演技をする女性

俳優・声優の役作りの方法とは?役作りの基本を解説

2020.11.24 / エンタメ, 俳優, 声優

俳優・声優の役作りとは?

役作りとは、俳優や声優などが、演じる役になりきるために、内面や外見を工夫することを言います。
役作りの方法は様々で、役者本人も試行錯誤しながら作り上げるため、新人の時には苦労することも多いでしょう。
しかし、演じるためには役作りはとても重要で、どんなに演技力のある人であっても、役作りができている状態でセリフを言うのと、出来ていない状態で言うのでは全く違います。

俳優・女優の場合は、役の性格や家庭環境など、内面的な役作りに加えて、役に合わせた体型、髪型、雰囲気など見た目の役作りもすることになります。
声優の場合、役を声で表現するため、表情を含めた見た目ではない、声や表現で役作りをすることになります。
昔からハリウッド俳優の肉体改造など、過激な役作りが話題になりますが、最近では日本の俳優も、役作りに情熱を注ぐストイックさが度々話題となります。

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役作りの方法【内面の役作り】

内面の役作りは、与えられた役の人物になりきるための、情報収集から始めます。
例えば、25歳のOL役という情報だけでは、その人物の性格、家族構成、体型、好きなファッションなど、何も分かりません。
同じ25歳のOLであっても、ポジティブな性格なのか、ネガティブな性格なのかの違いで「おはよう」の一言の言い方も変わりますよね。
つまり、演じる人物の情報を細かく知っていなければ、上手い演技はできません。

脚本などを読んで得られる情報だけでなく、想像力でその役を読み解いていくことも、役作りに必要な要素となります。
例えば、台本に書かれているセリフを見て、どうしてそんなセリフを話すのか、役の気持ちになり切り、その人物が「どんな子供だったのか」「こんな食べ物が好きだろうな」と想像しながら、よりリアルに人物像を作り上げていきます。

よく「カメレオン俳優」と呼ばれる演技力が評価されている役者は、この役作りが上手くできている人がほとんどです。
役を演じる時には、本来の自分を一切出さずに、たくさんの情報や想像力から生み出した、リアルな役を演じ切ることができます。
これが出来ていなければ、ふとした瞬間に自分がきれいに見える表情をしてしまったり、役に入りきれない様子が出てしまい、浅い演技だと評価されてしまいます。

声優の場合も、同じようにキャラクターの設定や、プロフィールを深く理解することが重要です。
しかし、俳優に比べて急な仕事が入ることも多い声優の仕事では、時間をかけて役作りができないこともあるので、原作をしっかり読み込んで、自分の出番以外のストーリーも理解して、リアルな演技ができるように役作りをします。

役作りの方法【外見の役作り】

役作りでよく話題になるのは、役に合わせたダイエットなどの、体型の役作りですよね。
「役のために10㎏太った」「体脂肪率を10%以下にした」などの役作りは、メディアで紹介される機会も多いです。
外見の役作りは、役者の役作りに欠かせないものですが、一言に「外見の役作り」と言っても、例えば40歳の主婦を演じる場合「自分磨きを怠らない美魔女」と「昼寝が大好きなぐうたら主婦」では、イメージする体型、メイク、髪型、ファッションは全く違います。
つまり、外見の役作りでも重要なのは情報収集と想像力です。
また、役者の場合は演じる役の年齢によっても、年相応に見えるように、表情やしぐさ、話し方を変える役作りをしなければいけません。

声優の場合、外見の役作りは必要ないかと思われますが、実際にキャラクターに近づけるための、外見の役作りを行っている人も少なくありません。
実は、声帯は身長や体重などの体型によって、長さや太さが違うと言われています。
そのため、実際のキャラクターの体型に近づけることで、声の役作りを行う声優はたくさんいます。
ふくよかなキャラクターの声を出すために体重を増やすなど、声の仕事とはいえ、キャラクターの外見に合わせた役作りも必要だということですね。
また、声優の場合、実年齢とはかけ離れた年齢のキャラクターを演じる機会も多いので、声で年齢を変える役作りのために、子供の特徴を研究して役作りを行うこともあります。

役作りでの注意点とは?

役者の役作りについて、そのストイックな姿勢が度々称賛されることもあり、真似をして無理なダイエットや肉体改造をしてしまう人もいます。
しかし、役作りにはみんなに共通する正解はなく、自分自身の解釈と方法で行わなければいけないことがたくさんあります。
憧れの俳優のマネをして役作りをするだけでは、役をリアルに演じることはできません。

人の役作りを参考にするのはいいことですが、ストイックに取り組めば、良い役作りが出来るということではありません。
役作りとは、見ている人が、演技にリアリティを感じられることが重要だということは、忘れないようにしましょう。

人気俳優の役作りエピソード

俳優・女優の役作りには、演技にかける情熱に驚かされるエピソードがたくさんあります。
その中でもインパクトの強いエピソードをいくつか紹介します。

北村一輝

人気俳優の北村一輝さんは、演技に関してストイックなことでも有名です。
その中でも有名なエピソードが、映画でチンピラ役を演じるために歯を9本抜いたことです。
他にも2本の歯を削ってしまったそうですが、衝撃のエピソードですよね。

内野聖陽

ドラマ「JIN-仁-」で、坂本龍馬を演じた内野聖陽さんは、撮影前に数ヶ月間、高知県に住み、現地の人と毎晩お酒を飲み、話し方や高知の人の気質を研究したそうです。

安藤サクラ

映画「百年の恋」でどん底人生を送っていた女性が、中年ボクサーとの出会いで、ボクシングを通じて変わっていく様子を演じました。
自堕落な生活を送るだらしないイメージを連想させる体型から、撮影期間の10日間の間に、ボクサーの引き締まった体に仕上げたことが話題になりました。

人気声優の役作りエピソード

俳優とはまた違った苦労がある声優の役作りですが、人気声優たちの役作りエピソードも紹介していきます。

うえだゆうじ

アニメ「ポケットモンスター」のタケシ役などの声優として活躍中のうえだゆうじさんは、声の役作りを、キャラクターの体型や骨格からイメージして行います。
アニメ「るろうに剣心」の相楽左之助を演じた時には、気持ちが荒んだ様子を表現するために、寝ずに収録に行くなど、喉を荒らして役作りをしていたそうです。

花江夏樹

アニメ「鬼滅の刃」で主人公の竈門炭治郎役を演じた花江夏樹さんは、多彩な役を演じ分けることができる声優です。
花江夏樹さんの役作りは、主役よりも、黒幕や適役など、台本に情報が少ない役を演じる時に、観ている人に余計な情報を伝えてしまわないように、気を付けながら役作りをするそうです。

古谷徹

アニメ「機動戦士ガンダム」のアムロ・レイ役でお馴染みの古谷徹さんは、アムロ・レイを演じる時には髪にパーマを当て、未来っぽいジャンパーを着るなど、アムロ・レイになりきって生活をしていたそうです。
また、アムロ・レイの成長に合わせて「アムロ行きます」の、セリフの言い方も変えていました。
もう一つの代表作であるアニメ「巨人の星」で星飛雄馬を演じた時には、毎日弟とキャッチボールをしながら、息声を研究していたそうです。

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