メンタルリープとは?
「赤ちゃんがグズるのは仕方がない!」「赤ちゃんは泣くのが仕事!」とは言うものの、グズッて泣きやまない赤ちゃんに悩まされるパパやママも多いのではないでしょうか。
赤ちゃんの認識力の発達段階が上がる時期についての学説が解説されている「The Wonder Weeks」の著者である、オランダのF.プローイユ博士の研究結果から、広まったのが「メンタルリープ」です。
メンタルリープって?
・赤ちゃんが成長する過程で、グズりやすくなったり、泣き止まなくなる特定の周期
F.プローイユ博士は、40年もの月日をかけて、赤ちゃんがグズりやすくなる時期を特定しました。
メンタルリープの影響で赤ちゃんは、生後20ヶ月までに、10回グズりやすくなる時期があるとされています。
メンタルリープの周期がある程度分かれば「何で泣き止まないの?」と悩む機会も少なくなりそうですよね。
メンタルループの周期や特徴について詳しく解説していきます。
また、赤ちゃんのメンタルリープがいつなのか、その計算方法も紹介します。
メンタルリープの赤ちゃんの様子は?
生後20ヶ月までの間に、10回ものメンタルリープに入ると言われる赤ちゃんですが、メンタルリープの周期に入ると、どのような変化が起こるのでしょうか。
メンタルリープの時の赤ちゃんの様子を様子を見ていきましょう。
機嫌が悪くなる
機嫌が悪く、すぐにグズるようになります。
まだ月齢が低い時には、何をしても泣き止まず泣き続けたり、1歳を過ぎると遊んでいてもすぐに怒ったりイライラした様子で不機嫌になるなど、すぐにグズる状態が続きます。
眠りが浅くなる
なかなか寝つけない、眠りが浅く、寝たと思ったらすぐに起きてしまうなど、目を覚ますことが増えます。
食欲がなくなる
ミルクの飲みが悪い、離乳食を食べないなど、食べる量が減るのもメンタルリープ期間によく起こる変化です。
食事中、授乳中にグズる赤ちゃんも多いです。
甘える
抱っこしておかないと泣き止まないなど、パパやママに甘えることも増えます。
特に、パパやママを認識できるようになった赤ちゃんは、少しでも離れたら泣いて怒るなど、べったりになってしまう場合もあります。
体調を崩しやすくなる
食欲がなくなったり、眠りが浅くなり睡眠不足になることもあり、風邪をひきやすくなったり熱を出すなど、体調を崩しやすくなるのも特徴です。
メンタルリープは、赤ちゃんの脳が急激に変化することが原因で起こります。
もちろん赤ちゃん自身は、自分が成長していることは分からないので、突然起こる脳の変化に対して、不安やイライラを抱えてグズって泣きやまなくなります。
では次に、メンタルリープの時、赤ちゃんの脳にはどのような変化が起こっているのかを解説していきます。
メンタルリープの周期
メンタルリープの周期を順に解説していきます。
生後20ヶ月までに、10回起こると言われているメンタルリープの名称や特徴を見ていきましょう。
五感のリープ/1回目(生後5週頃)
生まれてすぐの新生児の時期には、見る、聞くなどの五感の識別ができていません。
生後5週頃の「五感のリープ」の頃は、五感の感じ方が大きく変化する時期です。
パターンのリープ/2回目(生後8週頃)
生活の中の規則性に気づく「パターンのリープ」は、生後8週頃に起こります。
例えば、生活の中にあふれる匂いや音、その他にもミルクの味や母乳の味など、感覚のパターンがあることに気づきます。
推移のリープ/3回目(生後12週頃)
「推移のリープ」が始まる12週と言えば、赤ちゃんが生まれてからちょうど3ヶ月になりますが、手を口の中に入れてみたり、目の前で動くものの変化に気づくなど、物事が推移することが理解できるようになります。
出来事のリープ/4回目(生後19週頃)
生後19週になると、3回目までのメンタルリープを合わせて、「出来事のリープ」では、より一層認識力が高まります。
五感を使って、出来事を複雑に感じ取ることができるようになります。
関係のリープ/5回目(生後26週頃)
「関係のリープ」と言われる生後26週頃には、位置関係や相互関係を理解できるようになります。
例えば、自分と物との距離感なども分かるようになります。
分類のリープ/6回目(生後37週頃)
概念を持って分析する力を身に付けるのが、生後37週頃の「分類のリープ」です。
例えば、食べ物か食べ物じゃないかなど、色々なものを分類するようになりますが、まだまだ区別できるわけではないので、誤飲には十分注意が必要です。
順序のリープ/7回目(生後46週頃)
もうすぐ1歳になる時期に起こるのが「順序のリープ」です。
物事の順番が理解できるようになり、順番があるおもちゃを順序通りに使えたり、離乳食を食べた後にお茶を飲むなど、順番を覚えて自分で再現することができます。
工程のリープ/8回目(生後55週頃)
物事の工程(流れ)を理解できるようになる「工程のリープ」は、1歳を過ぎて順序を理解するだけでなく、自分の意思で変えることもできるようになります。
例えば、ママが歯磨きの準備をしている事が分かれば、それを理解して、やりたくない時には逃げたり隠れたりすることもあります。
原則のリープ/9回目(生後64週頃)
1歳半になるのが近い9回目のメンタルリープは「原則のリープ」で、物事のルールとなる原則が理解できるようになります。
「おもちゃを投げてはいけない」「ご飯の前はいただきますと言う」なども分かるようになるので、しつけをはじめても、しっかり伝わります。
体系のリープ/10回目(生後75週頃)
メンタルリープの10回目になるのが生後75週頃に起こる「体系のリープ」です。
これまで順序や原則を理解してきましたが、体系のリープでは自我が発達し、判断力も身につき始めます。
そのため「嫌だ!」「もっとやりたい!」などの自己主張が強くなり、パパやママは大変に感じる事も増えるかもしれません。
メンタルリープの計算方法
「実際に我が子のメンタルリープの周期を知りたい!」と思ったパパやママも多いのではないでしょうか。
メンタルリープの周期が分かっていれば「何で泣き止まないの?」「グズってばかりでどこか不調があるのか心配」などの不安も軽減されますよね。
メンタルリープは生まれた日ではなく、出産予定日で計算します。
例えば…
出産予定日が2022年10月1日の場合、1回目のメンタルリープは2022年11月5日ということになります。
「メンタルリープの時期だから泣いていても大丈夫」と思い込み過ぎるのも危険です。
赤ちゃんが普段の様子とは違う所はないか、確認は忘れずにしましょう。
メンタルリープの期間
1回目のメンタルリープが起こる生後5週頃と言えば、生まれてまだ1ヶ月の時になるので、パパやママにとっても、まだ子育てに慣れない時に始まります。
メンタルリープは、基本的に生まれてから2歳頃までの期間に起こると考えておきましょう。
また、生後3ヶ月頃からは、早い周期で赤ちゃんの脳も発達していくので「やっと落ち着いたと思ったら…」と何度も繰り返すメンタルリープに疲れてしまうかもしれません。
メンタルループでグズる赤ちゃんの対処法も知っておきたいですね。
メンタルリープの赤ちゃんのグズリ対策
メンタルループの時期の赤ちゃんが泣き止まなかったりグズったりする時には、どのような対処をするのが効果的なのでしょうか。
対処法も確認していきましょう。
スキンシップを取る
メンタルリープの時期の赤ちゃんは、自分自身の変化に不安な気持ちが大きくなっています。
そのため、泣いたりグズったり、パパやママから離れなくなるなどの変化が現れます。
いつもより、抱きしめたり、一緒に遊んだり、パパやママが楽しそうにスキンシップを取ることで、赤ちゃんを安心させてあげましょう。
様子を見守る
赤ちゃんが泣き止まないと「何とか泣き止ませなければ」と、何時間も抱っこをしたり、泣かないようにずっと付きっきりで遊んだりと、頑張っているパパやママの愛情も素敵です。
しかし、パパやママが頑張りすぎると、体力的にも精神的にも疲れてしまうこともあります。
「絶対に泣き止ませるぞ」と意気込まず、赤ちゃんの体に異変がないかを確認して、あとは泣いてる様子を見守るだけでも大丈夫です。
「ママじゃなかったら泣いてしまうから」と一人で抱え込まず、思い切って他の家族に任せてみると、意外とスムーズに泣き止むこともあります。
大変なことも多いですが、赤ちゃんの成長を一緒に乗り越えていきましょう。