肺活量とは?
肺活量を簡単に説明すると…
最大限に息を吸った後、肺から出せる空気量のこと
みんな同じように空気を吸って吐いていますが、その空気量には個人差があります。
普段、無意識に呼吸をしている時には、1回の呼吸で500ml程度の換気をしていると言われています。
しかし、肺活量を測定すると、その数値には個人差があります。
肺活量が多くなると、どのようなメリットがあるのか、鍛える方法も詳しく紹介していきます。
肺活量の平均は?
肺活量は、体格、年齢、生活習慣などによって数値が変わりますが、はじめに「予測肺活量」を計算してみましょう。
予測肺活量の計算方法
【男性】(27.63-0.112×年齢)×身長
【女性】(21.78-0.101×年齢)×身長
例えば、身長170㎝、30歳の男性であれば…
(27.63-0.112×30)×170=4125.9
となります。
次に、肺活量の平均値を見ていきましょう。
肺活量の平均
【男性】3500~4500ml
【女性】2500~4000ml
肺活量は、年齢や身長によって差も大きくなるので、平均値に含まれていなくても、検査等で問題ないと言われることもあります。
また、肺や呼吸器の疾患などの理由以外で、肺活量が少なくても、鍛えれば増やすこともできます。
肺活量の検査
風船をふくらませる時などに「肺活量があるね」というような会話をすることはあっても、実際に肺活量を正式に測ったことはない人も多いのではないでしょうか。
肺活量を調べる「肺機能検査」では、どのような検査が行われるのでしょうか。
肺機能検査の種類
・肺活量
・%肺活量
・努力性肺活量
肺活量は、最初にも説明しましたが、空気を最大限に吸い込んだ後、吐き出せる量を調べますが、%肺活量は、予測肺活量に対しての実測肺活量の比率を調べる検査になります。
さらに「努力性肺活量」を簡単に説明すると…
「努力性肺活量」・・・空気を最大限に吸い込み、一気に吐き出した空気量
↳「1秒量」・・・努力性肺活量の最初1秒間に吐き出された空気の量
↳「1秒率」・・・努力性肺活量に対しての1秒量の比率
では、どのような方法で調べるのか、それぞれの検査方法についても知っておきましょう。
肺活量の検査方法
スパイロメーターという機器を使って、大きく息を吐いた時の数値を測ります。
測定の結果、%肺活量の判定などから、様々な肺機能障害を見つけるきっかけにもなります。
では、肺活量が多ければ、どのようなメリットがあるのかも見ていきましょう。
肺活量を増やすメリット
肺活量を増やすことで起こるメリットも知っておきたいですよね。
肺活量を増やすメリット
【①体力アップ】
酸素をより多く体内にとり入れることができれば、運動する時に使うエネルギーを多く作り出すことができます。
特に、持久力が必要なスポーツであれば、最大酸素摂取量を増やす必要があります。
肺活量を鍛えることによって、体力も向上し、持久力も身につきます。
【②免疫力アップ】
例えば、空気をたくさん体に取り込むことができる「腹式呼吸」など、呼吸法によって、免疫力が上がるという話を聞いた事はありませんか?
肺活量を鍛えて、体に酸素をたくさん取り込めば、血流が良くなり、体も温まりやすくなるので、免疫細胞が活性化されます。
【③ダイエット効果】
①の体力アップにより、有酸素運動など疲れやすい運動もやりやすくなり、②の免疫力アップで血流を良くすることで、基礎代謝が上がり、脂肪を燃焼しやすくなります。
つまり、肺活量を鍛えることは、ダイエット効果も期待できます。
【④趣味のスキルアップ】
スポーツ以外にも、肺活量を使う機会はたくさんあります。
例えば、楽器の演奏やカラオケ、などでも、肺活量を鍛えることで、スキルアップを目指せます。
このように、肺活量がアップすれば、健康・体力・美容など、様々なメリットがあると考えられます。
肺活量が多い人・少ない人の特徴
肺活量が多くなると、メリットがたくさんあることも分かりましたが、肺活量を鍛える方法を紹介する前に、肺活量が多い人、少ない人、それぞれの特徴を知っておきましょう。
肺活量が多い人の特徴
・マラソンや水泳の選手
・激しい運動をしている人
・歌手、楽器の奏者
このように、普段から空気を多く取り込むような活動をしている人が多いです。
肺活量が少ない人の特徴
・運動する習慣がない人
・喫煙している
・呼吸器疾患がある
・高齢者
呼吸器系の持病がある人や、年齢を重ねて心肺機能が低下している人などは、肺活量も少なくなります。
また、肺活量は運動習慣で鍛えられる部分も大きいので、運動習慣がない人は、肺活量も低下しやすくなります。
特に喫煙習慣がある人は、慢性閉塞性疾患(COPD)になるリスクも高くなるので、肺活量が少なってしまいます。
肺活量を鍛える方法
最後に、肺活量を鍛える方法について、紹介します。
自宅で簡単にできる肺活量を鍛えるトレーニング
風船を膨らませる
歌手や声優など、大きな声を持続して出す職業の人も、よく行うトレーニングです。
久しぶりに風船を膨らませてみたら、出来なかったという人も多いです。
肺活量を手軽に鍛える方法に最適なので、挑戦してみましょう。
風船を膨らませる肺活量トレーニングのやり方
・姿勢を正して深く息を吸い込み、頬を膨らませないように風船を膨らませる
慣れてくれば、一息で膨らませる大きさが変わってくるので、鍛えられている実感がわきます。
腹式呼吸を使って、風船を膨らませるように、意識しましょう。
ティッシュに息を吹きかけるトレーニング
壁につけたティッシュを、吹く息で落とさないようにするトレーニングです。
ティッシュを使ったトレーニングのやり方
・壁にティッシュを押し当てて、15㎝程度離れたところから息を吹きかけます。
ティッシュが落ちないように、徐々に秒数を伸ばしていきます。
肺活量を鍛える運動
肺活量を鍛えるには、心肺機能をよく使う水泳やマラソンなどの運動以外に、呼吸法がポイントとなるヨガやピラティスもおすすめです。
肺活量が多い有名人は?
実際に肺活量が必要な職業の人は、どれくらいの数値なのかも気になりますよね。
最後に、有名人の肺活量を紹介していきます。
土屋太鳳
日本体育大学に通っていたほど、運動神経が良いことでも知られる女優の土屋太鳳さん。
とあるイベントで肺活量を測定したところ、成人女性の平均を大きく超える5210mlを記録したそうです。
春日俊彰/オードリー
ボディビルダーとして、体を鍛えていることでも知られるオードリーの春日さんも肺活量が6890mlもあるそうです。
フィンスイミングの選手という経験も納得ですね。
ケレブ・ドレセル
競泳選手のケレブ・ドレセル選手は、息継ぎ回数が少ない「無呼吸泳法」で有名になりました。
競泳選手の平均的は肺活量が6000ml前後と言われる中、ケレブ・ドレセル選手の肺活量は、なんと8500mlです。
こうして見ると、肺活量は心肺機能だけでなく筋肉量や体の大きさとも関わりが深そうですね。
健康のためにも、しっかり肺活量を鍛えておきましょう。