「大事なところで緊張してしまい、自分の実力が出せなくて悔しい思いをした」
こういう経験、一度は誰しもあるはずです。
人はなぜ緊張するのか。
緊張しない方法は存在するのか。
どうすれば本来の実力を発揮できるのか。
ここでは、緊張する原因から探っていき、緊張しない方法を10通りご紹介します。
Outline
1.緊張する仕組みを知る
ではまず、緊張について考えてみましょう。
大事な場面で緊張する、これは戦闘態勢における防衛本能が働くためです。
つまり、身体の意識が自動運転から手動運転にスイッチが切り替わっているのです。
「失敗してはいけない」と思う感情が緊張を引き起こし、脳が筋肉を硬直状態にさせます。
その結果、普段何気なく出来ていることも分からなくなるのです。
POINT
緊張とは脳と身体の硬直状態。
まずは自分が緊張する状態を知っておく。
そうすれば普段の緊張しない状態がわかる。
2.準備不足を解消する
2-1.練習は本番のように
スポーツの世界などでは、緊張とは準備(練習)不足が原因だという言葉をよく耳にします。
本番を意識した十分な準備ができれば、理論上は緊張はしないということです。
では十分な準備とはなんでしょうか?
それはズバリ、本番を意識したリハーサルです。
このリハーサルを、出来ているようで実は出来ていない人が多いのです。
しかし、本番さながらの緊張は意識しても出来るものではありません。
2-2.緊張ではなく、緊張感を作り出す
ここで大事になるのは緊張感です。
緊張ではなく、緊張感。
さて、この2つの違いはなんでしょうか?
緊張はさせられるもの
緊張感は自分で持つもの
つまり、自分でコントロール出来るか出来ないかの違いです。
緊張感を持ち、本番さながらの緊張をイメージ出来れば、ベストな状態で臨めるというものです。
緊張感を持つためには何かしら自分に負荷をかけることをオススメします。
例えば、
「これが100連続回出来るまでやる」
「これをミスなしで言えるまで暗記する」
「いつもやっていることを時間に計って前回よりタイムを意識する」
など、今までなんとなくでやっていたことに、少し課題を与えてトライしてみるといいでしょう。
すると、本番でもその課題が基準となって普段の自分を思い出しやすくなるでしょう。
POINT
緊張への対策は、本番を意識した準備から生まれる。
自発的に緊張感を持てば緊張に飲まれることはなくなる。
今やっている練習に少しの負荷をかけて自分のベストを覚えておく。
3.いつも通りの徹底化
3-1.本番は練習のように
続いては先ほどの逆の考え方です。
緊張に飲まれないためには、普段の自分をいつでも出せるようにすることが大切です。
普段、自分はどのように動作・行動・意識しているかを分析し、自分のいつも通りを研究しておきましょう。
3-2.自分流のルーティーンを確立すべき
ここでオススメなのが、ルーティーンをすることです。
ルーティーンとはいつも通りの動作の習慣のことです。
スポーツ選手などは、自分がベストな気分になれる行動を習慣化して、本番もいつもと同じ感覚で出来るように自分を信じ込ませます。
つまり、自分が安心するための動作なのです。
「ある食べ物を本番の日の朝に食べる」
「本番直前に10回ジャンプする」
「本番の日はこの服を着る」
など、自分がリラックスしてベストな精神状態で臨める習慣動作を探してみましょう。
POINT
普段通りの自分を分析、研究してみる。
行動を習慣化してしまえば、緊張した場面でも普段の自分を発揮できる。
自分が落ち着くルーティーンを探してみる。
4.リラックスする
ベストなパフォーマンスを行うためには、緊張状態とは反対のリラックス状態になることです。
人間は普段、リラックス状態にあります。
「1.緊張する仕組みを知る」 でもご説明した通り、緊張というのは硬直状態(体の力み)です。
1.呼吸
2.ストレッチ
3.声を出す
以上の3つの方法でリラックス状態に近づけてみましょう。
4-1. 呼吸
まずは普段、最も意識しないであろう呼吸に目を向けてみましょう。
深呼吸をゆっくり行い、自分の体内に新鮮な空気を送り込みます。
緊張している状態では普段より呼吸が乱れるので、呼吸リズムを意識的整えてあげることが大切です。
4-2. ストレッチ
緊張状態にあると普段、力を入れていないところに無駄な力が入っています。
このストレッチに、呼吸もしっかり意識しながらやるとさらにオススメです。
特に、指一本一本には大事な自律神経が通っているので、緊張状態の時ほどよくストレッチしましょう。
※自分はどの部分をストレッチすると気持ちがほぐれるか試してみましょう。
4-3. 声を出す
声は自信や緊張を特に表します。
自分の声が緊張しているとそれを脳が理解し、より緊張していきます。
緊張はしていても大きな声が出せれば脳は錯覚を起こし、緊張していないものとしてどんどんパフォーマンス力はアップします。
第一声で大きな声を出すことで、脳を緊張状態から自分を解放することが出来ます。
POINT
身体の緊張を解き、リラックスをするためには呼吸・身体・声を意識的に使ってみましょう。
意識的に緊張モードとリラックスモードを体で覚えると、本番でも切り替えがスムーズになります。
5.笑う
笑うという行為。
これも緊張とリラックスの性質を逆に利用したもので、
× 緊張する→筋肉が硬直する→笑えない
○ とにかく笑う→緊張してないと脳が錯覚する→リラックスしてくる
このような流れになっています。
そして、笑ってみると自然と自分でも楽しくなってきます。
緊張した場面を楽しめるというメンタルを持っておくと、緊張に飲まれることはないでしょう。
POINT
緊張した時ほど笑ってみてください。
必ずそれが楽しくなってきます。
いつでもどんな状況でも楽しむ心を忘れずに。
6.アドレナリンを出す
アドレナリンとは、極度の緊張状態に直面した時に人間の体内に生成されるものです。
いわば、「火事場の馬鹿力」で、一種の闘争本能が引き起こすベストな自分です。
これは、緊張していて初めて出せるパフォーマンスなので、緊張していることをマイナスに捉えなくて大丈夫なのです。
前項の「5.笑う」と近い状態になりますが、こちらはいわゆる興奮状態、戦闘態勢です。
本番でこそ燃えるような強い闘争心を持って、崖っぷちの試練を乗り越えれば自分の最大パフォーマンスを引き出せることでしょう。
少し、汗をかくようなウォーミングアップをしてみるのもいいでしょう。
POINT
自分の中に眠る闘争本能を引き起こすことで、ベストパフォーマンスを出す。
脳に、身体がフルスロットルとなるくらい情熱を燃やそう。
7.開き直る
もう緊張していっそ何も出来なくなるくらいなら、最終手段として開き直りましょう。
「出来なくて当たり前」
「失敗して当たり前」
ならばせめて出来ることを少しでもやって当たって砕けろ精神で挑みましょう。
むしろ良い意味での諦めに近い考え方です。
ですが完全に諦めた訳ではなく、全てを完璧に達成することを捨てて、出来ることに集中するということです。
緊張状態は1秒1秒が長く、一つひとつの行動が不安になります。
つまり、普段気にしていないことに敏感になっているのです。
それならいっそ少し雑になっても構いません。
気負いしすぎても良いパフォーマンスが出来ないのなら、ラクに出来る自分を解放してあげましょう。
POINT
大きな成功を収めるためには小さなことは気にせず挑もう。
他のことはミスしたとしても気にせず、自分の出来ることを最大限に集中することです。
そのためには勢いも大事。
8.あえてもっと追い込む
難しい課題を突破して自分を成長させたいのなら、あえてもっと緊張する状態に自ら追い込み、今の緊張を軽いものにしてしまいましょう。
自分に課題を課してその課題に集中していると、いつの間にか緊張はとれているというものです。
例えば、
ある舞台の演出家さんは俳優さんがセリフに集中してしまうクセを取るために、舞台本番である課題を俳優さんに課します。
それは、観に来ているお客さんの人数を芝居中に数えるというものです。
正確な人数は把握できなかったものの、その俳優さんの芝居は集中力が凄まじく、迫真の演技だったという話があります。
実際にこれを毎回やる訳にはいきませんが、どうしても緊張してしまって実力が出せないという人には多少の荒療治も良いのかもしれません。
POINT
自分をより高めるために必要な試練を与えてみると、自分が想像以上に成長する。
緊張はそのための大事な栄養のようなものと考えよう。
9.壁を乗り越えた経験を積む
毎回どうにか努力し、向き合って緊張を乗り越えた先にこそ成長はあります。
緊張をしない場面をいくら乗り越えても、成長は少ないです。
自信はあるものではなく積み重ねていくもの。
過去に積み重ねた体験の数々が脳内で「このくらいなら大丈夫」と安心させてくれます。
一度、似た経験をしておけば人間は対処が出来ます。
仮に失敗した経験だったとしてもそこから学び、失敗しないように修正出来ます。
POINT
最初から自信はなくていい。
一生懸命取り組んだ経験は、必ずそれが糧となり自信に変わっていく。
とにかくいろいろな経験をしよう!
10.考え方を変える
最後になりましたが、緊張の考え方を変えてみたいと思います。
緊張を完全に取り除くことは、実は出来ません。
自然になろうと意識した瞬間に不自然になるのと同じく、緊張しないようにすればするほど緊張は増します。
ならばいっそ、緊張することは大事だと思ってください。
緊張を持たずに人前に出ることの方が失礼なのです。
あとはその緊張をどう活かすかが大事です。
でも、緊張しているということはそれだけその場面をあなたが大事に想っている証拠。
だから気負いにせず、一生懸命に自分の出来ることに集中しましょう。
POINT
緊張の考え方を変える。
緊張は敵ではなく味方。
自分が一生懸命やっている証。
11.芸能人の緊張対策とは?
中居正広
あるテレビ番組で、緊張しやすいという女性視聴者の相談に、タレントの中居正広さんは「自分も緊張する」と、自身も緊張するタイプだと語ったことがあります。
大きなステージでのコンサートや、MCとしても大役を務める中居正広さんの緊張対策は「すごく準備をする」ことだそうです。
どんなことでも、緊張を和らげるためには、自信を持つことです。
自信を持つために、たっぷり準備をするのは、緊張感のある職業である芸能人にはよく使われる方法でしょう。
浅田真央
浅田真央さんは、フィギアスケートの現役選手だった時「口すぼめ呼吸」で緊張対策をしていました。
大きな大会などでは緊張しやすいという浅田真央さんは、演技が始まる前などに口すぼめ呼吸を実践していました。
口をすぼめて息をゆっくり吐くと、リラックス効果があり、浅田真央さん以外のフィギアスケート選手でもよく使われる緊張対策です。
呼吸法は、自律神経を整えて、リラックスするためにとても重要なので、日常でも取り入れたいですね。
JUJU
歌手のJUJUさんは、自身でも「緊張しやすい性格」と言っていますが、特に音楽番組で歌を披露する前など、ステージに立つ前はかなり緊張してしまうそうです。
そんなJUJUさんの緊張対策方法は、背中を思いっきり叩いてもらうことだそうです。
緊張をほぐすだけでなく、喝を入れてもらうようなイメージで、歌手の人がよく使っている対策方法です。
ローランド
ローランドさんは、以前和田アキ子さんと対談をした時に「今でもステージに立つ前は、緊張して手足が震える」という和田アキ子さんに対して「僕は緊張を筋肉痛だととらえています。」とし、緊張は未知への挑戦への不安からくるものだから、キャリアを重ねても、まだ緊張する和田アキ子さんは素晴らしいと称えました。
自分が成長するためには、緊張は必要なものだと前向きに考える、素敵な意見ですね。
12.まとめ
いかがでしたでしょうか?
自分にはこの方法が合う・合わないなどあると思います。
自分に合う緊張との向き合い方を探してみてください。
緊張しない人はいません。
緊張を味方に変える方法を知っている人が、本番に強くなります。
そして、最初から全て上手くいく人もいません。
失敗こそが成功の種。
全身全霊の想いで挑戦し、経験した自分を少しずつ好きになっていってください。
緊張は自分を強くしてくれる味方なのです。