芸能界を目指す方が直面しがちなのが、滑舌の問題ではないでしょうか。
タレントでもアーティストでも、テレビの向こうの相手にしっかり言葉が伝わらなければ、あなたの魅力が十分に伝わりません。
でも、諦めることはありません。滑舌の悪さはある程度直せます。今すぐにできる様々な方法をご案内しますので、ぜひ今日から実践してみてください。
はきはきとした滑舌の良い声で、共演者や視聴者たちにあなたの魅力を届けましょう。
滑舌の悪さは何が原因?
たとえば、テレビで活躍している芸能人。
矢継ぎ早のトークでも、噛まずに正確な発音で私たちを笑わせてくれますよね。
滑舌が良い人と滑舌が悪い人、その境目はなぜ生じるのでしょうか。
滑舌の悪さは、いくつかの原因が考えられます。
以下に具体的な原因を挙げていくので、思い当たることがないか振り返ってみましょう。
舌に余計な力が入っている
私たちは言葉を発する際、舌をコントロールしながら発音しています。しかしうまく舌の力がコントロールできないと、上手な発音ができなくなります。
舌の筋肉がもともと弱いか、あるいは年齢などの理由で衰えているか・・・ 文字の一つひとつをはっきり発音できる筋肉が舌についていないと、どうしても滑舌が悪く聞こえてしまうのです。
しかし逆に言えば、舌に筋肉をつける練習をすることで改善することが期待できるということ。詳しい練習法は後ほど詳しく説明しますが、滑舌は何歳からでも直せるのでご安心ください。
姿勢が悪い
あなたは、誰かに姿勢の悪さを指摘されたことはありますか?
たとえば、首が曲がったまま話そうとすると口が開けにくくなり、結果として滑舌の悪さを招きます。
また顎を前に出してしゃべっても、首に負担がかかり舌に不自然な力が入ります。
姿勢によっても滑舌に影響してくるので、いつでも背筋をピンと伸ばした正しい姿勢でしましょう。
口の開き方が少ない
文字を正確に発音するためには、口の開き方も重要です。
たとえば1音1音、口を大きく開けて話すことを意識すると、自然に聴き取りやすい言葉になります。
しかし口を1cmくらいしか開けずにしゃべると、結果的にぼそぼそと聴きにくい言葉になるでしょう。
アナウンサーの口の開きを参考に、ご自身の普段の話し方と比べてみてくださいね。
滑舌を良くするためのトレーニング5選
では、実際に滑舌を良くするためのトレーニングを紹介します。
練習の成果は普段の会話で確かめられるので、結果が実感しやすいでしょう。「改善してきたかも」と感じれば、それがまたやる気へとつながりますね。
舌の筋肉をつける
滑舌の大半は、舌に原因があります。そのため舌に筋肉をつければ、滑舌がかなり改善されるでしょう。
舌のトレーニングはいくつかありますが、その中でも特におすすめなのが、舌を伸ばして運動する方法。
まず舌を口から思いきり出し、時計回りと反時計回りに、それぞれ10回転させます。
次に、舌を下顎につけるように思いきり伸ばし、そのまま10秒キープ。
その後、舌を上顎につけるくらいに思いきり伸ばし、そのまま10秒キープ。
同じように左右それぞれに10秒ほど行い、最後に真っすぐ10秒伸ばして完了です。
正しい姿勢を身につける
いくら舌のトレーニングを完璧に行っても、姿勢が悪ければ台無し。
正しい発声は、正しい姿勢ありきで成り立ちます。イスの背もたれや壁を使いながら、「真っすぐの状態」を知ることから始めましょう。
しかし、一時的に姿勢をキープできても、いつのまにか元の姿勢に戻っていることは珍しくないはず。1日を通して、姿勢を常に意識していてくださいね。
表情筋を柔らかくする
言葉は自然と出るものなので、会話の途中にご自身の発音を意識することはなかなか無いのではないでしょうか。
滑舌も一種の癖のようなもので、口の開きに関係していることも少なくありません。
会話のときにあまり口を動かさずに話していると、いつのまにか「口を開かない話し方」が染みついていることでしょう。
口を動かさないと表情筋が硬くなり、表情筋が硬くなるとさらに口の開きが悪くなる・・・という悪循環。
表情筋は、トレーニングで柔らかくできます。
まずは、口角を左に2回、右に2回ずつ大きく広げましょう。
次に、口を思いきりすぼめて、そのまま10秒キープ。
その後、口を思いきり大きく広げてください。
繰り返すほどに表情筋がほぐれ、以前よりも口が開きやすくなるでしょう。
母音法を練習する
ミュージカルで有名な劇団四季。
劇団四季がよく行っている練習が、母音法といわれる発声方法です。
ア、イ、ウ、エ、オの母音だけを使うのが特徴で、たとえば「ア、エ、イ、ウ、エ、オ、ア、オ」のように口を大きく開けながら一つひとつの母音をはっきりと発音します。
これを繰り返すことで、上手に腹式呼吸ができるようになり、舌のコントロールも上達するでしょう。
早口言葉を練習する
幼いころに早口言葉を練習した経験が、誰しも一度はあるのではないでしょうか。
早口言葉は、遊び感覚で取り入れられる滑舌改善トレーニングの一つです。
たとえば、「東京特許許可局(とうきょうとっきょきょかきょく)」などが代表的な早口言葉でしょう。
それ以外にも、「生麦生米生卵(なまむぎなまごめなまたまご)」
「老若男女骨粗鬆症(ろうにゃくなんにょこつそしょうしょう)」
「バスガス爆発(ばすがすばくはつ)」
「隣の客はよく柿食う客だ(となりのきゃくはよくかきくうきゃくだ)」
「蛙(かえる)ぴょこぴょこ三(み)ぴょこぴょこ合わせてぴょこぴょこ六(む)ぴょこぴょこ」
「赤巻紙青巻紙黄巻紙(あかまきがみあおまきがみきまきがみ)」
「坊主が屏風に上手に坊主の絵を書いた(ぼうずがびょうぶにじょうずにぼうずのえをかいた)」
・・・などが挙げられます。
ご家族で、友人同士で・・・「どちらが噛まずに完璧に言えるか」なんて競争すれば、楽しみながら続けられますね。
どうしても滑舌が改善できないときは
滑舌改善のためのトレーニングを紹介しましたが、人によってはあまり変化が実感できないこともあるでしょう。
そんなときは、「こんな自分じゃ芸能界でやっていけるわけない」と塞ぎ込まずに、いっそ「滑舌が悪い芸能人」としての位置づけを目指してみませんか?
たとえば、芸人の諸見里大介さん。『アメトーク』では「滑舌悪い芸人」として出演し、「赤坂サカス」を「あかしゃかしゃかしゅ」と素で発音してスタジオの爆笑をさらいました。
また、お笑いコンビ三四郎の小宮浩信さん。『水曜日のダウンタウン』では滑舌の悪さをいじられることが多く、それが彼の「いじられキャラ」としてのポジションにつながりました。いじられキャラが定着することで、様々なドッキリ企画にかけられることも多くなり、独自のポジションを築いています。
このように、「滑舌が悪いと絶対に芸能界では活躍できない」とは限りません。どうしても滑舌が改善できなければ、いっそ滑舌の悪さを武器にして活動するのも一つの方法ではないでしょうか。
まとめ
芸能界で活躍するためには、聴き取りやすい発声が一番です。
せっかくおもしろいトークをしていても、「え?何?」と相手にきちんと伝わっていなければ台無しですよね・・・。
様々な滑舌改善のためのトレーニングを紹介しましたが、「何を実践してもあまり変化がない」という方もいるでしょう。
そんなときは、いっそ「滑舌が悪い芸能人」としてのポジションを目指してはいかがでしょうか。
滑舌が悪くても、それを武器に芸能界で活躍している方はたくさんいます。コンプレックスに感じずに、むしろ笑いが取れる長所だとポジティブに考えてくださいね。