便利なアイテムです。練習用としてもデモ音源作成用としても使える、汎用性の高いのがダイナミックマイクの魅力です。
オーディションでダイナミックマイクを使うときの注意点
オーディション会場でダイナミックマイクを使用する際に注意すべきことは、基本的にこのマイクは細かい音や小さな音は拾いにくいという点です。つまり、小声で話したりマイクから遠くで歌ったりすると、音声を拾いきれず聴き手に何をいっているか伝わらない恐れがあるのです。話すときや歌うときはなるべく口をマイクに近づけて持ち、音がきちんと入るように気をつけましょう。ただし、近づけすぎると逆にマイクトラブルが起こる可能性があるため、後述する適切な距離を理解することがポイントとなります。
マイクの種類2.コンデンサーマイク
「コンデンサーマイク」も広く使用されているマイクの一種で、正面から見ると四角く、横から見ると薄い形状をしています。漫才師が芸を披露するときに使用するマイクの多くがコンデンサーマイクです。ダイナミックマイクとは違い、こちらは目の前の音だけではなく広範囲の音を拾うという特徴があります。また、電源から電力を拾って使用し、振動と静電気により音を響かせるというのもダイナミックマイクとの違いです。使うときには電力が通っているコンセント電源などが必須となります。コンデンサーマイクは価格が高く数十万円程度することが一般的なので、気軽に購入できるものではありません。しかし、逆にいうとこちらのマイクで録音した音声は品質が高く、プロの仕上がりで音が録れるという魅力もあります。歌手を目指してデモ音源などを作成する場合には持っておくのも良いでしょう。
オーディションでコンデンサーマイクを使うときの注意点
オーディションでコンデンサーマイクを使うときは、このマイクが繊細な構造をしていることを理解し、取り扱いには十分注意する必要があります。少しの衝撃でも壊れてしまう恐れがあるので、保管や移動にも気をつけなければなりません。また、性能が良いあまり細かい音まで拾ってしまうため、うっかり無駄な音を響かせてしまわないように気をつけることも大切です。たとえば、アクセサリーの音や洋服がこすれる音、台本をめくる音、お腹が鳴る音などにも注意しましょう。
覚えておこう!マイクの正しい持ち方
いくら品質の高いマイクを購入しても、使用方法が間違っていればパフォーマンスを発揮できません。マイクの性能を引き出すには持ち方に気をつけることがポイントです。使用時には極端に高く持ち上げたり、逆にマイクを下にしたりせず、下唇と同じ高さに合わせて持つと、音が入りやすいので覚えておきましょう。ライブのパフォーマンスではベストな位置以外で使用している歌手も多いですが、彼ら彼女らはマイクの扱いに相当慣れているプロだからできることです。また、口とマイクの距離は、5~10センチ程度開けることも重要で、このくらいが声の通りを良くさせるベストな数字です。これより遠すぎると音声をきちんと拾えず、近すぎると音割れなどの原因となります。
さらに、ハウリングや故障の原因となるため、マイクの頭部分やしっぽの部分は握らないことも重要です。ハウリングとはキーンと耳を刺激する高い音のことをいい、聞き手に不快感を与える要因となります。こちらもプロの歌手がライブなどでやることもありますが、基本的にマイクは真ん中の部分を持つようにすることが望ましいです。加えて、マイク位置の調節をしたいときには、自分でマイクを触って動かさずにミキサーの方に動かしてもらいましょう。
オーディションにデモ音源を送るときは?
オーディションに送るデモ音源を録音するときに知っておきたいのは、録音環境をきちんと整えるということです。レコーディングは家でも行えますが、スタジオをレンタルして行うとマイクやアンプ、そのほかの機材の性能が良いので、自分たちで用意する必要はなくなります。高品質の装備を整えるにはお金がかかりますし、保管にも場所を取ってしまうでしょう。マイクなどのアイテムの使用頻度によっては、貸しスタジオのほうがコストパフォーマンスが良いことがあります。また、貸しスタジオは防音設備がしっかりしているので、隣の部屋の歌声やノイズが入ることがないのも特徴です。
自宅など防音設備が乏しい部屋の場合は、壁や天井から反射する音によりクリアな音質を得られないこともあります。加えて、車の音や鳥の鳴き声といった環境音がじゃまをすることもあるでしょう。デモ音源であったとしても自身の作品と考え、クオリティを追求することはオーディションを勝ち進んでいくうえで重要な要素です。ただし、貸しスタジオは料金が高く、なかなか手が出せないという人もいるかもしれません。そのような場合は、カラオケのレコーディングルームを使うのもひとつの方法です。こちらはスタジオを借りるよりもリーズナブルで、防音設備も悪くありません。カラオケルームにレコーディングスタジオのような設備を施している店もあるので、そういったところを上手に利用するのが賢い方法です。
マイクを上手に使うには日頃の練習が必要!
マイクを上手に使うためには、日頃から練習して扱いに慣れておくことが重要です。マイクの特徴として、低い位置にしたり近づいたりすると低音が強調されるという点があり、その感覚をつかんでおくことはこれからプロになるうえで大切です。曲によって低音を響かせたいときは意識的にマイクとの距離を調整すると、理想に近い音声を得られる可能性が高まります。
また、ハ行やバ行、パ行の音を出すときに、息がマイクに当たってノイズが入らないように練習することも重要です。こういった音を出すときはやや下を向いてマイクに直接かからないよう工夫します。さらに、台本を使う場合はめくり方や立ち位置を研究し、紙のこすれる音などのノイズを出さないように気をつけましょう。
マイクをうまく使って最高のパフォーマンスをしよう
どんなに美声を持っていたとしても、マイクの正しい使い方を知らなければ相手にそれを伝えることは難しくなります。オーディションでは短い時間で自分の持つ力を最大限発揮することが成否を分けるポイントです。そのため、マイクに対する知識を蓄えて、ライバルに差をつけられるよう普段から努力することが求められます。本番で最高のパフォーマンスができるようオーディションを意識したマイクの扱い方を覚え、自分の魅力を存分に輝かせていきましょう。