呼吸する女性

腹式呼吸とは?姿勢や声も良くする腹式呼吸のやり方を解説

腹式呼吸とは?

最近は、健康法など様々な視点からも「呼吸法」に注目される機会が増えてきました。
呼吸法を変えれば、体に様々な影響がありますが、様々なメリットがある呼吸法の中でも「腹式呼吸」が注目されています。

一般的に普段の呼吸は、助骨の間にある筋の動きが目立つ「胸式呼吸」になっている人が多いでしょう。
胸式呼吸は、呼吸が浅いというデメリットがあり、息を吸う時に肩が動いたり、深呼吸をする時には先に息を吸うという特徴があります。

一方「腹式呼吸」は、横隔膜が活発に動くため、息を吸った時にお腹が膨らむのが特徴です。
腹式呼吸では、空気をより多く吸い込むことができるので、健康面でも推進されている呼吸法となります。

特に、呼吸は自律神経との関りが大きいため、呼吸を整えることで、心身のバランスをコントロールできると言われています。
普段から、空気をたくさん取り入れることができる「腹式呼吸」をすれば、心や体に良い影響があるでしょう。

腹式呼吸のメリットは?

呼吸は、起きている時でも寝ている時でも、特に意識をせずに自然としているので、すぐに呼吸法を変えるのは、難しく感じるかもしれません。
しかし、呼吸を整えておけば、メリットもたくさんあります。
腹式呼吸のメリットから見ていきましょう。

腹式呼吸のメリット

・リラックスできる

腹式呼吸が出来れば、自律神経の副交感神経が優位になり、体をリラックスさせることができます。
さらに、酸素がたくさん脳に送られるため、感情のコントロールに必要な「セロトニン」の分泌が増えるので、気持ちを落ち着かせる働きもあります。

・代謝を良くする

腹式呼吸では横隔膜を大きく動かすので、内臓も刺激されて、血行が良くなります。
血行が良くなれば、末端の冷え性の改善や、ダイエットなど、女性にうれしい効果も期待できます。

・インナーマッスルを鍛える

腹式呼吸では、腹部をよく動かすので、呼吸をする度に腹筋を強化できます。
特別な筋力トレーニングをしなくても、インナーマッスルを鍛えられます。
また、腹筋が鍛えられることにより、姿勢が良くなることもメリットの一つでしょう。

・声がよく出る

腹式呼吸をすると、声が出やすくなり、声量も増えます。
ボイストレーニングなどでは、必ず腹式呼吸のレッスンが行われていますよね。

このように、腹式呼吸には様々なメリットがあります。
自律神経が乱れてしまうと、体に様々な不調が現れるので、体質改善のためにも呼吸法はとても重要だと言えるでしょう。

腹式呼吸のやり方は?

普段は胸式呼吸と腹式呼吸を、併用している人がほとんどです。
起きている時には、胸式呼吸になっている人も、寝ている時など体を横にしている時には、腹式呼吸になるので、息を吸った時にお腹が膨らみます。
そのため、はじめは、仰向けに寝た状態で練習を始めるのがおすすめです。
では、具体的な「腹式呼吸のやり方」を解説していきます。

腹式呼吸のやり方

①あお向けで横になり、横隔膜が動きやすくするため、膝を曲げておきます。
片方の手を胸の上に置き、もう片方の手をお腹の上に置きます。

②次に、息を吐きながらお腹をへこませていきます。
息を吐き切ったら2秒間息を止め、息を吸いながらお腹を膨らませていきましょう。

③この呼吸をゆっくり繰り返しながら、手で胸が動いていないか、お腹がしっかり膨らんでいるか を確認します。

【POINT】

・息を吸うのは3秒くらい、吐くのは6秒くらいのイメージで行います。
・吸う時は鼻から、吐くときは口から呼吸をします。

最初は毎日5~10分ずつで練習していきましょう。

腹式呼吸の練習方法

「腹式呼吸のやり方」での練習がスムーズにできるようになれば、さらに違う練習方法で呼吸法を身につけていきましょう。
寝た状態での腹式呼吸に慣れてきたら、椅子に腰かけて、座った状態で練習をしてみます。

座った状態での腹式呼吸の練習

①椅子に座って、膝の上に頬杖をつきます。

②そのままの姿勢で息を吐き切って、体の力を抜きます。

③ゆっくり鼻から息を吸うと、自然とお腹が膨らんでいくのが分かります。

【POINT】

・お腹に手を当てて、しっかり膨らんでいるか確認しながら行いましょう。

上手くできるようになれば、頬杖をつかずに、姿勢を正して、同じように腹式呼吸をしてみましょう。
肩が動いていないかを意識して、必ず呼吸は吐く方から始めます。

次に、座った状態でも安定してできるようになれば、立った状態で練習していきましょう。

立った状態での腹式呼吸の練習

①少し足を開いて、体が安定する体制で立ちます。

②肩の力を抜いて、ゆっくり息を吐いていきます。

③2秒間息を止めて、鼻から空気を吸い込みます。

【POINT】

・立った姿勢での腹式呼吸では、体の重心を安定させるのが大切です。

立った状態では、姿勢を意識し過ぎて、体が緊張してしまいますが、リラックスしなければ呼吸は上手くできません。
重心を安定することも重要ですが、呼吸を最も重視して練習しましょう。

腹式呼吸のコツ

腹式呼吸の練習をしても、なかなか難しいという人も多いのではないでしょうか。
慣れた呼吸法を変えることは、簡単なことではありませんよね。
しかし、コツさえつかめば、スムーズにできるようになります。
そこで、腹式呼吸のコツを紹介していきます。

・焦らない

腹式呼吸の練習をして、できるようになっても、意識していなければすぐに胸式呼吸に戻ってしまいます。
そうすると「できない」と思ってしまうかもしれませんが、毎日の練習の積み重ねで、自然と身に付いて行くので、焦らず諦めずに練習していきましょう。

・ベストな体勢を見つける

立った状態で腹式呼吸をする時には、重心を安定させなければいけません。
足を閉じたり、開きすぎたりると呼吸がしづらくなるので、肩幅に開き骨盤を起こします。
猫背になると、お腹に力が入らないので、下腹に力が入る姿勢で立ちます。

・顎を引く

意識して呼吸をすると、顎が上がりやすくなりますが、顎は少し引くのが正解です。
頭の上から糸で吊るされているイメージで、かかとから後頭部までが一直線になるように意識しましょう。

・リラックスする

腹式呼吸は、体がリラックスした状態で行うと、上手くいきます。
寝た状態で腹式呼吸をするように、お風呂に入っている時など、家で自分がリラックスできる状態で練習をしてみましょう。

腹式呼吸と声の関係とは?

腹式呼吸ができると、声が良くなるというのは本当なのでしょうか。
実際に歌手や声優など、声に関わる仕事をしている人は、腹式呼吸を練習して、身に付けています。

実は「良く通る声」は、呼吸の仕方が関係しています。
そのため、普段から「声が小さい」「声が聞き取りにくい」と言われてしまう人は、呼吸法を腹式呼吸に変えると、改善するかもしれません。

声は吐く息が声帯にぶつかって出ています。
胸式呼吸に比べて、吐く息の量が多い腹式呼吸では、声帯が振動しやすくなり、通る声になります。
声質や声量にコンプレックスがある人は、腹式呼吸を意識してみると、相手が聞き取りやすい声に変わります。
普段の会話で、腹式呼吸を使うには、話す最初の文字で息を吐くことを意識すると、上手くいきますよ。

呼吸法を改善して、良い声も健康な身体も手に入ると嬉しいですね。

声優の声の出し方や声質とは?発声練習の方法も解説!