子どもの社会性とは
最近の教育では「子どもの社会性を育てる」ことが注目され、学校教育や習い事などでも「社会性を身に付ける」ということを、意識している様子が感じられます。
社会性とは、社会生活や集団生活を送る中での資質や能力のことを言います。
大人になってからはもちろん、子どもの時にも学校生活や友人関係の中で、社会性が求められる場面は多いです。
社会性がある人の特徴は…
・人間関係を築くのが上手い
・リーダーシップがある
・集団をまとめるのが上手い
・協調性がある
・自己主張ができる
・ポジティブ思考
など、あらゆる面から見て、コミュニケーションが得意な人が多いです。
社会性が高く、コミュニケーションが得意であれば、周りにいる人からも信頼されますし、自分自身も充実した生活が送れるでしょう。
子どもの社会性を高めて、コミュニケーションが得意な子に育てる方法を紹介していきます。
子ども社会性を高めるメリット
はじめに、子どもにとって、社会性を高めることで、どのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。
社会性を高めるメリットは?
①たくさんの人に好かれる
②集団生活が上手くいく
③積極的な性格になる
④進学や就職にも役立つ
それぞれのメリットを詳しく見てみましょう。
①たくさんの人に好かれる
社会性が高い人は、ポジティブな考え方であったり、聞き上手で協調性もあるので、周りの人から好かれる要素が揃っています。
社会性がある人は、コミュニケーションを取るのが上手いので、仕事でも日常生活でも充実した生活が送れます。
②集団生活が上手くいく
一人で過ごしたり、特定の人と過ごすことが好きな人でも、学校や会社など、様々なところで集団生活を送らなければいけないことがあります。
人見知りな性格、マイペースな性格で、一人で過ごすのが好きな人でも、社会性が身についていれば、集団でのコミュニケーションでは切り替えて、良好な人間関係を築けます。
③積極的な性格になる
社会性が身につくと、積極性やリーダーシップなど、自己主張をしたり、集団の中で大事な役割を担う能力も育ちます。
消極的な性格では、自分に自信がもてなかったり、ネガティブな思考になりやすいですが、社会性を高めることによって、自分の意見を伝えることができて、積極性も育ちます。
④進学や就職にも役立つ
学校生活の中でも、社会性が高い人の評価は高く、積極的に生徒会活動や部活動をすることで、評価も上がります。
さらに、会社でもコミュニケーション能力が高く、社会性がある人は、上司や同僚からの人望も厚くなるので、出世にも繋がるでしょう。
子どもの社会性を高めるのに適した年齢
「子どもの社会性を高めるのは〇歳~」と決まっているわけではありませんが、年齢に合った方法で社会性を身につけていくと効果的です。
子どもの年齢の心の発達と、社会性の芽生えを見てみましょう。
【年齢別・心の発達】
◎乳児期(0歳)
・家族とのスキンシップで、愛情を受けながら心が成長していく時期
◎幼児期(1~3歳)
・自我が芽生え、遊びや生活の中での会話で社会性を学び始める時期
◎幼稚園・小学校低学年(4~7歳頃)
・集団生活の中で、コミュニケーションを学ぶ時期
社会性が芽生え、急激に発達するのは、家族以外と過ごす時間が増える、4歳頃からです。
幼稚園、保育園、小学校で、集団生活をおくる中で、大人との関わりとは違う、友達同士のコミュニケーションを学びび、思い通りにいかないことや、失敗繰り返して、探りながら社会性を学んでいきます。
3歳までの子どもは、家族との関わりで社会性を高めて、集団生活を送る準備をする時期と考えておきましょう。
子どもの社会性を高める方法
子どもの社会性を高めるためには、子ども自身がたくさんの感情を持って、自分の気持も、人の気持も理解できるようにしておきたいですね。
社会性を高めて、コミュニケーション能力を身に付けるためには、遊びの中で何を意識すればいいのでしょうか。
子どもの社会性を高める方法
①想像力を使う遊びをする
社会性に重要なコミュニケーション能力を発達させるためには、相手の人の気持ちや感情を理解する能力が必要です。
ヒーローごっこの様に、空想の世界でストーリーを考えながら進める遊びや、好きな絵を描いたり、自由に体を動かして踊ることでも想像力は高まります。
誰かと一緒に想像力を膨らませながら遊ぶと、人との関わりの中で「一緒に楽しむこと」をイメージしやすくなります。
②会話のやりとりが多い遊びをする
会話のやり取りは、コミュニケーションを学ぶために、とても重要です。
おままごとやお店屋さんごっこ、お医者さんごっこなどの「ごっこ遊び」は、たくさんの会話が必要な遊びです。
例えば、お店屋さんの役ならお客様との会話、お医者さんの役なら患者さんとの会話のように、立場や年齢、話す相手によって、コミュニケーションには多くのパターンがあることを学びます。
③外遊びも効果的
外遊びでは、景色の美しさや、気温の変化、花の匂いなど、五感を使って感じる事がたくさんあります。
人とのコミュニケーションは、言葉だけではありません。
その場の雰囲気や相手の雰囲気で、くみ取るコミュニケーションもあります。
五感で感じる感覚は、第六感と言われる直感的な部分も刺激するので、外遊びでたくさん五感を使って、場の空気や雰囲気を感じる社会性も磨いておきたいですね。
④絵本を読む
コミュニケーションに大切な会話には、言葉遣いや語彙力も影響します。
「伝えたいことが上手く表現できない」「言いたいことが上手く言葉にできない」となると、コミュニケーションが億劫になる原因にもなります。
言葉の表現を豊かにするためには、絵本の読み聞かせや読書がおすすめです。
たくさん本を読むと、想像力も高まります。
⑤お手伝いもおすすめ
おままごと遊びで、料理や洗濯の真似をして遊びながら、コミュニケーション能力を高める方法もおすすめですが、実際にお手伝いをしてコミュニケーションを取る方法でも、社会性が身につきます。
ごっこ遊びとはまた違い、実際に食卓に並ぶ料理を作ったり、家族が着る服をたたんで「ありがとう、助かったよ」と声をかけられれば、自分が家族の一員として役に立っているということや、自分の役割を担う責任感を学ぶことができます。
社会性やコミュニケーション能力が優れた人はみんな、同じようなタイプではありません。
例えば、リーダーシップを取るのが得意な人もいますが、リーダーを支えるサブ的なポジションで力を発揮する人もいます。
また、リーダー的な役割ではなくても、グループの中で困っている人はいないか、常に周りに気を配っている人も、社会性のある人と言えます。
子どもの社会性を高めるためには、様々な可能性を考えて、遊びの中でコミュニケーション能力を高めるように導いていきましょう。
社会性の成長を妨げないように注意が必要
子どもが遊びの中や集団生活の中で、どんどん社会性を学んでいく中で、親がその成長を妨げてしまわないようにすることも忘れてはいけません。
子どもの社会性の成長を妨げないための注意点も知っておきましょう。
◎行動を抑制し過ぎない
子どもは失敗を繰り返しながら、社会性を身につけていきます。
お友達と遊ぶ時には、おもちゃの取り合いや、ケンカになって手を出してしまわないかと、ヒヤヒヤすることも多いかと思います。
もちろん、ケガをさせたり、物を壊すことは避けたいですが、ケンカになりそうになったタイミングで引き離したり、ケンカにならないようにおもちゃを2つ準備するなど、ケンカが起こらないように事前に対応していては、社会性が身につきません。
子どもが自分で考えてどんな対応をするのか見守ることも大切です。
◎子どもだからと何でも許すのはNG
「子どもの気持を尊重したい」「小さい時はのびのび育てたい」という考えは大切ですが、何をしても叱らない、止めないとなると「やってはいけないこと」がいつまでたっても子供に伝わりません。
子どもの言動を見守りながらも、ダメなことは「ダメ」と伝えましょう。
しかし「次やったらおもちゃを取り上げるよ」など、無理やり抑制するのではなく、なぜダメだったのかを理解できるように伝えましょう。
子どもの社会性を高めるためには、集団生活だけでなく、日常的な家族との関わり方でも変わってきます。