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ダンサーもプロダクションに入るべきなのかを考察

2019.09.23 / 未分類

プロのダンサー、2つの選択肢

現在の日本のダンス人口は、ヒップホップダンス、ジャズダンス、タップダンス、クラシックバレエ、社交ダンスなど、すべてのジャンルを含めると、老若男女を問わず約800万人に届くとも言われ、その中には、ダンスを仕事として生活しているプロのダンサーも存在しています。ブレイクダンスが2024年のパリオリンピックでの正式競技となり、日本でもこれからますます若者の憧れとして、ダンサーという職業が定着していくことでしょう。

プロのダンサーには、独立した個人で活動するフリーランスのダンサーと特定のプロダクションに所属して活動するダンサーの大きく分けて2つの選択肢があります。

しかしながら、プロのダンサーの大半はフリーランスが多く、プロダクションに所属しているダンサーはまだまだ少ないようです。これは、ダンス業界ではアマチュアとプロの境界線がそれほどハッキリしていないということもあり、アマチュアからの流れで、そのままフリーランスで活動する方が手っ取り早いと考えられているからでしょう。とはいえ、フリーランスでの活動には手軽な反面、多くのデメリットも見られます。

フリーランスは不利?

フリーランスのダンサーは、毎月決まった給与が入ってくる月給制のプロダクションに所属したダンサーとは違い、1つの仕事ごとに通称「ギャラ」と呼ばれるギャランティが入ってくるという歩合制です。その仕事には、イベントやライブコンサート、ミュージカルへの舞台出演、テレビやネット動画、アーティストのミュージックビデオへの出演などもありますが、基本的にどれも単発の仕事となってしまうので、それだけで安定した収入を確保するのは厳しく、なかなか先の見えにくい状況です。多くのダンサーの場合、コリオグラファー(振付師)やインストラクター(ダンス講師)などの仕事と並行することで収入を維持しています。

また、新たな仕事を得るための営業活動や、場合によってはギャラの交渉まで自分自身でやらなくてはいけないので、ダンス以外の多大な労力が必要となってしまい、想像以上に大変かもしれません。もしフリーランスのダンサーになりたいのなら、知名度や実績のないうちは、少しでも安定した収入を見込めるプロダクションなどに所属し、知名度も実績も上がって、大きな仕事のオファーが来るぐらいのダンサーになってから、独立してフリーランスとなる方が賢明だということでしょう。

ところで、よく耳にするプロダクションとは一体どのような役目をするのでしょう?一般的には芸能プロダクションやタレント事務所を指しますが、もちろんダンサー専門のプロダクションもあります。広く言えば、劇団、バレエ団、ダンスカンパニー、テーマパークにもプロダクション機構があり、所属するとそこの専属ダンサーとなります。そして、プロダクションに所属することで、フリーランスでは得られない多くのメリットが生まれてきます。

プロダクションは仕事の窓口

ダンサーがプロダクションに所属すると、プロダクションから仕事を紹介してもらうことができます。その内容は、イベントやステージへの舞台出演、テレビやインターネットへのメディア出演、ミュージカルや舞踊劇への作品出演、テーマパークへの出演など多種多彩なのですが、どんな仕事をメインとしているかは、所属するプロダクションの特色によって変わってきます。メディア出演を得意とする芸能事務所もあれば、イベント出演を得意とするダンサー専門プロダクションもあります。ミュージカル劇団やバレエ団、ダンスカンパニーやテーマパークも各々に特色がありますので、自分がどの舞台で活躍したいかをよく考えて、所属先を決定しましょう。

プロダクションはマネージャー

プロダクションには、フリーランスにはないマネージメント機能があります。フリーランスの場合、スケジュール管理はもちろん、出演交渉に始まり、プロフィール作成や衣装選び、移動先への交通や宿の手配、最後にはギャラの請求まで、何もかもすべて自分自身でやらなければいけません。ところがプロダクションに所属すると、この一切を基本的にサポートしてくれます。

フリーランスでは、本業のダンス以外の雑務に時間を取られ、肝心のパフォーマンスが下がってしまったり、スケジュール管理がおろそかになって、ダブルブッキングなどしてしまい、信用を失くして最悪の場合ダンサー生命を絶たれる危険もあります。そんな時、プロダクションのマネージメント機能があれば、思う存分ダンスに専念することができ、「ダンスを魅せる」というダンサー本来の姿に戻れるのです。

プロダクションで法的トラブル回避

ダンサーと法的トラブルなんて、あまりピンとこないかもしれませんが、意外とトラブルに巻き込まれるケースも少なくありません。例えば、イベント主催者からなかなかギャラが支払われないとか、現場へ行ってみると契約内容とはどうも違う仕事だったとか。ダンサーには社会経験も少なく、それほど法律知識を持たない若者も多いので、なんとなく泣き寝入りしたなんていう話もよく聞きます。

しかし、プロダクションに所属すると、そのようなトラブルにも組織として対応してもらえるので、ダンサーは余計な心配をせずにダンスに打ち込むことができるでしょう。

プロダクションでの収入って?

芸能プロダクションやタレント事務所など、毎月一定の固定給を支払うプロダクションもあれば、最低限の基本給プラス出演料を支払うプロダクションもあり、その設定はプロダクションごとに異なっています。
一部ですが、完全給料制のミュージカル劇団や最低賃金を保証する劇団もありますし、テーマパークも毎日の仕事が確保されているという点では、安定した収入に繋がるでしょう。

ダンスカンパニーやバレエ団では、以前は所属すると一定の給与が支給される団体もありましたが、現在はほとんどがアーティスト契約という形をとっていて、公演数に応じて収入も決まります。こちらもテーマパーク同様、公演が確保されている限りは安定した収入に繋がると言えます。

ちなみにダンサー専門のプロダクションですが、こちらはエージェントのような登録制が多く、登録すれば優先的に仕事を紹介してもらうことができます。あまりプロダクションのようなマネージメント機能は持たず、言わばダンス業界の人材派遣業のような立場です。
いずれにせよ、単発の仕事が主なフリーランスのダンサーよりは、何らかのプロダクションに所属したダンサーの方が収入の安定する可能性は明らかに高くなると言えるでしょう。

プロダクションに所属するには

すべてのプロダクションに共通していることは、所属には必ずオーディションを受けなければならないということです。基本的にまず第一審査の書類選考があり、それを通過すると面接やダンスの実技審査が実施されます。オーディションの情報は、オーディション雑誌やインターネットでも募集しているので、すぐに手に入ります。
また、ダンスコンテストで入賞したり、インターネットの動画サイトで注目を集めたりすると、プロダクション側からスカウトという形で声が掛かることもあります。あるいは、プロダクションが運営する養成所やダンススクールにレッスン生として入ることで、そのまま所属に進展することもあります。

以上のように、プロダクションに所属できれば、安定的に仕事を得られる可能性が広がるだけでなく、マネージメントを含めた色々なサポートが受けられます。ただし、どんなプロダクションに所属するのかは、自身の今後のダンサー人生を決定づけるものともなり、極めて重要な選択と言えます。各々のプロダクションの特色をよく見定めて、自分のスタイルとビジョンに合ったプロダクションを選びましょう!