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アイドルとは何?歴史や今後のアイドル像を考察

2019.10.29 / アイドル

アイドルといえば、男性が熱中するもの・・・。ひと昔までは、そんなイメージが一般的だったのではないでしょうか。

しかし最近はアイドル戦国時代といわれ、男女共に「アイドル」を名乗る様々なグループが世に出てきました。それと同時に、「アイドル=男性が好むもの」という図式も崩れ、今では女性アイドルに女性ファンがつくことも珍しくありません。

けれど近頃は、「そもそもアイドルとは何か?」と疑問を抱く人が多くなりました。アイドルを目指す人が、普通の人たちと同じことをしても埋もれてしまうだけです。目立つ存在であるためには、どうにかしてお客さんの印象に残らなければなりません。そのためアイドルたちは、今では様々な「個性」を前面に出して、伸び伸びと活動している方がほとんど。「アイドルがこんな活動をしていいの・・・?」と、ファンではなくても時に不安になることもあるでしょう。

ではアイドルの歴史や、現在のアイドルの様々な形まで、一緒に見ていきましょう。アイドルの背景を知れば、「アイドル」の思わぬ奥深さを発見するかもしれません。

アイドルとは「理想」を演じる役者

「あの子は学校一のアイドルだ」なんて、集中的な人気を誇る女子が学生時代に1人はいたのではないでしょうか。

アイドルは、英語にすると「idol」。神や仏のように、偶像を意味しています。「アイドルは夢を見せる仕事」だとよくいわれますが、アイドルは「アイドル」というキャラをつくってファンたちに夢を見せているのです。

例えば「恋人なんていません、ファンの皆様が彼氏です」なんて清楚可憐キャラを売りにしているアイドルが、ある日突然熱愛スキャンダルをスクープされる・・・ということは珍しくないでしょう。このように、アイドルは「偶像」。世の中の皆が「こんな女性(男性)がいたらいいな」と思う人物像を演じているのが、アイドルなのです。

アイドルの定義とは

ライターのカネコシュウヘイ氏は、アイドルの定義について「アイドルとは成長過程をファンと共有し、存在そのものが魅力的で活躍する人物」としています。

この言葉から考えると、音楽でもスポーツでも、ジャンル問わずに「ファンを獲得している人物はアイドル」といえるでしょう。つまりアイドルの線引きは、とてもあいまい。ファンたちから「あの人は私たちのアイドルだ!」と一方的に崇拝されるケースもあれば、アイドルという存在になりたくて「私はアイドルです!」と自ら公言する方まで様々なのです。

アイドルの歴史とは

「アイドル」の呼び方が広まったのは、1970年代から。それまでもアイドルのような存在はいましたが、アイドルではなく「スター」と呼ばれることがほとんどでした。

1971年に日本テレビで、「スター誕生!」という番組が始まりました。これはいわば、プロ歌手になるための登竜門のような番組です。この番組からデビューした若手歌手たちは「アイドル」と呼んで売り出され、これがアイドルの呼び方を広めるきっかけになったといわれています。

昭和時代の有名なアイドルといえば、例えば女性では、おニャン子クラブ、Wink、ピンク・レディー、松田聖子などが挙げられます。男性では、チェッカーズ、少年隊、近藤真彦などが代表的でしょう。

このように「アイドル」は、1人の呼称のこともあれば、グループを指すこともあります。

ちなみに令和時代におけるアイドルは、K-POP歌手、ジャニーズ、乃木坂46など秋元康プロデュースのグループなどでしょう。多くの熱烈なファンを抱えているという意味では、女優やモデルなども該当するかもしれません。しかし現代において「アイドル」の呼称は主に音楽活動をしている人(またはグループ)に使われることがほとんどで、それ以外の活動で使われることはほぼありません。

現代日本に急増中、様々なアイドルの形

アイドルの華々しい活躍を見て、「アイドルになりたい」と夢見る男女は多くいます。

少し前までは、テレビ越しに歌を唄う方が「アイドル」でしたが、アイドルの形は令和の今大きく変化しています。

例えば代表的なのは、一般的な「アイドル」をはじめ、ご当地アイドルといわれる「ローカルアイドル」、ファンとの交流をメインに活動する「地下アイドル」などです。

また最近ではインターネットの進化に伴い、非実在のアイドルも人気を博しています。例えば有名なのは、初音ミク。プログラムによってつくられプログラムによって動く、バーチャルアイドルです。実際に握手などができるわけではありませんが、スキャンダルをスクープされる心配や歳を重ねて引退する心配などがなく、ファンたちも安心して応援できるのが特徴です。日々進化するインターネット技術により、架空のアイドルが現実のアイドルと人気を二分する日はそう遠くないかもしれませんね。

これからのアイドルはこう変わる

AKB48をはじめ、秋元康がプロデュースするアイドルたちは「会いに行けるアイドル」をキャッチコピーとして売り出されました。

実際にその戦略は大成功を収め、握手券を買い求めて同じCDを100枚も200枚も購入するファンは珍しくありませんでした。しかしその反面、握手会でのファンとのトラブルも時々ニュースになっているのが気になるところです。

競争戦略でファンの購入意欲を高める

例えば松田聖子のような昭和清楚系アイドルは、テレビ越しに夢を売るのが仕事でした。実際に会うことが難しいからこそ、ファンの間で夢が膨らんでいたといえるでしょう。

しかし秋元康が打ち出したスタンスはまったく逆で、「会える」ことを武器としました。つまり現代のアイドルやこれからのアイドルは、ファンとの関係性も「商品」の一つ。テレビで観ていた美人アイドルと実際に目を見ながら会話を交わせることは、ファンにとってこれ以上ない夢の機会でしょう。親近感を売りにしているからこそ、「もっと話す機会をつくればもっと自分のことを覚えてもらえるかも」「もっと話す機会をつくれば自分に恋愛感情を持ってくれるかも・・・」などファンの間で競争は加速する一方で、その競争意識が売り上げへとつながっていくのです。

「会いに行ける」ことのメリット・デメリット

偶像であるアイドルたちが売っているのは、あくまで「夢」に過ぎません。「いつでも会える存在」なのはあくまで表面だけで、裏には臆病で傷つきやすい性格を隠しているかもしれません。あるいは臆病どころか、高飛車で傲慢な性格を隠していることもあるのではないでしょうか。

ファンは、「商品」として売られている部分が「偶像」に過ぎないことをきちんと認識しなければなりません。応援するのは素敵なことですが、あまりに独占欲が強すぎる考え方はトラブルの元になります。アイドルも結局は、一人の生身の人間。これからはどんどん「会いに行ける」時代が加速すると考えられますが、会いに行けるのを良いことに、歪んだ恋心を持ったファンに心身ともに傷つけられないようアイドル自身も注意する必要があるでしょう。

アイドルは、「偶像」と「素」の線引きを。またファンは「熱意」と「独占欲」を混同しないよう、それぞれが程よい距離で付き合えたら良いですね。

まとめ

アイドルの歴史は、昭和時代より脈々と受け継がれています。

しかし「アイドル」がどのような人物を指すかは時代と共に変化していて、かつての手の届かない存在から、今では会いに行ける身近さが売りになっていたり、あるいは存在しない架空の人物を指すこともあります。

個性が許容されつつある時代の流れと共に、これからのアイドルがどう変わっていくか、そしてどのようなアイドルが出てくるか楽しみですね。