試験の本番、会社の重要なプレゼン、夢を掴むためのオーディション・・・。
「あれほど練習したのに思うようにできなかった」と感じたことはありませんか?
「本番に弱い」と感じている方は、メンタルに原因があることがほとんど。
どんなに実力がある方でも、いざ大事な場面でガチガチに緊張してしまっては、本来の半分も力を発揮できないでしょう。
「本番に弱い」と悩みを抱えている方こそ、メンタルトレーニングがおすすめです。この記事では、成功のためのメンタルトレーニングについて、順を追って方法をご紹介していきます。
どんな場面でも、いつでもベストな自分でいましょう。最高の状態をキープできれば、望み通りの成果を手にすることだって夢ではありませんよ。
メンタルトレーニング①目標設定を見直そう
失敗できない大事な場面。
「やり遂げなければ」「成功しなければ」と自分を鼓舞するのも大事ではありますが、それが逆にプレッシャーを招いてしまってはいけません。
「少年よ大志を抱け」ということわざがあります。目標は常に高く持ち、その高いゴールを目指し続けるのが望ましいとされていますが、実際それは現実的ではありません。
例えば会社でのプレゼン。ただでさえ自分の意見や主張を伝えるのは勇気がいることなのに、前列に並ぶ重役たちの顔を見ただけで、緊張で頭が真っ白になる方も少なくないでしょう。
そんなときは、「聴衆の2~3人だけでも納得してもらえればそれでOK」と、自分の中で小さく目標を設定しましょう。「聴衆たちすべての賛成を得て、重役たちも納得してくれるような完璧なプレゼンをしなければ」と意気込むと、成功よりも裏目に出てしまうリスクの方が高くなります。
心理学では、現在の目標に対して110%の目標を掲げるとうまくいきやすい、というデータが出ています。ただでさえ人前で発表することが苦手な方が、「すべて完璧に」と高い目標を見上げすぎると、言葉に詰まったりページがめくれなかったりするだけで「失敗だ!!」と頭が真っ白に。
人前に出ることが苦手なら、「前に出てしゃべれただけでOK」。人前に出ることが苦ではないなら、「そつなくプレゼンをすすめられればOK」。人前でのプレゼンが慣れている方なら「説得力のある説明をして〇人以上の賛成を得られたらOK」など、現在の自分の立ち位置をしっかりと把握し、そのうえで少しだけ上の目標を設定してください。
「全部を完璧にする必要はない」と気付くことができれば、しめたもの。プレゼンはもちろん、舞台発表や面接などあらゆるシーンで活用できるので、どこでも普段通りの自分で実力を存分に発揮できることでしょう。
メンタルトレーニング②成功のイメージを描く
適切な目標設定をしたら、そのゴールに到達するストーリーを頭の中に描きましょう。
イメージは、具体的であるほど効果的。
ディズニーを生み出したウォルト・ディズニー氏は、この成功ストーリーを活用していたといいます。しっかりと現在地を把握し、中間地点に小さなゴールを設けたうえで、最終ゴールを設定します。それぞれ時系列で詳しく紙に書き出し、壁に貼ることで常に目に入るように意識していたそうですよ。
もちろん、思わぬトラブルや予期せぬ事態が発生するなど、ストーリー通りに100%うまく事が運ぶことはまずないでしょう。しかしその都度、イメージを見直し、軌道を修正して良いのです。
詳しく書けば書くほど、そして現実的であればあるほど、紙を見るたびにあなたの中で成功のイメージが高まることでしょう。そのイメージはあなたの中に強く根付き、自信となっていくはずです。
メンタルトレーニング③自己暗示をかける
成功のイメージが脳の奥深くまで染み込んだら、目標達成の下準備はかなり整った状態。
あとは、最後の仕上げです。
「大丈夫、大丈夫」「自分なら絶対にできる」など、自分自身にポジティブな言葉をかけてあげましょう。
宗教でいうと、洗脳やマインドコントロールに相当します。最初は言葉をなぞっているだけでも、繰り返していくうちにいつのまにか考え方そのものを変える効果が期待できるでしょう。
できれば、その際にアロマを焚いたりリラックスできるBGMを流すなど、五感に働きかけるアイテムが1つあれば尚良いです。
大事な本番の前には、自己暗示の言葉たちを復唱すると共に、ポケットに忍ばせておいたアロマを嗅いだり、BGMとして流していた曲をイヤホンで聴いたりしましょう。そうすることで「普段の自分」を取り戻せるので、気持ちも落ち着いていくはずです。
メンタルトレーニング④自分を褒める
舞台裏で自分を鼓舞したら、最後は自分をいたわってあげましょう。
「自分はあれだけ頑張ってきた。たくさん努力したのだから、成果が出ないわけがない」と、自分を包んであげるのです。
人を褒めたりうらやましがることはあっても、自分を褒めることはなかなかしないのではないでしょうか。
見えないところで努力を積んで、たくさんの下準備を重ねてきたあなた。大舞台に立つ前に、ぜひ自分を褒めてあげてください。
「自分には短所しかない」なんて、自信をなくす必要はありません。あなたが短所だと思っている部分は、裏を返せば長所でもあるのです。
例えば「こんな引っ込み思案の性格じゃ・・・」と思っていたって、それは裏を返せば「石橋を叩いて渡る慎重なタイプ」。また「プレッシャーに弱い性格だし・・・」と考えていても、それは自分という存在を守るすべに長けているということ。
大舞台を迎えるに当たって今までの自分がしてきた努力、そして自分という存在そのものを、まるごと受け入れてあげましょう。自分に自信がつけば、それだけ緊張から解放されるはずですよ。
メンタルトレーニング⑤失敗しても構わないと考える
大事な場面であればあるほど、「成功しなければ!」と自分にプレッシャーをかけがちです。
今までに積み重ねてきた努力の数だけ、結果を期待するのは当然でしょう。
適度な緊張はむしろ良い刺激となりますが、緊張や重圧のほうが大きくなってしまうと、本来の実力が発揮できません。
「自分はこれから大舞台に向かうけれど、失敗したって良いのだ」と考えましょう。
もちろん成功できればベストですが、失敗しても死ぬわけではありません。「失敗したっていい」と、自分の中に「成功」以外のもう一つの選択肢を用意しておいてあげることも重要ですよ。
もし失敗しても、次の機会にやり直せば良いだけ。失敗から得る教訓は、ある意味で成功して得るものよりも貴重です。いずれにしろ、多くのものを得る機会であることに変わりはないでしょう。
まずは、「やるだけのことはやった」と自分自身を認めてあげてください。そして「自分」という大きな味方を身につけて、壇上に立ちましょう。
まとめ
大事な場面で緊張してしまうという方は、メンタルトレーニングをおすすめします。
それはいわば、成功のためのイメージトレーニング。目標とするゴールを思い描くことで、「今自分がどこにいるのか」「到達するためには何をすれば良いのか」が自ずと明確になってきます。
繰り返しポジティブなイメージを描いていけば、それが知らず知らずに身に染みていくもの。
本番ではひとりきりの不安があるかもしれませんが、今まで努力を重ねてきた「自分」という大きな味方がいつでもついていることをお忘れなく。