トークのうまい人に憧れたことが、誰しも一度や二度はあるのではないでしょうか。
「おもしろい人」は、同性はもちろん異性からも好かれますし、なにより芸能人として活躍するのならトーク力は必須でしょう。
芸能人の話し方を見ていると、起承転結がはっきりしていて、オチがきちんとあります。せっかく内容がおもしろくても、話し方が下手だと魅力は半減。話し方ひとつで周囲をグッと引き込むことができるので、芸能人を目指すなら上手な話し方の基本を覚えましょう。
身につけた知識やテクニックは、芸能界に入るときはもちろん、日常生活でも役に立つことは間違いありません。
上手な話し方の基本1:記憶に残りやすい言葉を使う
「すごい」「おもしろい」「たのしい」などは、誰でも使える基本中の基本の言葉ですよね。
確かに基本の言葉だと、誰もが理解しやすいというメリットはあります。でも万人受けをする言葉は「印象」に残りにくく、「あの人の話をまた聞きたい!」とはなかなか思えないものです。
芸能界には、「爪痕」という言葉があります。芸能界でいう爪痕とは、誰かの心に強く響かせること。共演者やスタッフはもちろん、視聴者の心にも、良い意味でグサッと刺さるような言動ができてこそ一流なのです。
たとえば、南海キャンディーズの山里亮太さんの言葉は「爪痕」だらけ。なぜかというと彼は、普通は使わないような言葉のチョイスが格別に上手だからです。
山里さんの過去の語録を振り返ってみましょう。相方のしずちゃんがおもしろい動きをしているのを見た山里さん。普通だったら「なにやってるんだよ」「やめなさいよ」など無難な言葉を使うところを、彼は「それ、どっかの国の悪魔払いの儀式じゃない?」とつっこみを入れたのです。
「悪魔祓い」というワードは、あまり日常では使われませんよね。このようにインパクトの強い言葉を使うことで、彼は「おもしろい人」「頭の回転が早い人」「物事の切り口が斬新な人」・・・など、皆の心に「爪痕」を残すことに成功しているのです。
また、ネタが長くなりすぎて観客が飽き始めた兆候を察した山里さん。普通だったら「みんな飽きはじめてるじゃないか!」のように言うところを、彼は「そろそろみんな絶句しはじめたぞ。ただ、その目線が俺は一番気持ちがいい。さあかかってこい」と、逆に上から目線でまさかの啖呵を切っています。
彼の言葉のチョイスは、なにも努力をせずにサッと出てくるものではないでしょう。売れている方ほど、本を読んで語彙力を磨いたり、いい言葉が思い付いたときにノートに書き込んだり、日ごろから様々な努力をしているものです。
あなたも、努力を重ねて語彙力を伸ばしていきましょう。山里さんレベルはさすがに難しくても、インパクトのある言葉を使って、たくさんの人の心にどんどん爪痕を残してください。
上手な話し方の基本2:情報は端的に伝える
浮気をした男の人は、必要以上に情報を話すといわれています。
たとえば彼女から「昨日はどこに行っていたの?」と聞かれたとき、なにもやましいことがなければ「昨日?友達と飲みに行ってた」くらいで返事が終わるでしょう。
しかし浮気をしていると、「昨日はいろいろ大変だったんだよ。友達と〇時に△△で待ち合わせる約束をしてたのに、なかなか来なくてさ。□時間くらい待ってようやく合流して、××に行って◎◎を買った後に▼▼に行って・・・」というように、情報をどんどん入れて要領を得ない話し方をするのが特徴。
これはなぜかというと、「伝えたいことがありすぎるためにすべてを伝えようとしてしまう」ためだといわれています。
嘘がバレないために必死にアリバイを考えて、嘘もアリバイもバレないようにするためにすべてを時系列で話そうとするのだとか。
話が下手な人にも、実はこれと同じようなことがいえます。すべて伝えたいために起承転結それぞれのストーリーがとても長く、せっかく渾身のオチに辿り着いても「話が長いな・・・」とすでにうんざりされていたり、そもそも「え?この話の結論はどこ?情報量が多すぎてなんだか頭が整理できない」とオチさえ分からない状態になりがちなのです。
話は、端的に。
トークをするときは、このことを常に意識しましょう。
もし上手な話し方ができるか不安があれば、事前に伝えたいことを紙に書き出してイメージトレーニングをするか、誰かに聞いてもらうのも良いでしょう。
そのとき、一方的にぺらぺらと話をするのではなく、「うんうん、それで?」というような相手の反応を伺う「間」を設けることができればさらに良いです。
トークは、やはり「相手」ありきで成り立つものです。共演者であれ視聴者であれ、適切な間を意識しながら、ゆとりを持ってすすめていってくださいね。
上手な話し方の基本3:先に結論を伝える
長い話って、どうしてもうんざりしますよね。
たとえば、「先週買った洋服があるんだけど、すごくショック! ひと目見て気に入ったけど、値段を見て買おうか迷ったの。だってあまりにも高価だったから・・・。でも、自分へのご褒美に勇気を出して買ったんだ!でも、昨日見たら30%も値下がりしていたの」という話。「ショック」というフレーズを先に持ってくることで、これから話す内容がショックな出来事へとつながる話だということを先に相手にインプットできます。これは、トークの上手な人がよく使う方法です。
しかし、話が苦手な方だとこのようになります。「先週買った洋服があるの。その洋服はひと目見て気に入ったけど、値段を見て買おうか迷ったの。だってあまりにも高価だったから・・・。でも、自分へのご褒美に勇気を出して買ったんだ!でも、昨日見たら30%も値下がりしていてショック!」
この話は「値下がりしていることにショックを受けた」ことを伝えるのが目的。でも前置きが長すぎて、結論に入るまでに「洋服?高価な買い物をしたって自慢話?」などネガティブな印象を持たれてしまう可能性があります。
上手な話し方をするためには、話の冒頭で結論を持ってきましょう。
もし「うまくできるかどうか・・・」と不安に感じるなら、いっそ極端すぎるほど冒頭に持ってくるのもおすすめです。
たとえば「ショックな出来事があったんだけど、聞いてくれる? 先週買った洋服があるんだけど・・・」のように、結論から話し始めるのも効果的。話の全体像を先に伝えることで、多少話が長くなってもオチが分かりやすくなりますよ。
トークの組み立てが苦手な方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
上手な話し方の基本4「例え話を活用する」
「最もおもしろい女性お笑い芸人」を決める大会、「THE W」。
このTHE Wでブレイクしたのが、「3時のヒロイン」です。
女芸人3人で結成された3時のヒロインは、アメリカ映画になぞらえた例え話がとても上手。決めゼリフ「腐ったミートパイに群がるゾンビにしてやるってね!」は日本中の笑いを誘い、フレーズそのものが3時のヒロインの代名詞のようになりました。
このように、例え話は頭のキレの見せどころです。即興で秀逸な例え話を出すことはなかなか難しいので、フレーズや単語を思い付いたらメモ帳などに書き留めるよう習慣づけると良いでしょう。
例え話は、話の内容をわかりやすくするだけではなく、あなたのユーモアを見せられる絶好のチャンスでもあります。日ごろからセンスを磨いて、トーク力を上げていきましょう。
まとめ
上手な話し方には、コツがあります。
あなたの普段の話し方と照らし合わせて、いかがでしたか?
上手な話し方をマスターするため、誰かと会話をするときにはこれらのポイントを意識しながら話してみてください。
芸能界に入るときに、あなたのトーク力は武器のひとつとしてきっと活躍してくれることでしょう。