落語家の魅力やなる方法について説明した記事中のイメージ画像です。

落語家になるにはどうすればいい?弟子入りの方法や適性は?魅力を紹介

2020.03.06 / 未分類

皆さんは落語を生で聞いた事がありますか。
落語は比較的どこでも聞く事が出来ますよね。ラジオ然り、テレビ然り、果ては飛行機の座席にあるイヤホンなどでも。

しかし落語と聞くと、年配の方達のためのもの、落語家もまた年配の方達がなれるもの、というイメージがありませんか。

実のところ、そんな事は全くなく、落語は最近の若い人たちの間でも広まりつつあり、落語家を目指す若い人達も年々増加してきています。

それだけの魅力が落語家という仕事には存在しているわけなのですが、その詳細を知らないという方も多いでしょう。

そこで今回は、落語家の詳細を紹介し、落語家の仕事、その魅力について理解を深めていただきたいと思います。

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落語家の魅力

落語家になるための方法を知るより前に、まず落語家というお仕事の魅力を知っておきたいですよね。

皆さんは落語家の落語を聞いた時、どんな反応をしていますか。
日本テレビの『笑点』、その他の落語家の番組、公演を見た際、落語家の披露する落語を聞いた時、皆さんは笑っているはずです。

そう、落語家とは自分の口から出る言葉、話によって、目の前にいる無数のお客さんに心地良い笑顔になってもらえる体験を提供するお仕事なのです。実際には口以外にも様々な体の部位を用いて観客を引き込みますが、基本的には口1つ、話力だけで大勢の耳目を引きつける、それってすごいことですよね。

自分の話と芸によって、観客の皆さんが「わぁっ」と笑顔になり、「わはは」と声を出して笑ってくれる。誰とも知らない観客の皆さんを笑顔にして、心から笑ってもらえる。公演会場は笑いと拍手で包まれる。

仕事をする上では給料や儲け話ばかりに意識が傾いてしまうかもしれませんが、落語家の人達はほぼ全員がお金や給料は二の次、観客の皆さんを笑顔になってもらう事を最優先にしています。

観客の人達に心地よい笑いを提供し、自分も同じように心の底から笑顔になる事が出来る。

それこそがこの落語家の最大の魅力です。

落語家になるためには?

落語家を目指す人は、基本的に人を笑顔にさせる事、笑ってもらいたいという願いを抱いている人です。

しかし、そんな気持ちや願いがあったとしても、落語家になるにはどうすればいいのか、わからないという方も沢山いらっしゃるでしょう。

確かに落語家の方達がテレビやラジオに登場する事はあっても、そのなり方を教えてくれる情報はあまりありませんからね。

そこでここから、落語家になるためにはどうすればいいかを紹介していきましょう。

まずは弟子入りしよう

落語家になりたいならば、まず取るべき行動は『真打ち』と呼ばれる落語家に弟子入りする事です。

公演で落語を披露している春風亭昇太師匠、林家たい平師匠、三遊亭圓楽師匠達こそが『真打ち』と呼ばれる落語家達であり、多くの弟子を抱える人達です。

そんな彼らに寄席や落語会等で接触し、弟子入りを願います。そこで許可をもらえたならば弟子入り成立。落語家の卵となる『見習い』となれます。

ここから落語家人生の第一歩がスタートしますが、一度弟子入りしたからには、簡単に師匠を変える事は出来ず、ほぼその師匠に一生付いていく事になります。

本当にその人が心の底から師匠と思える、一生ついていこうと思える人なのか、よく選ばせてもらいましょう。

落語家の階級

一般的にはあまり知られていないのですが、落語家には階級が存在しています。その階級は以下の順番、下に行く毎に大きくなります。

前座見習い
前座
二ツ目
真打ち

一般的に落語家とされるのは『真打ち』であり、落語家になるために目指すべきもまた『真打ち』となりますが、そのために『前座見習い』、『前座』、『二ツ目』と上がっていく必要があります。
上から順に紹介していきましょう。

①前座見習い

まず最初の『前座見習い』になれたならば、師匠宅に通い、師匠の身の回りの世話や雑用をこなします(基本的に通いですが、師匠によっては住み込みの場合もあります)。

基本的に休みなどなく、師匠のために様々な雑用をこなしていく事になります。師匠宅で食事を作り、一緒に食べ、話をし、雑用していく。一見すると地味ですが、これこそまさにその師匠が弟子となった人を見定める期間です。

『前座見習い』として師匠の身の回りの世話を休みなしにやらされても逃げ出さない、落語への熱意を捨てずにいられるか。この期間が、その人が落語家になれる資質の有無を映し出します。

②前座

『前座見習い』が終了すると、今度は『前座』となります。
師匠の身の回りの世話、雑用は勿論、寄席に連れて行ってもらえるようになりますが、ここから一気にやる事が増えます。

お客さんを呼ぶための呼び込み太鼓
師匠の噺のめくりの出し入れ
道具の用意
師匠のためのマイクのセット
他の師匠達へのお茶入れ
師匠の着物の管理

等を行う事になり、楽屋、寄席を往復する毎日を送る事になります。

前座見習いよりも遥かにやる事も増えており、きつさも増えていますが、師匠の近くで噺を聞く事は勿論、他の師匠達に楽屋でお話を伺う事も出来るので、一般的な落語家とされる『真打ち』に近付く事が出来ているとわかる期間でしょう。

この期間を4年続ける事によって、『二ツ目』へ上がれます。

③二ツ目

『二ツ目』となると、もう落語界では一人前扱いされるようになり、それまでやっていた師匠宅、寄席での雑用等はする必要が無くなり、ついに自分で噺が出来るようになります。

しかし寄席に出演する機会を手に入れられる可能性は非常に低いため、ラジオ、テレビ、公演などに自分を売り込みをするなど、自分で自分の責任を取り、仕事をする必要が出てきます。

しかし同時に、ついに、無数の観客の皆様に対してお話が出来、笑顔になってもらう事が出来るようになります。ついに自分自身が師匠のように噺をする事が出来るようになるのです。

この期間を10年続ける事によって、ついに『真打ち』となります。

④真打ち

弟子入りして14年以上の歳月を続ける事によって、『真打ち』へ辿り着きます。
こうなればもう誰かの弟子ではなく、一人の師匠になり、かつての自分のような人達を弟子に取る事が出来るようにもなります。

こうなるまでに14年以上もの歳月を必要とするのですから、『真打ち』とされる人達がそんなに多くないというのには納得できるでしょう。
15年近くの厳しい修行を乗り越えられる人こそ、晴れて『真打ち』になれる。こうなればテレビ番組の出演も多くなり、名も知れ渡っていく事になります。

しかし『真打ち』になったから終わりではなく、寧ろここからがスタートライン。
どのようにして噺をし、観客の皆さんに笑ってもらうかと向き合う毎日となっていきます。

『真打ち』になった落語家は、最期の時まで落語と向き合い続けるのです。

落語家になれる人とは?

ここまで落語家の階級等を紹介してきましたが、落語家になるためには14年以上の厳しい修行の期間を超える必要があります。

14年以上なんて並大抵の期間ではありませんが、しかしそれだけの年月の修行に耐えられる精神力、何より自分の噺で大きな声で笑ってもらいたいという強い願いがあるからこそ、『真打ち』となった師匠達は『真打ち』であり、落語家なのです。

そして彼らは『自分の噺で観客を笑顔にして、心の底から笑ってもらいたい』という願いを原動力にして、ここまで登り詰めてきた人達です。

落語家になれる人、その適性とは体力があるとか、精神力があるとかではなく、『自分の噺で観客を笑顔にして、心の底から笑ってもらいたい』という願いをどれだけ強く抱けているかです。

落語家を目指している人はまず、自分の胸に問いかけてみましょう。

『自分の噺で観客を笑顔にして、心の底から笑ってもらいたい』という願いが深く深くに存在しているならば、きっと落語家になるための適性があると言えますし、落語家になれる人だと言えます。

まとめ

落語家は決して楽な仕事ではなく、寧ろ一般的な仕事をする方が簡単なのかもしれません。
落語家になるためには必要な気持ちはお金を重んじる気持ちでも、単に噺をしたいという欲求でもありません。
『沢山の人に笑顔になってもらいたい』という願い、ただそれだけです。

落語家を目指すならば、まずは『自分の噺で観客を笑顔にして、心の底から笑ってもらいたい』という願いが自分の心にあるかを見定めましょう。

行動はそれからでも遅くはありません。

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