ギフテッドとは？

最近よく耳にする「ギフテッド」という言葉。

ギフテッドは先天的に持って生まれた才能であり、教育で身につく知性や能力とは違います。
最近では、文科省が「特異な才能のある子供への支援に乗り出す」と発表したことで、ギフテッドに注目が集まりました。

海外ではすでに、芸術的な分野も含めた知能に、並外れた才能を持つギフテッドの子供への特別な教育を行っている国もあります。

近年日本でもよく話題になる「ギフテッド」について、特徴や見分け方、育て方など、気になる情報を解説していきます。

ギフテッドの特徴

最近の子供は、早期教育で様々な才能を身に付けることも多いため「うちの子供はギフテッドかもしれない」と思うパパやママも多いかもしれませんね。

ギフテッドではなくても、才能豊かなことが素晴らしいことには違いありませんが、その違いが分かるように、ギフテッドの子供の特徴も知っておきましょう。

ギフテッドであれば、全てが当てはまるわけではありませんが、このような特徴を持っているケースが多いです。
このように、理論的であったり、知的な部分で優れている場合は、ギフテッドの可能性が考えられますが、一度聞いた音楽をすぐにピアノで弾くことができる、独創的で才能豊かな絵を描くなど、感受性が豊かで、芸術的才能を持っている子供は「タレンテッド」と分類されることもあります。

ギフテッドが持つ才能

ギフテッドが持つ優れた才能には、いくつかのジャンルがあります。

ギフテッドの才能は、この全てを持っているわけではなく、1つまたは複数の才能が優れています。
例えば、学問が優れているギフテッドと言っても、全ての教科が出来る人もいれば、数学だけ優れているなど、特定の学問に才能を発揮するのもギフテッドです。

また、特定の才能があるからこそ、ギフテッドの子供は、コミュニケーション能力に欠けると思われるかもしれませんが、リーダーシップをとるなど、集団の中心になるような対人的な分野で特別な才能を持つ子供もいます。

ギフテッドの判定基準

文部省がギフテッドの子供を支援すると決まったこともあり「判定基準はどうなっているんだろう？」と疑問を持つ人も多くなったのではないでしょうか。

ギフテッドを判定する基準や方法は、世界共通ではありません。
各国や地域によって検査方法は違い、保護者や学校の担任への問診も判定基準に含まれる場合もあります。

ギフテッドの特徴を見て、発達障害の特徴と共通することも多いと感じた人もいるかもしれませんが、実際にアスペルガー症候群などの発達障害と共通する特性が多く、誤診に繋がるケースも少なくありません。

特定の物ごとに興味を持って集中力を発揮するなど、似た特徴があるため、ギフテッドに専門的な知識がなければ、誤診によって必要のない薬を飲むことになる場合もあります。
そのため、保護者がギフテッドの特徴や才能を、よく理解しておくと役に立つことも多いでしょう。

ギフテッドと判定する方法の一つとして、IQの検査があります。
IQは知能指数で、学校などで検査を受けた経験がある人も多いのではないでしょうか。
ギフテッドを判定するためにもIQの検査を目安とすることもあり、IQが130以上であればギフテッドとされています。

しかし、先ほど紹介したように、感受性豊かで芸術的な才能が優れたタレンテッドの特性を判断するには、IQの検査では難しいと言えるでしょう。

ギフテッドの有名人

特別な才能を持つ人は、その分野で有名になることは想像できますよね。
物理理論学者のアインシュタインや、マイクロソフトを創立したビルゲイツもギフテッドだと言われています。

芸能人はもちろん、芸術的分野などで、実際にギフテッドだと言われている有名人を紹介していきます。

北野武

お笑い芸人の他、映画監督や芸術家としても才能を発揮している北野武さんはIQが132と、高い知能を持つギフテッドだと言われています。
先天的な才能に加え、教育熱心だった母の支えもあり、人並外れた才能を発揮しています。

クエンティン・タランティーノ

「キルビル」など、日本でも大ヒットした作品の映画監督を務めるタランティーノ監督は、IQが160と、驚きの知能指数の高さの持ち主です。
映画作品では脚本や制作も担当する他、頭の回転の速さも特別な才能と言えますね。

宇多田ヒカル

唯一無二の音楽的才能で、アーティストとして高い評価を得ている宇多田ヒカルさん。
子供の頃から自分で作詞作曲をするなど、音楽的な才能が優れていることは明確ですが、17歳の時にコロンビア大学に飛び級で入学するほどの知能の持ち主でもあります。

宇治原史規（ロザン）

京大出身のお笑い芸人として知られるロザンの宇治原史規さんは、クイズ番組でも大活躍する頭の良さで有名ですね。
宇治原史規さんは、人口の上位2％のIQを有する人が交流する団体「MENSA」メンバーでもあります。
そのIQは158以上だとも言われています。

ギフテッドの育て方

子供がギフテッドであれば、その才能を発揮できるように、親はサポートしていきたいですよね。
そこで、最後に、ギフテッドの子供を育てる時の注意点も紹介しておきます。

才能を伸ばす

ギフテッドの子供は、特別な才能を持ちながらも、何もかもが上手くできるわけではありません。
例えば、学問でも数学では高い能力を発揮するものの、他の教科は苦手なケースは少なくありません。
学校や親はどうしても苦手な事を克服させようとしてしまいますが、全てにおいて平均的な能力をつけようとし過ぎれば、本来の特別な才能を押さえつけてしまうことにもなりかねません。

また、ギフテッドの子供は、他の人とは違う才能があることをネガティブにとらえてしまい、隠そうとする場合もあります。
才能がコンプレックスになってしまわないように、才能を伸ばすように意識しなければいけません。

自己肯定感を高める声かけ

才能があるがゆえに「私は他の人とは違っている」「変わっていると思われたらどうしよう」と自信を失い、自己肯定感が低くなる子供も多いです。

本人が才能を持って生まれてきた自分のことを受け入れて、肯定できるように親が「あなたの才能は素晴らしい」と声をかけてあげることは、とても大切です。

コミュニケーションを取る

ギフテッドの子供は、学校でのコミュニケーションが苦手であったり、能力が高いため授業がつまらなく感じてしまい、学校に行けなくなってしまうケースも報告されています。

そういった悩みを一人で抱え込んでしまわないように、家族で会話をするように意識して、積極的にコミュニケーションを取りましょう。

苦手分野のサポート

ギフテッドの子供は、苦手分野で苦労することも少なくありません。
もちろん、特別な才能を押さえつけてまで、苦手分野を伸ばす必要はありませんが、社会に出た時に困らないように、可能な限りのサポートは必要です。

例えば、コミュニケーションなど、子供の特性をよく理解している親が、対応する方法などを伝えてサポートしておきましょう。

共感する

ギフテッドの子供を育てる上でのポイントを解説してきましたが、全ての基本となるのが「共感すること」です。
ギフテッドの子供にとって、才能を理解してもらえずに孤独を感じてしまうのはとても辛いことです。

「あなたの才能は素晴らしい」という部分に共感することも大事ですが「理解してもらえなくて辛かったね」というように、本人が抱える悩みにも共感するようにすれば「分かってくれる人がいる」と気持ちが軽くなります。

子供がギフテッドであれば、才能を潰してしまわないようにと意識する親が多いですが、過度に期待しては、子供もプレッシャーを感じてしまいます。

学校や家庭以外に、習い事などの集団活動で、本人がのびのびと才能を発揮できるような場所を見つけてあげるのもおすすめです。

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