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ミュージシャンの仕事ってどんなもの?オーディションを受ける前に知っておくべきこと

2018.11.19 / 歌手

ミュージシャンの仕事内容は何?

ミュージシャンは音楽にかかわる活動をしている人全般を指します。そのため、仕事内容は非常に幅広いのが特徴です。そのなかでも、ミュージシャンの活動は「創作活動」と「演奏活動」の2つに大別できます。たとえば、「創作活動」に該当する仕事としては、楽曲の作曲や編曲などが該当します。音楽をゼロから創る仕事なので、想像力や独創性といった能力が必要です。また、せっかく創った楽曲も世間に受け入れられなくては意味がありません。なぜなら、プロのミュージシャンである以上、創った楽曲が消費者に受け入れられなければ売り上げが伸びず、プロとしては認められないからです。そのため、過去の楽曲の勉強はもちろん、最先端の流行をチェックし、どのような楽曲が売れていくのかを分析するセンスも必要な職業だといえます。

一方、「演奏活動」に該当する仕事としては、ライブハウスやホールでオーケストラやバンドの楽器を演奏したり、歌を歌ったりする活動が含まれます。これらの活動は演奏や歌う技術が優れていることはもちろん、創作活動と異なり人前で行うことが多いので、ある程度の度胸がないと満足な活動はできません。ただし、売れっ子になると華やかなステージが用意されるうえ、大勢のファンの前で演奏することができるのは醍醐味です。ミュージシャンの仕事としては、創作活動よりも演奏活動のほうが華やかなイメージが強いので、最初に演奏活動を目指す人が多いです。しかし、演奏活動は華やかなぶん、競争も激しいので挫折する人も少なくありません。演奏活動で挫折した人が創作活動に回り、才能を開花させる事例もあります。

ミュージシャンの仕事を大別すると「創作活動」と「演奏活動」の2つに分けられますが、共通するものもあります。たとえば、「CDやDVDのリリース」をする過程では「テレビ出演」をすることもあるでしょう。また、「他のミュージシャンと組んでの活動」をするケースもあります。これらの仕事においては、創作活動と演奏活動の間に明確な線引きはなく、お互いが相手の良さを引き出せるようにアドバイスしあうことがあるのが特徴です。「ボーカルが編曲に対して意見を言う」「編曲者が演奏スキルについて注文を出す」といった事例がこれに該当するでしょう。その他に共通する仕事としては、新たにミュージシャンを目指す人たちのために、音楽教室などで演奏の講師として招かれる場合も当てはまります。

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ミュージシャンと歌手の違いって?

ミュージシャンという言葉でよく勘違いされるものに「ミュージシャン=歌手」というものがあります。たしかに、歌手はミュージシャンに含まれるのですが、あくまでもそのなかの1つでしかありません。ミュージシャンとは音楽活動をしている人全般を表す言葉だからです。一般的には歌手はミュージシャンのなかでも、シンガーやボーカリストという分類に入ります。

また、歌手のなかにもいろいろな人がいるのも事実です。バンドをイメージするとわかりやすいのですが、ボーカルのみに専念している人もいれば、楽器を演奏しながら歌っている人もいます。歌手とは基本的に主に歌を歌うことに限定されている人を指す言葉です。つまり、主に歌を歌っているのであれば「歌を歌うことしかやってはいけない」ということではないといえます。

ミュージシャンの場合もこれと同様で、基本的には楽器を演奏する人のことを指しますが、必ずしも歌ってはいけないというわけではありません。演奏するミュージシャンのなかにもコーラスとして歌に参加するケースはよくあります。これらのことから、歌手とミュージシャンの違いは「メインで歌を歌う人かどうか」で判断するものだといえます。

音楽業界の仕組みとは?

プロのミュージシャンとして活動するからには、音楽業界の仕組みについて詳しく知っておかなければいけません。ミュージシャンと関係のある音楽業界の会社には「プロダクション」「レコード会社」「音楽出版社」の3つがあります。まず、プロダクションについては、ミュージシャンとマネジメント契約を結んで育成するための組織です。ミュージシャンとして生きていくからには、このプロダクションと契約して仕事をもらうことから始めなければいけません。

次のステップとして、CDなどを販売するときに大切なのがレコード会社との契約です。なぜなら、レコード会社はミュージシャンと録音契約を結ぶ企業なので、この会社と契約できなければCDなどの販売ができないからです。また、レコード会社と混同しがちなのが音楽出版社ですが、こちらは著作権を担当します。契約を結んだミュージシャンの楽曲などの著作物がきちんと守られているかを管理する会社となります。

これからプロのミュージシャンを目指している人がよく覚えておきたいのは、これら3つのうちオーディションを受けるのはプロダクションとレコード会社の2つだということです。音楽出版社はあくまでも、すでに作られている楽曲の著作権の保護を目的とする会社なので、オーディションを受けられません。

ミュージシャンのオーディションの流れ

ミュージシャンのオーディションはその規模にもよりますが、1次審査や2次審査といった具合に段階的に審査されるケースが多いです。1次審査でよくあるのは、書類選考やデモテープを元にした選考方法だといえます。書類選考では、就職活動を行うような履歴書に記入するのが一般的です。氏名や志望動機、自己PRといった項目を記入して提出します。オーディションによっては履歴書とは別に自身の写真の提出を求められることもあります。

人気のあるオーディションを受ける場合、1次審査を通ることも簡単なものではありません。なぜなら、審査員の多くは普段からたくさんのデモテープを聞いているので、審査基準も必然的に厳しくなるからです。たとえ、1次審査で落とされたとしても、あきらめずに何回もオーディションを受ける心構えが大切です。1次審査に合格すると、次の審査では審査員との面談や審査員の前で直接演奏をする流れになります。初めてのうちは非常に緊張するでしょうが、このオーディションに合格すればプロダクションと契約できて活動をサポートしてもらえるので頑張りましょう。

オーディションを受けるときのコツ

オーディションを受けるときのコツとしてまず挙げられるのは、「最も実力を発揮できる曲でオーディションを受ける」ことです。オーディションの審査項目で指定されている曲を演奏しなければいけない場合はこの限りではありませんが、デモテープなど自由に選曲ができるときは得意な曲を選びましょう。また、デモテープを作るときは漫然と創るのではなく、一度録音したものを聞き直して、音量や音質にもこだわって作るとよいです。なぜなら、自分が演奏しているときに聞こえる音楽と録音したときに聞こえる音楽はまったく別のものに感じるときがあるからです。

また、次に大切なのは「複数のオーディションを受ける」「自らの志向や音楽性に合っている事務所のオーディションを受ける」ということが挙げられます。前者の理由としては、ミュージシャンのオーディションにおける競争率は高いケースが多いので、1つのオーディションで合格するのは非常に難しいからです。残念ながら、オーディションにおいては審査員との相性が大きな影響を与えます。どれだけよい楽曲を演奏しても、審査員との相性によっては心に響かないこともあるので、複数の事務所でオーディションを受けておくと無難です。また、ミュージシャンとして長い間活動を続けるのであれば、自らの志向に合った事務所を利用するほうがよいでしょう。自らの志向に合った事務所でオーディションを受けると、音楽性の一致から合格する可能性が高くなるのもメリットです。

さらに、オーディションは「自分がどんなミュージシャンになり、どのような活躍をしたいのか」をよく考えてから受けるようにしましょう。それぞれのプロダクションには得意ジャンルがあるので、自分の目的に沿ったオーディションを受けたほうが効率よく目標に近づけます。そのため、最初から1つのプロダクションだけに決めつけて受けるのではなく、複数のプロダクションを選ぶようにしておくとよいです。

自分に合ったプロダクションを探してみよう

ミュージシャンの定義は歌手だけではありません。歌を歌うシンガーだけでなく、楽器を演奏する人もミュージシャンに含まれます。いずれにしても、音楽業界が華やかな世界であることに違いはありません。ミュージシャンを目指す人はプロダクションのオーディションを受けてみるとよいでしょう。ただし、プロダクションの数はたくさんあり、それぞれ得意、不得意なジャンルがあります。まずは自分の音楽性に合っているプロダクションを見つけて、応募してみるとよいでしょう。

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