マイクを持つ女性

通る声ってどんな声? 歌手やアナウンサーみたいな声になりたい

通る声とは?

歌手やアナウンサーの良く通る声は、とても聴き心地がいいですよね。
しかし「通る声」という表現をよく使いますが、通る声の特徴はどのようなものなのでしょうか。
通る声の練習をする前に、特徴を掴んでおきましょう。

通る声の特徴

・明るい声
・声量がある
・声の高さが中音域
・滑舌が良い
・表情豊か

自分の声が、人から聞くとどのように聞こえているか、客観的に見ることは難しいですよね。
声に自信がない人だけでなく、周りの人から「良く通る声だね」と言われたことがある人でも、通る声になる方法を実践してみると、さらに良く響く声になるかもしれません。


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声が通らない原因は何?

次に、声が通らない人には、どのような原因があるのでしょうか。
声が通らないと、遠くにいる人に声が届かないだけでなく、近くにいる人にも伝わりにくく、話していても何度も聞き返されることもあるでしょう。
通る声を出すためにも、通らない声の原因も知っておきましょう。

胸式呼吸で呼吸をしている

「胸式呼吸」は、ろっ骨とろっ骨の間の横隔膜を動かす呼吸法です。
胸式呼吸は、胸や肩が動くので、首や喉にも力が入り、声帯が圧迫されるので、声が出しにくくなります。
また、呼吸も浅くなるので、通る声に出すためには、深く呼吸が出来る「腹式呼吸」がおすすめです。

舌のコントロールが苦手

声の通り道を、舌で塞いでしまうことで、こもりやすい声になる場合もあります。
声が通らない人は「アー」と発声した時に、舌が奥に引っ込んで、喉を塞いでいることが原因になっているかもしれないので、確認しておきましょう。

体の緊張が強い

話す時や歌う時に、体に力が入ってしまうと、緊張で声帯まで圧迫されてしまいます。
例えば、緊張している時に文字を書いたり、細かい作業をしようとすると、手先に力が入らず上手くできないように、体に力が入ると、声や目、体の動きなど、様々な部分に影響します。

声帯のコントロールができない

声帯は、喉の奥にある2枚のひだで出来ている器官で、この声帯が振動すると声が出ます。
声帯は、完全に開いていても、閉じていても声は出ません。
声帯の2枚のひだに間に、適切な息が流れると、自然と振動して声が出る仕組みになっています。
適切な息が流れる状態で発声できれば、喉に負担をかけることなく、声を出すことができます。
しかし、このコントロールができていなければ、息が多く漏れてしまうなど、発声がぼやけてしまいます。

姿勢が悪い

声を出す時に、顔が下を向いていると、喉が圧迫されてしまいます。
首を下げていては、声も出しにくく、舌を動かしづらいので、滑舌も悪くなります。
同じように、猫背になったり肩が前に曲がると、声の通り道が狭くなるので、背筋を伸ばして正しい姿勢で発声しましょう。
緊張している時には、背中が丸くなり、顔もうつむきやすいので、姿勢も意識しておきましょう。

通る声になる方法

声が通らない原因を確認したので、ここからは、改善する方法を紹介していきます。
毎日のトレーニングで、よく通る声に近づきましょう。

舌のコントロールをする練習

通る声で発声をするには、下の前歯の内側に、舌先をつけて声を出しましょう。
一緒に舌のストレッチもしておくことをおすすめします。

舌のコントロール練習

①顎の方向に向かって舌を出し10秒間キープします。
➁舌を鼻の方に出して、10秒間キープします。
③下前歯に舌先をつけて「アー」という練習をします。

声帯をコントロールする練習

声帯に適度に息が流れる状態が、声帯閉鎖ができている状態です。
ボイストレーニングでも行われる声帯閉鎖の訓練は、声量を増やしてブレない声を出すトレーニングです。
声帯閉鎖のトレーニングもやっておきましょう。

声帯閉鎖の練習

①息を吐く吸うの動作を繰り返します。
➁喉に集中して、吐いている時に息を止め声帯が閉じている感覚を掴みます。
③再び吐いた瞬間に声帯が開く感覚も掴みます。
④低い声で「ンー」と言いながら声帯が震えているのを感じます。

※この感覚を覚えて、発声する時には声帯の動きを意識しましょう。

リップノイズを防ぐ練習

話す時や歌う時に出る、唇を開けた時の「ぺちゃ」という音をリップノイズと言います。
マイクで話す時には、リップノイズの音も拾ってしまうので、全体的に聞き取りにくい発声になります。
リップノイズを防ぐためには、練習と言うよりも、対策が効果的です。

リップノイズを防ぐ方法

・水分を取って口の中の潤いを保つ
・唇の乾燥対策
・歯磨きをする
・空腹を避ける

※糖分の多い飲み物は、口の中が粘つきやすいので、避けましょう。

通る声になる呼吸法?

声が通らない原因を確かめて、改善方法を紹介しましたが、最後に通る声を出すために、とても重要な呼吸について解説します。

話す時や歌う時には、胸式呼吸ではなく腹式呼吸が適していると言われる理由は何でしょうか。
腹式呼吸では、空気をたくさん取り入れられることや、喉を痛めにくいという理由から、声を出すのに適していると言われることもあります。

しかし、それだけではなく、通る声を出すためには、声帯を震わせるコントロールが重要です。
特に、声のボリュームを調節するには、空気を出す量をコントロールする必要がります。
そうなると、骨が多い胸周りを使う胸式呼吸よりも、筋肉を使って横隔膜を動かす腹式呼吸の方が、吐く息のコントロールがしやすくなります。
息を多く吐いて出す大きな声も、息を少しずつ吐きながら出す小さな声も、微妙なコントロールを使ってできるようになれば、強弱があるブレない通る声を出しやすくなるということです。

腹式呼吸の練習

では、通る声を出すために、おすすめの腹式呼吸の練習方法を紹介します。

腹式呼吸の練習方法

①お腹に手を当てて、姿勢を正して息を吐き切ります。
➁5秒間かけて鼻から息を吸い、お腹が膨らんでいるのを確認します。
③5秒間息を止めます。
④10秒間かけて、ゆっくりと口から息を吐きます。

POINT

・10秒吐くのが苦しい場合は、自分のできる秒数からはじめましょう。
・上手くできない時は、前かがみで座った姿勢で練習しましょう。
・1日5回程度練習しましょう。

腹式呼吸は、発声だけでなく、免疫力アップやダイエットにも効果があると言われています。
普段の呼吸を腹式呼吸にすると、嬉しいメリットがありそうですね。

共鳴発声で通る声を出す

歌が上手い人や、声がよく響く人の多くは「共鳴」という発声方法を使っています。
ボイストレーニングでもよく使われる発声方法ですが、体の中にある共鳴腔という空洞部分で声を共鳴することで、明るく良く響く声を出すことができます。

体の中には、声帯の上にある咽頭腔、口の中にある口腔、鼻の空間にある鼻腔の3つの共鳴腔があります。
それぞれに響かせる方法を紹介します。

咽頭腔に声を響かせる方法

・舌の奥側をへこませて、喉の奥が見える状態にします。
軽く口を開け低音で「ンー」と言いながら、のど仏が振動しているのを確認しましょう。

口腔に声を響かせる方法

・口を開けて、舌の奥をへこませます。
中音で「アー」と声を出して、自分がイメージしているよりも少し高音に聞こえたらOKです。

鼻腔に声を響かせる方法

・口を閉じてハミングをします。
鼻に手を当てて、振動しているかを確認します。

共鳴発声の練習は姿勢を正して腹式呼吸で行いましょう。

自分の声が響いているのを意識して、話す習慣を心がけると上達していきますよ。

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