念願の子役デビューが決まったら、お子さんはもちろんご両親も嬉しいですよね。
大事な演技の初仕事、「絶対成功させようね」と意気込んでいても、「記憶力」の壁に悩まされる親子は少なくありません。どうしても頭にインプットされない、セリフ。セリフが長ければ長いほど、すべてを記憶するのは大人でも困難なもの・・・。
けれどドラマや映画で活躍している子役たちは、長いセリフもすらすらと口から出てきます。彼らはいったいどのようにしてセリフを覚えているのでしょうか?
先輩子役や先輩俳優たちの体験談を紹介しますので、ぜひヒントにしてみてください。
子役のセリフの覚え方1「ひたすら口に出して覚える」
ドラマ「家なき子」をきっかけに、有名子役となった安達祐実さん。
彼女の公式ブログによると、セリフは「脳に映像を焼き付ける感じで覚えている」そうです。つまり文字として暗記するのではなく、まずは写真のように台本そのものを脳に焼き付けるのです。
そして頭の中の映像を元に、何度もセリフを口に出します。するといつのまにか、シーンに応じて自然とセリフが口から流れるそうです。ただ繰り返しの作業は、念入りです。散歩をしているときも車の運転をしているときもぶつぶつと復唱し、体に染みつくまでひたすら自分に叩き込んでいるそうですよ。
子役のセリフの覚え方2「違う人の目線から台本を読んでみる」
マルマルモリモリ・・・の歌で一世を風靡した芦田愛菜ちゃん。
彼女はセリフを覚えるために、違う人の目線から台本を読むそうです。
最初は丸暗記をしようと努力をするものの、どうしても覚えられないときは、別の人の立場になってその人の視点から自分の役を見ます。すると「人からどのように思われているか」が浮き彫りになってきて、役のセリフがスッと頭に入りやすいそうです。
子役のセリフの覚え方3「自分だけの物語をつくる」
「渡る世間は鬼ばかり」で、長年子役を務めてきたえなりかずきさん。
TBSテレビ「ブーブ★キッズ」でのインタビューによると、彼はイメージ記憶という方法でセリフを覚えているそうです。何行にもわたる長いセリフは、「次の文章はなんだっけ」と忘れがちです。だからこそ、イメージ記憶が役に立つのだと彼は言います。
イメージ記憶のやりかたは簡単。長いセリフを、細かく区切っていきます。そしてバラバラになったセリフのそれぞれで、絵や物語を思い描きます。思い描く内容は、役にまったく関係ないものでも大丈夫。イメージするものがめちゃめちゃであるほど、逆に記憶に残りやすいそうですよ。
子役のセリフの覚え方4「台本のすべてを読み込む」
フィギュアスケート選手でもあり、女優でもある本田望結ちゃん。
エキサイトニュースのインタビューによると、彼女はまず台本のすべてのページを読み、登場人物すべての関係とすべての感情を理解していきます。
「自分のセリフ」だけを覚えようとすると、どうしても役柄の感情が置いていきぼりになりがちです。そこで流れのすべてを先に理解することで、自分の役に感情移入がしやすくなり、結果として記憶力が上がるのだそうです。
その後は、台本を何度も何度も読みます。繰り返しページをめくりすぎて、台本がくしゃくしゃになるほどに。彼女は「1回読んだだけでは気付かなかったことも、10回読めば気付くこともあります」と言います。氷上やドラマでの洗練された演技は、地道な努力あってこそなのですね。
有名俳優が実践する意外なセリフの覚え方
次は、大人たちのセリフの覚え方について見ていきましょう。
先輩俳優たちのオリジナリティあふれる体験談は、きっと参考になるかもしれません。
田村正和
田村正和さんは、「古畑任三郎」において長い説明ゼリフをすらすらと話す姿が印象的です。
彼がトーク番組「ボクらの時代」に出演したときは、セリフの覚え方について「自転車に乗りながらセリフを覚える」と打ち明けていました。紙と1対1でじっくり向き合うのが苦手なタイプの方は、「ながら暗記」がちょうど良いのかもしれません。
吹石一恵
透明感あふれるたたずまいが印象的な、吹石一恵さん。
彼女も上記「ボクらの時代」での対談において、「料理をしながら覚える」とカミングアウトしています。
たとえば受験勉強のときでも、「ラジオを聴きながら勉強するとはかどる」など「ながら暗記」を好む方はたくさんいます。もし、お子さんが台本とじっくり向かい合うのが苦手なタイプなら、好きなことをやりながら片手間でセリフを覚えようとすれば、逆にうまくいくかもしれません。
中居正広
誰もが知る国民的アイドルグループを卒業した中居正広さん。
彼は映画やドラマの主役に抜擢されることも多く、長いセリフを話すシーンも少なくありません。バラエティー番組「身になる図書館」において彼が話すには、「セリフはいつもお酒を飲みながら覚える」とのことです。
子供にお酒を飲ませるわけにはいきませんが、お菓子を食べながらやジュースを飲みながらなど、おいしいものを頬張りながらセリフを覚えてみてはいかがでしょうか。
佐藤健
端正な顔立ちと洗練されたオーラが特徴的な、佐藤健さん。
そのハイスペックさから主役を任されることが多い彼ですが、「しゃべくり7」にゲスト出演したときには「セリフは音で覚える」と言っていました。
例えば、フランス語。ドラマでフランス語を話さなければならないシーンがあったものの、彼は「テープで録音した音をそのまま覚える」という方法で、フランス語のセリフを見事にクリアしたそうです。もちろんフランス語だけではなく、普段のセリフにも応用できるでしょう。台本を元に自分のセリフをテープに吹き込み、それを繰り返し聴きながら口に出してみてはいかがでしょうか。
大野智
国民的アイドルグループのリーダーでありながら、俳優業もこなす大野智さん。
彼は楽しみながら暗記するのが得意で、「相手のセリフを録音する」ことでその後に続く自分のセリフを覚えていく・・・というスタイル。
まだ相手役が決まっていない段階でも、大野さん自身が勝手にキャラをつくって録音するそうです。「自分で聴いていて楽しい」と思えるキャラをつくりあげるのがコツなのだとか。お子さんが好きなキャラクターを真似て相手役のセリフを録音してみれば、想像以上に記憶力がアップするかもしれませんね。
三浦春馬
甘いルックスとは裏腹に、二枚目から三枚目役まで幅広くこなす三浦春馬さん。
彼の部屋には佐藤健さんのカレンダーが貼ってあり、彼は台本を覚えるときには「カレンダーの健くんに向かってセリフを言う」のだとか。もしお子さんに好きなタレントやアーティストがいたら、ポスターを壁に貼り「相手役」を務めてもらうと能率が上がるかもしれません。
まとめ
子供の決まったのに、「覚えられない!」と親子で焦ってはいけません。
子供は遊ぶのが大好きだからこそ、紙とじっくり向き合うと逆に覚えられないことは少なくありません。
先輩子役や先輩俳優たちの体験談を参考に、お子さんに合った方法を見つけて、ぜひ楽しみながら暗記をすすめていってくださいね。