オーディションに合格するためには、自分の得意なことやアピールポイントなど、長所を積極的に審査員に伝えることが大切です。長所をしっかり伝えることができるなら、審査員の応募者に対する評価はぐっと高まるでしょう。とはいえ、どんな点を自分の長所として伝えたらいいのかわからず、考え込んでしまう人は多いものです。
そこで、この記事では自分では気づきにくい長所を探す方法を紹介します。あわせて、どんな点を長所としてアピールするのが効果的なのか解説します。
自身では気づきにくい自分の長所
他の人が自分より優れているところはよく目についても、自分自身のよいところはなかなか見つけにくいものです。
オーディションでアピールできる自分の長所を探すひとつの方法は、周りの人に自分の評価を聞いてみることです。
自分が他の人を客観的に見ているのと同じように、他の人も自分のことを客観的に見ています。家族や友人など身近な人に、自分にはどんな長所があると思うか尋ねてみましょう。他の人の意見を聞いてみると、意外なところや自分では気づかなかったところを周囲の人は長所として見ていることに気づくかもしれません。
周囲の人の率直な意見を聞くうえでよい方法は、まず自分のほうからその人の長所をあげてみることです。
普段その人と接していて気づいた長所や見習いたいところをいくつかあげて、直接本人に伝えます。そのあとで自分の長所はどこだと思うかと尋ねてみると、相手も答えやすい雰囲気になり、長所をいくつかあげてくれるでしょう。
このようにして他の人から指摘された長所は、オーディションでは大いにアピールできる材料です。
自分自身が感じる長所を個人的にアピールしても、その評価基準はその人自身でしかありません。一方、周りから実際に評価されていることとして長所を紹介すると、そのアピールには根拠があります。そのため、審査員に理解されやすく、その長所をいっそう魅力的なものとして印象づけることができるでしょう。
長く続けていることはアピールポイントになり得る
自分の長所を探す別の方法は、子どものころから続けている習いごとやずっと継続している趣味などがないか考えてみることです。
長く続けていることが何かあれば、それを長所としてアピールすることができます。
ひとつのことを長く続けられるのは、それが自分の好みや感性に合っている証拠です。ひとつのことにかける時間を積み重ねることで、すっかり習得して自分のものとなっているかもしれません。スポーツや語学など、長く続けてきて自分のものとなっていることはそのまま長所としてあげることができます。
「長く続けてはいるものの、決して上手とはいえない」というケースもあるでしょう。
その場合でも、長所を見つけることは可能です。習いごとやスポーツなど長く続けていることには、長所が隠れています。たとえば、部活でサッカーやバスケットボールなどのチーム競技を続けているなら、協調性があるとアピールできます。趣味で釣りを続けているなら、魚をじっと待つ忍耐力があるといえるでしょう。
こうした経験を長所として説明する際には、過去のエピソードを利用しやすいのもメリットです。具体的なエピソードを盛り込むことで印象に残りやすくなり、審査員の心をつかむことができるでしょう。
短所も表現次第で長所にできる
「自分は短所ばかりで、長所がない」と思えるなら、見方を変えてみることが必要です。
短所は長所の裏返しであり、見る方向を変えれば短所を長所にできるのです。
たとえば、「自己主張が強すぎる」という短所は「積極的でリーダーシップをとるのが得意」という長所になり得ます。「問題を一人で抱え込んで悩んでしまう」という短所は「責任感が強い」という長所に、「計画性がない」という短所は「行動力がある」という長所に変えられます。
まずは自分が短所だと感じている部分をあげて、それを別の表現で言い換えてみましょう。
「心配症」という短所は、「計画性がある」「リスク管理能力が高い」「先のことまで考えることができる」などと言い換えられます。「あきらめが悪い」なら、「我慢強い」「忍耐力がある」「物事を最後までやり遂げることができる」などという具合です。
「自分は短所ばかりだ」と思っている人こそ長所を見つけやすくなる方法です。
他人よりも楽にできることは長所
自分には周りの人よりも楽しくできることがあるかを考えて、それから長所を見つけることもできます。
普通は人が「あまり楽しくない」「つらい」と思うようなことでも、自分にはそれほど苦にならないということが何かあるでしょうか。
一般の人がなかなかできないようなことを簡単にできたり、楽しくないと思われがちなことを楽しみながらできたりするのであれば、それは長所となり得ます。例をあげると、地味で単調な仕事を長時間黙々とこなすことができる、掃除や整理整頓が好き、などです。細かな計算を暗算でできる、筋力トレーニングが苦にならない、などでもよいでしょう。
他の人になかなかできないことが自分にはたやすくできるのであれば、それを長所としてだけでなく立派な個性として審査員に見てもらうことができます。個性をうまくアピールできれば、他の応募者との差別化ができて印象に残りやすくなります。自分には周囲の人よりも楽にできることがあれば、長所かつ魅力的な個性としてしっかりアピールするようにしましょう。
オーディションが求める人物像を意識
オーディションを受けるごとに、そのオーディションではどのような人物が求められているのか考えてみることも大事です。
アピールする長所は、求められている人物像に合ったものにしましょう。
オーディションで求められている理想的な人物像と自分との間に共通点を見つけたなら、それを長所として積極的にアピールするのです。たとえば、元気で前向きな性格のキャラクターが求められているなら、物事をポジティブに考えられる点や行動力があることなどをアピールできます。
一般的には長所としてとらえられる点でも、オーディションで求められている人物像のイメージと合わないときは、アピールしないほうがよいでしょう。
どれだけ魅力的な長所だとしても、理想的な合格者像のイメージにそぐわないと審査員に判断されれば、不合格となってしまうからです。おしとやかで静かなキャラクターが求められている場合には、明るく前向きであること、行動力があることなどはあえてアピールせず、別の共通点を探すのが賢明です。
ごく一般的な趣味や特技も長所になり得る
何か特別なことではなく一般的な趣味や特技でも、オーディションで紹介する長所になり得ます。
何の変哲もないように思えるごく普通のことでも、伝え方を工夫すれば特別な長所と思わせることが可能なのです。
仮に、応募者の趣味が歌を歌うことだとします。単に「私の趣味は歌を歌うことです。小さい頃から得意でした」などと紹介しても、審査員の心に残るものとはなりません。では、「私は歌を歌うことが大好きです。落ち込んでいる人も私の歌を聞くと、とたんに笑顔になります」と言い換えるとどうでしょうか。審査員の興味をそそり、ぜひ一度その歌を聞いてみたいと思わせることができるでしょう。
一般的な趣味や特技を自分の長所として紹介するときは、具体的な例をあげながらアピールするのがポイントです。
その趣味や特技によりどんなことを成し遂げることができたのか、周囲の人にどんな影響を与えてきたかなどを、具体例をあげてわかりやすく伝えるのです。そうすることで、普通の趣味や特技が特別なものとなり、いっそう魅力的に感じてもらえます。
採用したいと思わせることが大事
オーディションでは自分が採用されることを意識して、どんな点を長所として紹介するのかじっくり考えてみることが大切です。
また、オーディションで合格するのに必要な長所を伸ばすために、スクールで学ぶことも効果的です。魅力的な長所をうまくアピールして、オーディションの合格を目指しましょう。