子供は朝ごはんを食べていますか?
大人も子供も、睡眠・食事・運動を中心とした生活習慣は、健康な体を作るために重要である事はよく知られています。
特に成長期の子供は、生活習慣が心身の成長に大きく影響します。
そうと分かっていても…
・ゲームや習い事で忙しく、寝るのが遅くなる
・朝起きるのが遅くて朝ごはんが食べられない
・ダイエットで朝ごはんを食べない
など、実際には上手くいかないことも多いかもしれません。
しかし、成長期の子供にとって朝ごはんを食べるメリットはたくさんありますし、食べないデメリットについても真剣に考えておかなければいけません。
今回は、子供の朝食について解説していきます。
子供の朝食が大事な5つの理由
子供達も、学校で食育の一環として、朝食の大切さを学ぶ機会があるでしょう。
とは言え、子供が自ら進んでバランスの良い食事を毎日続けるのは難しいです。
子供にとって朝食が大事な理由を、親子で理解しておきましょう。
子供の朝食が大事な理由を5つ紹介していきます。
①体温を上昇させる
エネルギーを活発に使うためには、体を温めることも大切です。
眠っている間に下がってしまった体温を上昇させるには、朝食を食べるのが効果的です。
朝ごはんを食べずに、体温が下がったままでは、体が勝手にエネルギーを節約してしまい、やる気が出ません。
②生活リズムを整える
人間の体内時計は、個人の生活リズムによって整います。
体内時計には、個人差はありますが約25時間で繰り返されているため、24時間に合わせるためには朝食を食べる習慣でリセットすることが大切です。
このリセットがなければ、体内時計はどんどんズレてしまい、夜型になってしまいます。
さらに、朝食を食べることで、腸が刺激されて朝の排便リズムも整います。
③脳の働きを活性化させる
脳を働かせるには、食事から摂ったブドウ糖が必要になります。
つまり、朝何も食べずに学校で授業を受けても、本来の集中力や学習意欲は出ていません。
また、脳がまだ活性化されていない状態なので、授業中に眠くなったり、イライラしてしまう原因にもなります。
朝ごはんをしっかり食べて、脳のエネルギー源となるブドウ糖を摂取しましょう。
④体内のエネルギーを補給する
眠っている間にエネルギーを消費して、朝起きた時には、体内のエネルギーは足りない状態です。
そのまま朝ごはんを食べなければ、エネルギー不足の状態で動き出すことになります。
体力を使うためのエネルギーが不足していれば、体力がなく、疲れやすい体になってしまいます。
朝食でエネルギーを補給しておけば、脳も体も活動的になり、集中力もアップします。
⑤セロトニンを分泌させる
幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」が分泌されると、精神が落ち着きます。
セロトニンを分泌させるには、朝に太陽の光を浴びることが大事ですが「噛む」という動作もセロトニンの分泌を促します。
セロトニンが不足してしまうと、気分が落ち込みやすく、やる気も出ません。
さらに、精神を落ち着かせることができず、不眠の原因にもなってしまいます。
朝ごはんを食べないとどうなる?
朝ごはんを食べることで、脳や体が活発に動くようになることは、よく分かりましたよね。
では、成長期の子供が朝ごはんを食べない生活を続けていると、どうなるのでしょうか。
朝ごはんを食べないと起こる体の不調
・集中力の低下
・記憶力の低下
・イライラする
・体が重い、だるい
・疲労感が残る
・血糖値が不安定になる
・自律神経が乱れる
・筋肉量が減る
朝ごはんを食べると、エネルギーが補充されて脳や体が活発に動きます。
反対に、食べなければ、エネルギー不足で集中力や記憶力の低下やイライラ、倦怠感、疲れやすさなどの症状が出やすくなります。
また、朝食を食べなければ、血糖値が上がらず、低血糖になるなどの不調を起こす危険もあります。
さらに、自律神経が乱れる、筋肉量が減るなどの不調は、子供にとって成長を妨げる原因にもなりかねません。
自律神経が乱れれば、夜眠れないなどの不調が現れたり、筋肉量が減れば運動能力や基礎代謝が落ちてしまうことも考えられます。
理想の朝食は?
朝食にはたくさんの効果があると分かれば、その効果を最大限に発揮できる朝食を食べさせてあげたいですよね。
子供の朝食で意識するべきことを解説していきます。
子供の朝食に欠かせない栄養素
炭水化物
脳に送るエネルギーの源となるのが「ブドウ糖」です。
ブドウ糖は、ご飯やパンなどの炭水化物を食べて、それが分解されることで小腸に吸収されます。
朝食で炭水化物を食べることで、脳の働きを良くする効果が高まりますが、炭水化物だけで済ませてしまうと、血糖値が急激に上がることもあります。
おかずなどで、他の栄養も一緒に摂ると、血糖値の上昇を抑えることもできます。
また、炭水化物の中でもパンよりご飯の方が血糖値が上がりにくいですよ。
タンパク質
成長期の子供にとって、体の成長に欠かせないのが必須アミノ酸です。
必須アミノ酸は、食べ物では、肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などのタンパク質から摂取できます。
朝食では、ご飯やパンなどのタンパク質と一緒に、卵焼き、納豆、焼き魚、ヨーグルトなどを食べる習慣をつけましょう。
脂質
脂質を摂りすぎると、肥満になる可能性があるため、子供の食事でも抑えている家庭もあるかもしれません。
しかし、成長期の子供にとって、ある程度の脂肪を体内に蓄積することは、ホルモンや細胞を作るのに必要です。
とは言え、お菓子などの甘いもので脂質を摂るのではなく、焼き魚や乳製品、ツナ缶などの食品から摂取することが重要です。
果物も朝に食べる
ビタミンや糖分が豊富な果物も、朝食で食べれば、すぐにエネルギー源として働いてくれます。
バナナやミカンなど、皮をむくだけで簡単に食べられるものは、調理する負担もなくビタミンや食物繊維が摂取できます。
また、ビタミンCやポリフェノールが含まれる果物であれば、美肌効果も期待できるので、肌荒れに悩む思春期の子供にも、おすすめです。
子供が朝食を食べない時はどうする?
小食な子供や、朝スッキリ起きられない子供の場合、どんなにバランスの良い食事を準備しても食べてくれないこともありますよね。
特に小学校高学年、中学生くらいになると「朝ごはんを食べると動けない」「ダイエットで食べたくない」など、本人の意思も強くなり、わざと食べなくなる子供も増えてきます。
子供が朝食を食べてくれない時の対処法も紹介しておきます。
スムージーやスープにしてみる
朝ごはんが進まない子供には、体にスッと入りやすいスムージーやスープがおすすめです。
スムージーには、ヨーグルトや牛乳などの乳製品、バナナやリンゴなどの果物、ほうれん草や小松菜などの野菜などバランスよく入れるのが理想的ですが、偏食気味の子供の場合、無理をして苦手なものを入れずに、出来る範囲でバランスをとってみましょう。
スープも、最近はレンジで簡単に作れるレシピもたくさんあります。
豆腐、卵などタンパク質もしっかり摂れるように意識しましょう。
少し早めに起こす
朝ごはんを食べない子供の多くは、起きてから家を出るまでの時間に余裕がない場合が多いです。
時間がなくて食べられない子供もいれば、起きてすぐには食欲が出ない子供もいます。
少し早めに起きて時間に余裕があれば「少し食べてみようかな」と思う余裕もできます。
また、夜遅くにお菓子やジュースなど胃に負担がかかるものを食べていると、朝の食欲に影響します。
全てのメニューを少量にする
しっかり朝ごはんを食べて欲しいからと、多めに出してしまっていませんか?
朝ごはんを食べたくない子供にとって、負担にならないような量の朝食を出してみましょう。
「これくらいなら食べられるかな?」と思えば、少しずつ食べる習慣がつくこともあります。
子供の朝食は成長にとても大事な習慣ですが、毎日のことなので負担になると余計に食べられなくなってしまうこともあります。
続けられるメニューや分量で、朝食を食べる習慣をつけることを重視しましょう。