映画スタッフの仕事とは?
多くの人に感動を与える映画作品を作るには、たくさんの映画スタッフが関わっています。
映画の最後に流れるエンドロールを見て、映画に関係する仕事がたくさんあることに驚いた経験がある人もいるのではないでしょうか。
映画スタッフの仕事には、監督やプロデューサー、カメラマンなど、映画を作る仕事だけでも多くの種類があります。
また、完成された映画作品をたくさんの人に届ける「映画を見てもらう」仕事もあります。
はじめに、映画を見てもらう役割の仕事について、紹介しておきます。
映画配給・宣伝
映画を制作すれば、どんな作品でも映画館で上映されるわけではありません。
映画の配給会社では「ヒットしそうな映画」や「期待値の高い映画」を買い付けて、上映する映画館を手配します。
また、映画がヒットするように、宣伝するのも映画配給会社の仕事です。
他にも、映画の宣伝だけを請け負う宣伝会社もあります。
映画の宣伝は、主にチラシやポスターの制作、試写会の開催などがあります。
映画評論家
メディアやネットで映画の評価をする仕事です。
映画評論家になるための資格はありませんが、映画に対する詳しい知識が必要なので、映画配給会社に務めていた人など、映画関係の仕事をしていた人が、映画評論家になるパターンが多いです。
様々な分野の映画を見て、的確な評価をすることが求められる職業です。
他にも、映画館のスタッフや映画関連グッズを販売するスタッフなど、映画を見てもらうための職業もたくさんあります。
次に、映画を作る仕事について、内容やなり方を詳しく見ていきましょう。
映画スタッフの種類・なる方法【脚本家・監督】
映画を作る仕事の種類は、本当にたくさんありますが、はじめに、映画監督、脚本家の仕事について紹介していきます。
脚本家
映画のシナリオを原稿にまとめて、映画脚本を作る仕事です。
あらすじやストーリーを考えるのはもちろん、物語の伏線や表現方法など、撮影シーンごとの設定も考えます。
面白い映画が作れるかどうかは、脚本家の実力が大きく影響します。
脚本家になるには、脚本について学べるスクールに通うのが一般的です。
他にも、公募などに応募して、入賞したり、俳優やカメラマンなど、映画に関わる別の仕事を経験していた人が、脚本家になるパターンも多いです。
映画監督
映画監督は、撮影現場の指揮をとる、責任者となる職業です。
映画に出演する役者のキャスティング、撮影のカメラワーク、役者への演技指導など、映画作りのメインとなる部分を担い、先頭に立って映画を作る仕事です。
映画監督になる方法は、映画監督に必要なスキルを学べるスクールに通う方法もありますが、ほとんどの人は、製作スタッフとして映画関係の仕事で経験を積んで、映画監督になるパターンが多いようです。
映画スタッフの種類・なる方法【カメラマン・照明・録音技師】
映画を作るためには、たくさんの技術スタッフの活躍が必要です。
カメラマン、照明、録音技師など、映画を作る技術スタッフについて、詳しく紹介します。
カメラマン
映画のカメラマンは、撮影をしたり、映像を専門的に調整する仕事です。
撮影に必要なカメラ、レンズ、フィルムなどを選び、撮影するアングルやカット割りを他のスタッフと打ち合わせをして行います。
映像関係のスクールや大学を卒業した人が多いですが、カメラマンになるまでに、カメラアシスタントを経験している人がほとんどです。
アシスタントとしての下積み経験は、10年以上という人も珍しくない厳しい世界です。
現場での経験が必要な仕事ということですね。
照明
映画の撮影で、照明を使った演出を担当する仕事です。
映画の雰囲気や出演者が、より魅力的に見えるように、照明機材なども考えて、ライティングをします。
芸術や映像について学べる大学や専門学校を卒業して、制作会社やテレビ局に就職し、照明スタッフになる人が多いです。
照明に関する機材の扱い方など、専門的な知識が必要なので、見習いとしてスキルを磨く必要があります。
録音技師
ピンマイクや「ブーム」と呼ばれる長いマイクを使って、映画の出演者のセリフを録音する仕事です。
重いマイクを持ち、カメラに映らないように声をひろうのは難しく、アシスタントとしての経験が必要となります。
制作会社や映像会社で録音技師アシスタントとして、見習い期間を経て、録音技師アシスタントになる人が多いです。
映画スタッフの種類・なる方法【デザイナー】
映画のスタッフには、デザイナーと呼ばれる美術スタッフや、タイトルデザイナーという仕事もあります。
それぞれの特徴や、なり方を見ていきましょう。
美術デザイナー・プロダクションデザイナー
映画の撮影に使われるセットを作る大道具・小道具などを担当するのが美術デザイナーです。
アメリカでは、大道具、小道具、ファッションなど映画全体の美術に関するプランを作るスタッフを、プロダクションデザイナーと呼んでいます。
美術的な分野を担当する仕事なので、芸術大学や美術大学、専門学校を卒業して、美術デザイナーを志す人が多いです。
タイトルデザイナー
アメリカでは、職業としてよく知られている「タイトルデザイナー」の仕事は、映画の台本を読み、監督やプロデューサーと話し合い、映画タイトルの文字デザインをする仕事です。
グラフィックデザインやアニメーションに関する知識が必要なので、タイトルデザイナーを目指すなら、学んでおく必要があります。
映画スタッフの種類・なる方法【メイクアップアーティスト・スタイリスト】
映画に出演する俳優・女優のメイクやファッションは、映画の雰囲気や演出に大きな影響があります。
メイクアップアーティスト、スタイリストの仕事についても紹介します。
メイクアップアーティスト
映画作品のコンセプトに合わせて、メイクの企画・提案を行い、出演者のメイクをする仕事です。
ヘアセットもできるヘアメイクアップアーティストの需要も高くなっています。
ヘアメイクの仕事で活躍する人には、専門学校でメイクの技術を習得している人がほとんどです。
特殊メイクなど、高度な技術があれば、映画業界で活躍できるメイクアップアーティストになれる可能性も高まります。
スタイリスト
映画のストーリーに合う衣装をコーディネートする仕事です。
ファッション誌のスタイリストとは違い、映画の時代背景や様々な設定に合わせたスタイリングを行うので、流行りのファッションだけでなく、服飾に関する豊富な知識も必要とされます。
スタイリストも、ファッション関係の専門学校で学び、ファッション誌でスタイリストの見習いからスタートするなど、経験も必要となります。
映画スタッフの種類となる方法【映画音楽家・編集技師】
映画作品を盛り上げて、さらに良いものにするため、音楽や編集は大事な役割を果たしています。
最後に、音楽家、編集技師の仕事の内容を紹介していきます。
映画音楽の作曲家
映画の内容を盛り上げるBGMなど、映画に使われる映画音楽を作曲する仕事です。
映画の主題歌は、人気アーティストが歌う楽曲が使われる作品が多いですが、映画作曲家はBGMなど映画の中で使われる曲を作ります。
映画音楽には、映画に合う曲を短い期間で作ることが求められます。
どんな映画のジャンルにも対応できるように、様々な分野の音楽を学ぶことと、コンピューターを使うなど、デジタル化に対応できるスキルを身に付ける必要がります。
編集技師
映像の素材を組み合わせて、音響効果なども加えながら映像編集を行う仕事です。
シーンのつながりや、シーンのピックアップなど、技術も根気も必要な職業です。
映像編集ソフトなど、使いこなさなければいけない機材も多いので、映像関係の専門学校などで学んでおく方が有利です。
映画に関わる職業は、他にもたくさんあります。
映画製作に興味がある人は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。