芸能界のスポンサーとは?
テレビ番組、CM、映画など、芸能人が活躍するメディアには、必ずスポンサーが付いています。
企業の商品を紹介するCMはもちろん、テレビ番組ではどのスポンサー企業が提供しているのかも紹介されますよね。
つまり、スポンサーは、自社のPRをCMで行い、テレビ局に広告料としてお金を支払います。
このお金がなければテレビ局は番組が作れないので、スポンサー企業は芸能界でとても重要な役割を果たしてることになります。
他にも、舞台、ミュージカル、イベントのような芸能界の仕事にも、スポンサー企業が付いています。
テレビのCM以外に、スポンサー企業の商品を芸能人が身に付けるなど、宣伝方法は様々です。
芸能界でのスポンサー企業のお金事情や、CMについて詳しく解説していきます。
スポンサーのお金事情
スポンサー企業が、広告費として支払うお金は、どのような役割をしているのでしょうか。
芸能人の給料の仕組み
スポンサー企業(広告主)
↓
テレビ局・広告代理店
↓
制作会社
↓
芸能事務所
↓
芸能人
このように、芸能人の給料の元となるのはスポンサー企業が支払う広告費ですが、スポンサー企業はCMを制作して放映するために、どのくらいの金額を支払っているのでしょうか。
はじめに、CMの制作費から見ていきましょう。
CM制作にかかる費用
・CMの企画費用
・撮影費用
・編集費用
・出演料
CMを作るにあたり、はじめに企画を考えなければいけません。
CMの企画や内容は、商品の売り上げに大きな影響を与えるので、費用はかかりますが、プロであるCMプランナーに依頼する企業がほとんどです。
CMの制作費の相場
・CMの企画にかかる費用の相場は、30秒間のCMで50,000円前後ですが、CMの秒数や依頼するCMプランナーによって異なります。
次に、企画が決まれば、撮影と編集に進んでいきます。
CMの撮影にかかる費用
・スタジオ使用料
・ロケの移動にかかる費用
・人件費
・衣装やヘアメイクにかかる費用
CMの内容にもよりますが、スタジオを借りたり、ロケに出る場合は交通費など移動にかかる費用、さらに、カメラマン、ヘアメイクなどの人件費もかかります。
CMの撮影・編集にかかる費用の相場
・人件費は、スタイリストやカメラマンなどそれぞれの仕事によって異なります。
1人当たり1日数万円程度の人件費が必要になるので、規模が大きい撮影ほど費用は高くなります。
さらに、CMの出演料は、タレントやスポーツ選手などに支払うギャラのことです。
CMの場合は、この出演料に高額な費用が掛かる場合が多くなります。
CM出演料の相場
・CMに出演するタレントは、年間で契約する場合が多く、人気タレントやトップアスリートなどは、1億円を超えることもあります。
新人タレントでは、数十万と言うこともあるので、金額は人気や知名度に大きく左右されます。
スポンサー企業が起用したい芸能人
芸能界のスポンサーが、多額の費用をかけて作るCMは、宣伝効果に大きな影響を与えるため、誰を起用するのかは、とても重要なポイントです。
スポンサー企業が起用したいタレント
・好感度が高い
・商品のイメージに合う
・話題性がある
・クリーンなイメージ
・インパクトがある
・旬である
スポンサー企業の大切な商品の広告塔となるタレントは、世間からの好感度が高い人が起用されやすいことは間違いありません。
また、その時期の旬のタレント、話題性のあるタレントも起用されやすくなります。
例として、スポンサーからのオファーが絶えない「CMに起用したいタレント」を見てみましょう。
綾瀬はるか
CMへの起用本数が多い女優には、広瀬すずさんや本田翼さんなど、人気も知名度も高い顔ぶれが並びますが、CM女王と言えば綾瀬はるかさんというイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
健康的・ナチュラル・清潔感といった綾瀬はるかさんのイメージは、化粧品、食品、清涼飲料水など、どのジャンルにも求められるイメージです。
芦田愛菜
天才子役としてブレイクし、その後も学業と女優業を両立する姿は、同世代のみならず、親世代、祖父母世代からも圧倒的な好感度を誇る芦田愛菜さん。
清潔感があるのはもちろん、知的でピュアなイメージは、スポンサー企業が起用したいタレントの条件です。
実際に、2021年のCM起用者数は15社でした。
サンドウィッチマン
お笑いタレントの中で、スポンサー企業から人気が高いのがサンドウィッチマンです。
引っ越し業者、お米、メンズエステなど幅広いジャンルで起用されていますが、その理由は何といっても好感度の高さでしょう。
好きな芸人ランキングでも何度も1位を獲得しており、面白さだけでなく人柄の良さも人気の要因となっています。
大谷翔平
メジャーリーグで大活躍の大谷翔平さんは、野球での活躍はもちろん、誠実でストイックな人間性が人々の心を掴み、2021年のタレントイメージ調査でも3位にランクインしています。
メジャーリーグで「二刀流」として活躍する大谷翔平さんをCMに起用すれば、話題性だけでなく説得力もあります。
スポンサー企業が起用したくない芸能人
好感度が高く話題性のある「CMに起用したいタレント」とは反対に、スポンサー企業が「起用したくないタレント」にはどのような特徴があるのでしょうか。
CMに起用したくないタレント
・素行が悪い
・イメージが悪い
・広告の効果がない
スポンサー企業がCMを作るときに最も恐れるのは「自社のイメージダウンとなること」です。
起用したタレントのスキャンダルは、商品の売り上げに直結するので、起用したタレントのイメージが悪くなれば、会社の業績に影響します。
また、高額なギャラを支払ってタレントを起用するので、イメージの良い悪いに関わらず、宣伝効果が期待できなければ起用する意味がありません。
さらに、CMは印象に残ることが大切ですが、同じCMであっても、一定の世代には印象に残っていても、他の世代の印象には残らないこともあります。
しかし、これも一定の層にターゲットを絞ったPRが目的であれば、CMの効果はあると言えます。
つまり、幅広い世代からイメージが良いタレントも起用しやすいですが、一定の層に爆発的な人気があるタレントも、広告の効果が高いことになります。
CMを作るスポンサー側も、タレントを起用してみなければ、その効果は分からない部分も大きいと言えるでしょう。
CMを放映するのにいくらかかる?
CMを作る費用と、タレントの出演料について紹介しましたが、さらに出来上がったCMを放映するためにもお金がかかります。
放映料は、各放送局によって金額が大きく変わります。
CM放映料の相場
・全国放送の主要テレビ局 70~100万円
・地方放送局 3~50万円
※15秒間のCM放映料
TBS、テレビ朝日、フジテレビ、日本テレビなど全国区の主要テレビ局では、放映する時間帯や番組によっても金額は変わりますが、15秒間のCMで100万円程度の放映料となると、やはり広告費にもある程度の予算がある大手企業がメインとなります。
また地方のテレビ局であれば、放映される地域も限られるので、放映料は安くなります。
テレビ東京や読売テレビ、関西テレビなど、関東、関西の地方テレビ局では、20~50万円程度に設定されていますが、その他の地方テレビ局では、1万円~10万円程で放映できるので、地元の店や企業でも比較的手ごろな金額でCMを放映することができます。
芸能界のスポンサー企業は、広告に大きな費用をかけているということですね。