バラエティアイドルの歴史とは?
「クイズ番組」や「トーク番組」など、テレビでは、あらゆるジャンルのバラエティ番組が放送されていますよね。
バラエティ番組には、司会者やお笑い芸人、アイドルなどがよく出演していますが、最近は俳優、著名人、スポーツ選手など、色々な顔が見られるようになりました。
バラエティアイドルという分野が登場し始めたのは、1980年代後半と言われています。
1980年代のアイドルと言えば、松田聖子さんや中森明菜さんなど、主にアイドル歌手として活躍している「正統派アイドル」のことを言いましたが、また違うバラエティという分野で活躍するアイドルは、バラエティアイドルとして活躍しました。
当時、アイドルとしてCDデビューをしたものの、ヒットしないことを自虐ネタにしながらバラエティ番組に出演するようになった、井森美幸さんや森口博子さんが、バラエティアイドルとして大活躍するようになります。
この頃からバラエティアイドルを略して「バラドル」と呼び、その後も松本明子さん、山瀬まみさん、島崎和歌子さんなど、歌手デビューをしたものの、ヒット曲に恵まれないけれど、トーク力に優れたアイドルがバラドルとして活躍するようになりました。
1980年代後半と言えば、バラエティ番組から誕生した「おニャン子クラブ」が絶大な人気を誇っていた時代で、アイドルとお笑い芸人のバラエティ番組での絡みが人気となりました。
2000年代には、グラビアアイドルの人気が高まり坂下千里子さん、優香さんが、バラエティアイドルとして、テレビ番組でも活躍するようになります。
その後、モーニング娘。やAKB48など大人数のアイドルグループが注目されるようになると、グループの中でもトーク力やバラエティ能力の優れたメンバーが、積極的にバラエティ番組に出演するようになりました。
バラエティアイドルの魅力
正統派アイドルとしてはブレイクできなかったアイドルとして、バラエティ番組へ進出したことが、バラエティアイドルの始まりではありますが、そこで実力を発揮して、芸能人として大成功した人も少なくありません。
「元祖バラドル」と呼ばれる井森美幸さんや、森口博子さんはもちろん、松本明子さん、島崎和歌子さんは、当時から変わらず、今もバラエティ番組で活躍しています。
バラエティアイドルは、可愛い見た目で自虐的なトークや、かぶり物やコントなど、体を張った芸もこなす活躍で、視聴者からの好感度が高い人が多いです。
正統派アイドルには、熱狂的なファンがいる反面「ぶりっこ」「歌が下手」など、否定的な意見を持つ人も多い中、体を張って笑いをとるバラエティアイドルは、老若男女から応援される特徴があります。
もう一つ、バラエティアイドルの魅力は、トーク力や機転の利く対応力、頭の回転の速さなど、バラエティ番組で見せる能力の高さです。
バラエティ番組では、様々な分野の出演者がおり、お笑い芸人やバラエティタレントに混じってトークを繰り広げることは簡単ではありません。
その度胸や、物怖じしない態度など、お笑い芸人に交じって笑いをとるバラエティアイドルは、誰にでもできることではなく、素晴らしい才能を持ったアイドルであることが、人々を惹きつける理由となっています。
これまでに活躍した男性バラエティアイドル
バラエティアイドルとして生き残るタレントは、ごく少数です。
売り出し中のアイドルや、人気上昇中のアイドルなどが、知名度を上げるためにバラエティ進出をしますが、ほとんどの人はすぐに、メディアでは見かけなくなります。
それだけバラエティ番組で結果を残すことは難しいことであり、結果が残せなければ、オファーはなくなります。
バラエティアイドルと言えば、女性のイメージが強いかもしれませんが、男性でもバラエティで活躍するアイドルはいます。
これまでに活躍してきた男性バラエティアイドル(タレント)を見てみましょう。
1990年代
1990年代と言えば、ダウンタウンやとんねるず、ウッチャンナンチャンなどのお笑いコンビが繰り広げるバラエティ番組が多い時代でした。
この時期では、ジャニーズ事務所所属のアイドルとして、本格的にバラエティに進出したSMAPが頭角を現すようになります。
これまでのジャニーズ事務所のアイドルと言えば、少年隊や光GENJIなど、正統派アイドルのイメージが強い中、本格的にコントや体を張った仕事もこなすアイドルグループとして、SMAPは注目を集めます。
1996年には冠番組となる「SMAP×SMAP」がスタートし、歌って踊るアイドルでありながら、本格的なコントにも挑戦する新しいアイドルの姿を確立しました。
2000年代
2000年代には「M-1グランプリ」など、お笑いコンテストが増え、バラエティ番組にも次々と新世代の若手芸人が登場するようになりました。
また、SMAPの活躍以降、V6、嵐など、ジャニーズ事務所所属のアイドルが、バラエティ番組で活躍するのは、お茶の間の定番となっていました。
他にも「クイズ!ヘキサゴン」から誕生したアイドルユニット「羞恥心」では、メンバーのつるの剛士さん、上地雄輔さん、野久保直樹さんの活躍が印象的でした。
また、歌手や俳優として活躍していたウエンツ瑛士さんや、2000年代後半にはモデル、歌手として活躍していたJOYさんなど、イケメンのハーフタレントが、体を張った芸でバラエティ番組を盛り上げました。
2010年代
2010年代に入ると、SMAPの中居正広さんを筆頭に、アイドルグループのメンバーが、バラエティの冠番組を持ち、MCを務める機会が増えます。
また、アーティストとしてパフォーマンスを行っている、EXILEや三代目J SOUL BROTHERSなどのメンバーもバラエティ番組に出演し、ドッキリ番組や情報番組のMCなど、個性に合った仕事でバラエティ番組を盛り上げるようになりました。
これまでに活躍した女性バラエティアイドル
女性のバラエティアイドルとして活躍したタレントは、長く活躍している人が多いのが特徴です。
こちらも、年代別に活躍したバラエティアイドルを見ていきましょう。
1990年代
井森美幸さんや森口博子さんの活躍で、「バラドル」というジャンルが知られるようになった1990年代には、人気お笑い番組に女性アイドル枠で出演するアイドルが人気を集めます。
1991年から放送されていたお笑い番組「ダウンタウンのごっつええ感じ」では、当時東京パフォーマンスドールのメンバーとして活躍していた篠原涼子さん、1996年から放送されていたバラエティ番組「めちゃ×2イケてるッ!」では、雛形あきこさん、鈴木紗理奈さんの人気が上昇しました。
また、1990年代後半には、社会現象を巻き起こした人気アイドルグループ「モーニング娘。」が誕生し、バラエティ番組でも活躍しました。
2000年代
2000年代には「クイズ!ヘキサゴン」で誕生した男性グループ「羞恥心」と並んで、女性グループ「Pabo」が人気に。
また、2000年代と言えば、グラビアアイドル黄金期であり、その影響はバラエティ番組にも進出します。
特に、トーク力のある若槻千夏さん、小池栄子さん、坂下千里子さんなどの需要は多く、当時からバラエティ番組を盛り上げている存在です。
他にも小倉優子さんのように、不思議キャラで登場するような、セルフプロデュース力に優れたアイドルも人気でした。
2010年代
2010年代になればAKB48グループの人気が高まり、バラエティ番組に出演するメンバーも増えました。
中でも、トーク力が高いと評価されていた指原莉乃さんは、グループを卒業後、バラエティ番組の女王と呼ばれるほどの活躍を見せています。
また、小島瑠璃子さん、菊地亜美さんなど、大御所芸人との絡みも上手いバラエティアイドルの需要が高くなっています。
他にも、ギャルタレントという枠が確率し、にこるんこと藤田ニコルさん、みちょぱこと池田美憂さんなど、女性からも支持されるギャルタレントの起用も定番となりました。
今注目のバラエティアイドルとは?
バラエティ番組に出演するアイドルの歴史にはたくさんの名前が刻まれていますが、1980年代から今も活躍している人がいるのもすごいですよね。
見ている人を笑顔にするバラエティ番組では、人柄もよく愛されるキャラクターのアイドルが必要とされていることがよく分かります。
また、2020年代に入り、どんな仕事にも全力で取り組む姿が魅力的な朝日奈央さん、ギャルタレントでは、明るい笑顔が印象的なめるること生見愛瑠さんなど、活躍が期待されているバラエティタレントが続々と登場しています。
今後も注目して見ていきたいですね。