音域とは?
音域とは「音の域」つまり、だせる音の範囲のことを言います。
ピアノなど、楽器であれば一番低い音の鍵盤から、一番高い音の鍵盤までの音が、その楽器が出せる音域です。
ちなみに、人の声の音域は「声域」とも言いますが、発声できる音の範囲は人それぞれ違います。
よく、歌が上手い人の特徴として、音域が広いことがあげられますが、実際に活躍している人気の歌手でも音域が広い人は多いですよね。
大人では、平均的に男性では1.5~2オクターブ、女性であれば1~1.5オクターブの声が出せますが、音域の広い人であれば3オクターブ以上もの声を出せる人もいます。
音域を広げる方法
音域はトレーニングで広げることができます。
トレーニングを始める前に、自分の音域を知っておきましょう。
音域のチェック方法
ピアノなどの楽器を使って、低い音から順番に音を出して、同じ音の高さで声を出していきます。
低音も高音も、自分の音域の範囲を超えてしまうと、喉に負担がかかってしまうので注意しなければいけません。
ピアノがない場合は、YouTubeやスマホのアプリでも、音域を測定することができるので活用してみましょう。
元々自分が持っている音域を、広げる方法はいくつかあります。
音域を広げる方法
・腹式呼吸で声を出す
・発声練習をする
・限界音域を広げる
・ファルセット(裏声)を使う
・ミックスボイスを使う
このように、地声の音域を広げる方法と、歌唱テクニックを使って広げる方法があります。
では、実際に音域を広げるトレーニング方法も見ていきましょう。
音域を広げるトレーニング
音域を広げるために、やっておきたいトレーニング方法を紹介していきます。
①腹式呼吸のトレーニング
音域を広げるためには、声量が必要です。お腹からしっかり声を出すことで、取り入れる息の量が増えて、声量が上がり、高音も出しやすくなります。
肺に空気を吸い込む胸式呼吸よりも、お腹に空気を入れる腹式呼吸の方が、声量が上がり安定した発声ができます。
腹式呼吸の練習方法
①お腹に力を入れて、へこませながら息を吐き切る。
②息を止めて、お腹の力を抜く。
③お腹に手を当てて、5秒間かけてゆっくり鼻から息を吸い、お腹が膨らんでいるのを確認する。
④そのまま5秒間息を止める。
⑤10秒間かけて、ゆっくり口から息を吐き続ける。
⑥吐き切ったら、お腹の力を抜き、再び鼻から息を吸う。
最初は難しく感じるかもしれませんが、呼吸をしている時に、肩が上下に動いていないか、下腹部に息が入っているかを意識してトレーニングを続けましょう。
②発声練習
腹式呼吸を使った発声練習をすることで、安定した声を出せるようになります。
無理をして出していた高音が、負担なく出せるようになるためには、基本的な発声練習が大切です。
音域を広げるために、おすすめの発声練習を紹介します。
【リップロール】
唇を閉じたまま「プルルルル」と唇を震わせるトレーニングです。
表情筋や唇をリラックスさせる効果もあり、音程も取りやすくなります。
リップロールのやり方
・唇を閉じてプルルル…と震わせる
・息を長く吐きながら続ける
・音階を変えながら震わせる
最初は10秒間続けることを目標に挑戦してみましょう。
【ロングトーン】
息を長く続けながら声を出す練習です。
ロングトーンが上手くできれば、安定した声が出せるようになって喉を痛めにくくなるので、音域を広げたい人にもおすすめのトレーニングです。
ロングトーンのやり方
・「あー」と同じ声量で声を出し続ける
・少しずつ秒数を伸ばしていく
・歩きながら、ジャンプしながらロングトーンに挑戦する
無理をして秒数を伸ばす必要はありません。
安定してできるようになるまで、じっくりと練習しましょう。
③限界音域を広げる
音階練習を繰り返し、限界の音の半音低い音と高い音にも挑戦してみましょう。
毎日続けていると、出なかった音が出せるようになります。
しかし、誰にでも限界はあるので、喉を痛めるような負担のある発声をしないように注意しましょう。
今出ている音が余裕を持って出せるようになってから、次の音のトレーニングを行います。
④ファルセットのトレーニング
ファルセットは、裏声の一種で、地声よりも高い声を出すための歌唱テクニックです。
難しい高音を出す時に使います。
ファルセットのコツ
・声より息が多いイメージで
・喉に力を抜いて歌う
・声量をやや下げる
ファルセットを使っているアーティストの楽曲で練習してみましょう。
⑤ミックスボイスのトレーニング
ミックスボイスは、地声と裏声の中間のような発声で、高音を出すために重要なテクニックです。
ミックスボイスのコツ
・声帯を閉めて喉を開く
・ハミングで練習
・表情筋や声帯の周りの筋肉を鍛える
ハミングをしながら、鼻腔に音が響く感覚を覚えましょう。
音域が広いアーティスト【男性編】
では、最後に音域が広い日本のアーティストを紹介します。
まずは、男性アーティストから見ていきましょう。
稲葉浩志(B’z)
B’zの稲葉浩志さんの音域は3オクターブと言われていますが、シャウトやファルセットも含めると、4オクターブもの音域で声が出せます。
少しかすれた声質が魅力的ですが、高音域でも安定した歌声で、そのすごさが分かります。
北山陽一(ゴスペラーズ)
ゴスペラーズの北山陽一さんは、低音が得意なことから、グループでは主にベースボーカルを担当していますが、実は高音も魅力的で、音域で言えば4オクターブもの声が出るそうです。
北山陽一さんの儚い歌声と音域の広さは、音楽関係者からも一目置かれています。
京(DIR EN GREY)
DIR EN GREYのボーカルである京さんは、なんと約5オクターブもの声が出るそうです。
超高音の歌唱法であるホイッスルボイスなど、その歌唱テクニックに多くのファンは魅了されています。
難しいテクニックや高音を使いながらも、感情的に歌う姿がすごいと言われています。
音域が広いアーティスト【女性編】
女性は、男性に比べて音域が狭いと言われていますが、日本にも音域の広い女性アーティストはいます。
では、次に、音域の広い女性アーティストも見ていきましょう。
夏川りみ
透き通るような美しい声と、パワフルな声量で素晴らしい歌声を聞かせてくれる夏川りみさん。
そんな夏川りみさんは2オクターブの音域が出せるそうで、女性としてはかなり広い範囲の声が出ます。
音域が広いだけでなく、あれほど高音が綺麗に出せるアーチストは非常に貴重ですよね。
MISIA
日本を代表する「歌姫」として長く活躍しているMISIAさん。
そんなMISIAさんの音域は、なんと驚異の3.5オクターブです。
MISIAさんも超高音の歌唱テクニックである、ホイッスルボイスを使えるアーティストです。
広瀬香美
歌手であり、ボイストレーニングの講師も務める広瀬香美さんは、デビューした時から、パワフルな高音で話題を集めていました。
そんな広瀬香美さんの音域は3オクターブと、かなり広いです。
高音の出し方や、音域の広げ方など、広瀬香美さんのYouTubeもとても参考になります。
音域が広ければ、歌える曲も多くなり、歌唱力が上達します。
音域は地道にトレーニングを続ければ、結果が出るので、毎日コツコツ続けていきましょう。