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ミュージシャンに求められる能力と大事なこと

2018.12.05 / 歌手

ミュージシャンに求められる能力

一流として活躍するミュージシャンには、生まれつき大きな才能があり、運も良いというイメージがあります。しかし、ミュージシャンにとって本当に大事なことは、もっと基礎的で地道な要素なのです。まず、常に努力を怠らず、スキルアップをしていく姿勢が求められます。自分の音楽のスタイルを確立し、多くのファンの支持を集めたとしても、世の中は常に変わっていくものです。世界の変化に合わせて自分も向上していかなければ、トップクラスで活躍し続けることはできません。また、ミュージシャンとして生活できるまでの下積みに耐える面でも、毎日の練習で音楽技術を向上させる面でも、あきらめない根気の強さが求められます。

さらに、音楽が好きであることも重要です。サラリーマンとは違い、ミュージシャンは仕事とプライベートの境があいまいです。仕事の時間が終われば音楽のことを忘れてしまうようでは、ミュージシャンとして大成するのは難しいでしょう。24時間音楽漬けの生活を送れるくらい音楽が好きであることが、もっとも必要な能力です。また、ミュージシャンは浮き沈みの激しい職業であるといえるため、何事も楽しむ姿勢があることも大事です。アイディアが出ないとき、曲が売れなかったとき、集客できなかったときなどの過酷な状況でこそ、それを楽しめるような前向きさがあれば、曲作りのクオリティも高まります。

そして、しっかりとした演奏技術や歌唱技術があるのも大事なことです。もちろん、トップクラスの技術がなければ曲を作れないわけではありません。しかし、自分の音楽で表現したいことが技術不足でかなわないのは、非常に残念なことです。素晴らしい曲を作るだけでなく、きちんと表現できるよう、常に技術のスキルアップを目指していきましょう。

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実は重要ではないことって?

音楽業界は常に変化していくため、以前は成功するために重要だと思われていたことも変化しています。必ずしも必要ではないものを見極めれば、効率よく成功していけるでしょう。そのひとつが、最新テクノロジーを備えた高額のスタジオです。音楽はテクノロジーが作るものではなく、ミュージシャンが作るものです。まず、ミュージシャン自身が自分の音楽を確立しなければ、それをテクノロジーで広げていくことはできません。

テクノロジーを操るにはエンジニアの助けがいりますが、自分の音楽をしっかり確立する前にエンジニアの介入があると、その音楽は純粋にミュージシャンのものではなくなってしまいます。まず自分の音楽スタイルで成功し、次のステップとしてテクノロジーを使うのが順当と考えられます。また、マネージャーの存在も成功するために大事なこととは限りません。そもそも、マネージャーは売れていない人を売れさせるためのものではなく、成功した人をマネジメントするために存在しています。マネージャーを雇うのはコストもかかるため、ミュージシャンとして成功してから必要かどうか考慮すると良いでしょう。ミュージシャンがマネジメントも十分兼ねられるなら、あえてコストをかける必要はありません。

広報担当も、必ずしも重要とはいえないものです。成功前のミュージシャンにとって、もっとも大事な存在は身近なファンです。身近なファンよりもメディアへのアプローチが重要になると、今いるファンとの距離感は広がってしまいます。ミュージシャンを個人的に大事に思ってくれる存在が離れ、メディアで知名度だけが上がったとしても、成功にはつながりません。まずは、ミュージシャン自身が身近なファンへアプローチするのが、もっとも効果的な広報といえるのです。

成功前の時点では、レコードレーベルも必ずしも重要ではありません。マネージャーと同じく、レコードレーベルもある程度成功したミュージシャンの収益を広げるためにあるものです。また、レコードレーベルと契約したからといって成功できるとは限りません。契約するとしてもそうでないとしても、常に新しいものを作る努力が必要なことは変わらないのです。まずは、自分の確立した音楽である程度成功し、収益の実績を積んでからレーベルについて考慮するのが順序といえるでしょう。

成功するために大事なこと

成功するために大事なことは、広報やレコードレーベルではなく、自分の内面にあるものです。他のミュージシャンの音楽から学びや刺激を受ける好奇心も重要ですし、そこから、真似ではない自分独自の音楽を作りだすセンスも重要になってきます。すでに成功した他のミュージシャンのスタイルを真似すれば安心感を得られるかもしれませんが、二番煎じがオリジナルと同じように成功することはないものです。成功するかどうかわからなくても、誰もやったことがない道を見つけてとことん突き進めば、そのスタイルでの最初の成功者になれるでしょう。また、独自の音楽がすぐには理解されなくても、自分の信じたことを貫く強さも必要になってくるといえます。

一流として活躍するミュージシャンは、音楽スタイルや作品に関して自分独自のこだわりを持っています。論理的には非効率でも、一般的には不必要に見えても、そのこだわりが素晴らしさの原点となることがあるのです。たとえ自分のこだわりが理解されなかったとしても、妥協せずそれを貫き通すことが、独自のスタイルで成功するために大事なことといえるでしょう。オリジナリティやこだわりを持って自分の音楽を作り続けるのは、大きなエネルギーのいることです。しかし、音楽は作品として世に出さなければ、作っていないのと同じことになってしまいます。とにかく継続して音楽を作品とすることが、スキルや広報効果の向上にもなり、成功への道につながっていくのです。

成功するためのテクニック

ミュージシャンとして成功する可能性を高めるため、いくつかのテクニックも上手に使っていきましょう。自分のオフィシャルサイトを作ることや、曲をダウンロードで購入できるようにするのは有効な方法です。オフィシャルサイトがあれば、ユーザーはミュージシャンについて正しい知識を得ることができます。また、ダウンロード販売があれば、ユーザーが興味を持ったタイミングで即座にアプローチでき、スムーズな購買につながるでしょう。

ライブを多く開催するのもファンを増やすには非常に有効といえます。音楽データよりも臨場感があり、ミュージシャンの魅力やスタイルの独自性を直接アピールすることができるからです。ミュージシャンの地元や出身地などでライブを開催すれば、その共通項で新しいゲストの興味をひくことができ、ファン獲得につながります。音楽に関する知識を活かして、音楽ブログを作ってみるのも良いでしょう。ブログにファンがつけば、その読者がミュージシャンのファンになる可能性も高く、ライブの集客や作品の購買率を高めることができます。

自分の曲をCMや映画のイメージソングとするなど、ライセンスや出版契約を目指すのも効果的なテクニックです。曲の印税が入ればストックビジネスとなり、時間やエネルギーを使わず収入を得ることができるようになります。それだけでなく、CMや映画で使われた曲が興味を集めることで、ミュージシャンの知名度は飛躍的に向上するのです。また、セッションミュージシャンを目指してみるのも、成功のひとつの方法といえます。水準以上の技術があり、曲の変調などに対応できる応用力もあれば、人気を集めることは十分可能です。時間をしっかり守るなどプロとしての振る舞いができ、スケジュールがおさえやすいなどの対応力があれば、さらに成功していけるでしょう。

オーディションに合格するために大事なこと

ミュージシャンとしてオーディションを受ける際は、いくつかのポイントをおさえることで合格しやすくなります。ボーカルオーディションであれば、音域などが自分の声に合った曲を選ぶのが大事なことです。どの曲が自分に合うのかわからない場合は、スタジオなどで自分の歌を何曲か録音し、聞き比べてみます。聞き比べるうちに、自分でも合っていると思える音域の曲が見つかるでしょう。

また、歌唱方法によっての歌い分けがきちんとできているかどうかもチェックポイントになります。地声、ファルセット、ビブラート、ウイスパーボイスやヘッドボイスをきちんと歌い分けられるよう、コツをつかむまで練習しましょう。オーディションでは緊張するため、どうしても練習時より歌のクオリティが下がってしまいます。それを踏まえて、しっかりと自信が持てるまで練習を重ねることが重要です。

歌や演奏の技術だけではなく、基本的な人間性も大事なチェックポイントです。時間を守り、きちんと挨拶をするなど、社会人としてのマナーを守れていれば、信頼できる人間として仕事を任せることができます。また、ミュージシャンとして、音楽への熱意があることをしっかり伝えることができれば、他のミュージシャンとは一線を画す存在として注目されることでしょう。

楽しみながらプロのミュージシャンを目指そう!

音楽のテクニックや人脈、広報アイテムなど、ミュージシャンが成功するために大事なことはたくさんあります。そのなかでも重要なのは、音楽への情熱と愛情があり、楽しみながら努力ができることです。努力を楽しむことができれば、それは継続する力になります。つらい気持ちで練習を重ねるよりも、努力を楽しむほうが身につくスキルも飛躍的にのびるでしょう。そのようにしっかりと身に付けたスキルが、成功するミュージシャンとそうではないミュージシャンの大きな違いになっていくのです。

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