アフレコとは何?
声優の仕事は、アニメなどの映像で、声を担当する「アフレコ」がメインになります。
では、よく聞く「アフレコ」という言葉ですが、実際にはどのような仕事なのか知っていますか?
アフレコとは、「アフター・レコーディング」の略で、出来上がっている映像に、声を合わせてレコーディングすることを言います。
アニメ以外にも、映画やドラマなどで、映像を撮影後に、声だけを別で録音することも「アフレコ」です。
例えば…
・撮影中に音声がとれていなかった
・撮影中に音声の調子が悪く、音が鮮明でなかった
・撮影終了後にセリフが変更された
このような場合にも、映像を撮った後に、アフレコで声を収録することはあります。
今回は「アフレコ」について詳しく解説していきます。
アフレコとアテレコの違いとは?
「アフレコ」に似た言葉で「アテレコ」という言葉もあります。
この2つの違いとは一体何でしょうか。
アテレコは「映像に声を当てる」「セリフを割り当てる」という意味から名付けられました。
「アフレコ」から派生した言葉です。
アテレコという言葉が使われるのは主に…
・海外作品の日本語吹き替え
・アニメ作品のセリフ
・特撮作品でのスーツアクターのセリフ
などがあります。
しかし、これらは全て「アフレコ」と呼ぶこともあります。
「アフレコ」は主に、自分が演じた映像に、本人が後から声を収録する時に使う言葉で「アテレコ」は、自分ではない人が演じる映像に声を当てるというように分類されます。
しかし、最近はどちらも同じ意味で使われる機会が増えています。
プレスコとは?
「アフレコ」「アテレコ」に似た言葉で「プレスコ」という言葉もあります。
プレスコ
・「プレスコアリング」の略で、先に音声を録音し、映像を後からつける方法
海外では、プレスコで録音するのが主流です。
日本では、アフレコやアテレコが多く使われていますが、映像が間に合わない時など、プレスコで録音することもあります。
では、アフレコとプレスコ、それぞれの特徴も見ていきましょう。
アフレコ・アテレコの特徴
・映像が先に完成しているので、セリフのタイミングや秒数も決められているため、アドリブやアレンジは限られた範囲でしかできません。
プレスコの特徴
・アフレコやアテレコに比べ、映像より先に音声を収録するので、アドリブを入れやすいなど、時間の制限が少なくなります。
声優のアフレコに求められること
映像に合わせて声を入れる「アフレコ」は非常に難しい作業です。
アフレコの難しさ
・タイミングが合わない
・映像とのズレがある
・滑舌が悪い
・声が通らない
・感情が伝わらない
このように、アフレコに挑戦してみると、難しさを感じるポイントがたくさんあります。
それぞれを詳しく紹介します。
【タイミングが合わない】
映像に合わせてセリフを話す時に、話し始めるタイミング、話し終わるタイミングを合わせるのはとても難しいです。
映像の動きをよく見てセリフを話すスピードを変えたり、話すタイミングを掴む感覚も大切です。
【映像とのズレがある】
自分の感情を出し過ぎてしまうと、映像と声にズレが生じることもあります。
セリフを言い出すタイミングと、言い終えるタイミングは合っていても、映像とのズレを感じることもあるので、映像の動きを常に感じて、集中力を切らさず作業を進めなければいけません。
【滑舌が悪い】
アニメだけでなく、海外の映像作品でも、映像の口の動きは、話しているセリフとは違っています。
そのため、滑舌が悪ければ、何を話しているのかが伝わりにくくなります。
普段よりも、大げさに感じるくらいハキハキ話すように意識しなければいけません。
【声が通らない】
発声などの基礎ができていなければ、声が通らず聞き取りにくい、こもった声になります。
すると、声の強弱もなく、ずっと同じ調子で話しているような印象になってしまうので、発声方法や呼吸法で、しっかりと通る声を出せるように基礎を身につけておくことも求められます。
【感情が伝わらない】
セリフのタイミングやズレを意識しながら、セリフに感情を乗せることも求められます。
例えば海外の映像では、表情、動きでも感情豊かな表現をしている場面も多く、その映像に合わせてセリフの言い方を変えたり、嬉しい、悲しいなどの感情も、顔や動きの表現に頼ることなく、声で表現することが求められます。
アフレコの練習方法は?
アフレコは難しい作業ですが、練習を重ねると、コツを掴んで上達することもできます。
今すぐ始められる、自宅でも簡単にできる練習方法を紹介します。
アフレコの練習方法
特別な機材などがなくても、自宅で簡単にできるアフレコの基礎練習から見ていきましょう。
アフレコの基本練習
①練習する映像を選ぶ(アニメ、ドラマなど)
↓
②映像のセリフを書き出す
↓
③ビデオカメラやスマホなど、録画できるものを準備
↓
④録画をして、音を消した映像を見ながらセリフを言う
↓
⑤録画できたら、確認する
ズレや感情表現など、自分の問題点を確認して、改善しながら何度もこの基本練習を繰り返してみましょう。
腹式呼吸の練習
安定して声を出せるようになるためには、腹式呼吸で発声しなければいけません。
聞き取りやすい声を出すこと、声で表現することなど、声優に求められるスキルを発揮するためには、腹式呼吸を使ってベストな声を出せるようにしておきましょう。
腹式呼吸の練習
①お腹に力を入れて、へこませながら息を吐き切ります。
➁一旦息を止めて、お腹の力を抜きます。
③お腹に手を当てて、5秒間かけてゆっくり鼻から息を吸い、お腹が膨らんでいるのを確認します。
④そのまま3~5秒間息を止めます。
⑤10秒間かけて、ゆっくり口から息を吐き続けます。
⑥吐き切ったら、お腹の力を抜き、再び鼻から息を吸います。
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくれば簡単にできるようになります。
スムーズにできるようになるまで、毎日練習してみましょう。
スマホアプリを使う
最近はアフレコの練習ができるアプリも人気です。
アプリ内で好きなキャラクターを選び、そのキャラクターが動く映像を見ながらセリフを入れることができます。
録画して、他のユーザーと見せあうことも可能なアプリもあり、自宅で簡単にできる練習に最適です。
アフレコやアテレコのアプリ以外に、発声や滑舌など、基礎練習ができるアプリも活用してみましょう。
アフレコを学べるスクール・養成所
最後に、アフレコのスキルを学べる、おすすめのスクールや養成所を紹介します。
テアトルアカデミー
鈴木福さん、小林星蘭さんなど、多くの人気子役タレントを輩出したことでも知られるテアトルアカデミーの声優コースでは、基礎レッスンからアニメ作品の制作まで、オンラインでプロの講師から学ぶことができ学ぶことができます。
SHEER
全国に95箇所展開しており、個人のレベルや、やりたいことに合わせてレッスンを受けられるのも魅力です。
アバロン声優スクール
芝居経験がなくても、安心して受けられるレッスンも充実したアバロン声優スクールでは、基礎からのレッスンはもちろん、養成所に通いながらのスキルアップを目指すコース、プロが通うコースなど、個人のレベルに合わせた内容で学ぶことができます。
アフレコの練習をしておけば、声優としても活躍できる幅が広がりそうですね。