3_声優の年齢制限[1]

声優に年齢制限はある?

声優になるのに年齢制限はあるの?

「声優」という職業自体には年齢制限がありません。声優は声を主体とした仕事なので、俳優やタレントのように自分の顔をテレビなどに出す機会は少ないです。見た目のイメージよりも声のイメージが大切なので、実年齢よりも声の印象によって仕事が与えられることがほとんどです。例えば、アニメや映画の吹き替えといった仕事では、大人の女性が少年の声を演じることもあれば、30~40代の人がお年寄りの声を演じることもよくあります。また、動物の声や機械の声など人間以外の声を演じることもあるため、求められたことができる実力さえあれば、あまり年齢は問われない職業だといえます。

反対に、どれほど若くても実力が伴っていないと、声優という仕事を続けていくことは難しいでしょう。これから声優を目指そうと考えているのなら、仕事に対する情熱と実力を磨くための努力をし続ける覚悟が必要です。その覚悟さえあれば、何歳からでも声優を目指すことは可能です。しかし、年配者の場合、体力や物覚えの良さも10代や20代の若い人とは違いますから、声優として一人前になるには若い人より何倍も努力しなければいけません。また、声優という職業自体に年齢制限はないものの、さまざまな場面で年齢制限が設けられているケースもあります。

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年齢制限があるケース1:養成所の入所

声優になるための第一歩として、養成所への入所を考えている人も多いでしょう。声優にはアニメや映画の吹き替え以外にもナレーションなどさまざまな仕事があります。仕事の内容によって発声方法や表現方法も変わってくるため、養成所できちんとした指導を受けることはプロの声優になるにあたって必要なことです。特に、30代以上で声優を目指す場合には、技術を効率的に身に付けるためにも養成所への入所は検討しましょう。しかし、声優の養成所によっては、入所に際して年齢制限を設けているケースもあります。上限を「40歳くらいまで」としているところが多いので、養成所を選ぶときにはまず年齢制限の確認をすることが必要です。

養成所によってはもっと若い世代を対象としているところもあるので、もしも入りたい養成所が決まっているのなら、早めに年齢制限について確認したほうが良いでしょう。また、養成所を選ぶときには、同世代が多く通っているところを選ぶという方法もあります。周りが若い人ばかりだとなじめず、養成所に通うのが苦痛になってしまう人もいるかもしれません。同じ世代の人なら苦労や悩みも共感することができ、レッスンにも前向きに取り組めることでしょう。

年齢制限があるケース2:オーディション

声優という職業は、待っていれば仕事が来るというものではありません。仕事を得るためには自らオーディションを受け、仕事を獲得していく必要があります。ベテランの声優でもオーディションによって仕事を得ている人は多く、駆け出しの声優ならなおさら数多くのオーディションを受けていかないといけません。しかし、オーディションに年齢制限が設けられているケースもあります。声優の仕事内容はさまざまですから、オーディションによって応募条件に年齢の上限が定められていることも珍しくありません。条件の上限年齢を超えているなら応募資格はありませんから、そもそもそのオーディションを受けることはできないのです。

また、求められている人材が若い人だった場合、オーディションを受けることができたとしても年配者が採用される確率は低くなります。オーディションを受ける際には年齢制限の確認だけではなく、どのような声優が求められているのかを見極める必要があります。自分がやりたい仕事のオーディションにチャレンジすることも良いですが、「自分に合っている仕事」のオーディションも視野に入れましょう。

年齢制限があるケース3:タレント性のある声優

ひと昔前の声優は、声のイメージを崩さないようにと顔出しをしない人が多くいました。しかし、年々タレント性のある声優が増えてきており、顔出しすることも一般的になってきています。声優業界の傾向として若手声優の一部がアイドル業界化しており、歌って踊れてルックスも良い声優が人気を集めています。例えば、アニメのキャラクターの声優を演じた場合、キャラクターそのもののファンになる人も多いので、キャラクターのイメージをそのまま声優に持つ人もいるのです。キャラクターとの間にギャップが生まれないよう、声優には声だけでなくルックスが求められるケースも少なくありません。

こうしたタレント性の高い声優は、雑誌やテレビに顔を出したりファンとの交流の場に姿を見せたりするなど、実際のアイドルと変わらないような活動もします。タレント性が求められるような層で声優として活躍していきたいなら、年齢は若いほうが有利になるでしょう。10~20代の声優が主になるので、30代以上の人が声優を目指すのなら、ほかのジャンルで活躍できる場を探す必要があります。

30代や40代で声優を目指すことはできる?

声優を目指すのなら、若いうちからチャレンジしたほうが可能性も広がり、経験もたくさん積むことができます。しかし、30代や40代であってもこれから声優を目指すことは可能です。ひと口に声優の仕事といってもさまざまなものがあり、地方のイベントでのナレーションや司会進行を声優が行うこともあります。企業の研修用ビデオやプロモーション動画のナレーション、地方自治体の紹介映像への吹き込みなども声優の仕事として扱われます。声優というとアニメやゲームの吹き替えなどを想像しがちですが、それ以外のこうした分野では落ち着いた声や話し方が求められるので、30代以上の人が活躍しやすい場です。

声優の仕事では個人の評価が次の仕事へとつながっていきます。一つ一つの仕事を誠実にこなして人間関係を広げていくことで、若くなくても活躍の場を得ることは可能です。むしろ一度社会に出た経験のある人のほうが、仕事上のマナーや言葉遣いがきちんとしており、仕事相手に良い印象を与えることも多くなっています。これまでの人生経験をうまく活かすことができれば、自分の強みになるでしょう。

年齢を重ねてから声優を目指すときに覚えておきたいこと

年齢を重ねてはいても声優を目指したいと考えたときに、覚えておくと良いことがあります。まず、年齢を理由にして、努力することを諦めてしまわないことです。声優業界も時代の流れや流行りによって、求められる声は変化しています。声優は技術や演技がうまいからという理由だけでは仕事はもらえず、仕事に恵まれる運も実力のうちです。年齢を重ねてからでも声優の夢を諦めずにチャレンジしたいなら、思い切ってやってみるのが良いでしょう。

次に、30代以上になってしまうと「若さ」という武器を使えません。お金はかかりますが、時間はかけずに事務所に所属したほうが声優になるための近道になります。声優事務所に直結している養成所やスクールに入会することで、事務所所属までの時間を短縮できます。

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