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意外と知らない?声優の仕事内容

2019.04.10 / 声優

声優の仕事というとアニメの吹き替えを連想する人が多いのではないでしょうか。確かにアニメの世界では多くの声優が活躍していますが、声優の仕事はアニメだけにとどまらず、テレビや映画、舞台などジャンルは多様です。さらに、声優人気が高まっており、吹き替え以外にも本人の特技を生かせる分野へと活躍の場が広がっているのです。

この記事では、意外と知られていない声優の仕事内容や声優になる方法などについて解説していきます。

声優の仕事は実はバラエティ豊か

声優の仕事内容は実に豊富です。

まず、声を生かした仕事としては、アニメの吹き替え海外映画の吹き替えラジオやテレビのナレーションゲームソフトの吹き替えなどがあります。それぞれ求められる声質や演技方法も異なり、幅広く活躍している声優はそれぞれの場面で声を使い分けています。自分の声質や得意な演技方法に応じて活動の場面を絞っていくというやり方でも良いでしょう。

このほかにも、演者ではなく舞台進行や天の声といった役割で舞台出演の依頼があることも少なくありません。

売れている声優の場合では、自分の名前を冠したラジオ番組のパーソナリティーを務めていたり、顔も出してイベント出演していたりする場合もあります。歌が得意な声優が音楽番組で歌を披露する機会も増えています。

かつては声優というと顔を出さないイメージもありました。

しかし、ビジュアル面で人気が出るケースも増えており、中にはアイドルのような人気を集めて写真集が発売されている場合もあります。もはや声優の仕事は声だけの仕事という枠にとどまらず、中には俳優としてドラマや映画に出演している人も多くいます。

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声優のやりがいや気になる給料は?

声優を目指している人としては、やりがいや収入面も気になることでしょう。

まず、やりがいでは、好きなアニメの登場人物や海外映画の登場人物になりきることができます。さらに、自分が担当したアニメや映画がヒットすればおのずと声優にも注目が集まって知名度が上がり、仕事の依頼が増えるなどさらにやりがいが増すことでしょう。一度声優として参加した作品は後世まで残りますので、確かな実績を残せるという意味でも達成感があります。

加えて、俳優と比べると、声をメインにする声優は長く幅広く仕事ができる傾向にあります。

高い声を出すことができれば実年齢にかかわらず子どもや若者の役を担当することもできますし、求められる声のイメージに合えば性別や人種を超えた役も演じられるでしょう。有名な声優の中には、何十年も同じアニメの役柄を演じ続けている人もいます。自分の努力と訓練次第で息の長い仕事ができるというのも、声優ならではのやりがいといえるのではないでしょうか。

ただし、収入面では、会社員や公務員のように安定しているとはいえません。

あくまで仕事の依頼があれば受けるという形になり、成果報酬ですので毎月決まった給料があるわけではありません。仕事のある月とない月では給料に大きな差が出る場合もありますし、仕事がほとんど入らないときには金銭的に苦しい思いをする時期もあるかもしれません。これはフリーランスの人に限ったことではなく、事務所に所属していても専属のマネージャーがつくのはある程度実績を積んでからです。

マネージャーがつくまでは、自分で主体的にオーディションを受けて仕事を勝ち取っていかなければなりません。

また、声優の報酬のランクは「日本俳優連合」で決められています。

収入の目安としては、30分アニメの場合では1万5000円〜4万5000円ほどで、さらにそこからマネージメント料が引かれるのが一般的です。新人の場合は報酬ももっとも安めになり、マネージメント料を差し引かれると手取りとしては1万円ほどでしょう。

一方、売れている声優には高い報酬が支払われることが多く、人気の度合いによっては最高ランクの4万5000円すら上回ります。仕事の依頼も途切れることなく、年収が1000万円を超えている人もいます。

声優になるにはどうすればいい?

声優になる方法としては、専門のスクールまたは養成所に入るのが一般的です。

スクールの講師にはプロの声優も多く、実践的な指導が受けられるほか、声優の仕事について詳しく聞くこともできます。そこでやる気と実力を認められれば、仕事を紹介してもらえて在学中にデビューできる場合もありますが、あくまで幸運なケースです。大半の人は、スクールや養成所で基礎的な訓練を受け、そこからオーディションを経て事務所に所属するという流れになります。事務所に所属するとアニメや映画の吹き替え、ナレーションといった仕事のオーディション情報が得られます。

さらに、仕事も舞い込みやすいというメリットがありますので、声優として生計を立てていきたい場合は、できるだけ大手の事務所に所属するのが理想的です。

それでも、新人でほとんど仕事が取れない時期は、生活のためにアルバイトを掛け持ちする人もいます。実績を積んである程度仕事が取れるようになると専属のマネージャーがつくことも多く、さらに仕事を受けやすい状況が整っていくでしょう。中には、フリーランスで自由に仕事をしたいと思っている人もいるかもしれませんが、フリーへの転身は事務所に入った後でもできます。

まずは、事務所に所属してできるだけ多くの実践経験を積むほうが先決だといえます。

声優に向いているのはどんな人?

まず、個性的な声を持っている人は声優に向いています。

しかし、声に個性がないと声優になれないわけではなく、また個性的な声さえあれば声優になれるわけではありません。確かに声優の場合、出演するのは声だけですので声に魅力があるに越したことはありませんが、さまざまな人格や職業を声だけで演じ切るのは大変難しい作業です。

そのため、何よりも声優に向いているのは、役になりきって複雑な感情を想像できる感受性豊かな人です。さらに、オーバーではなく、役柄に合わせて話し方を変えたりさまざまな声色を作り出せたりするような演技力表現力が求められます。物語を読みながら登場人物の気持ちを想像することが好きだったり、演技をしたりすることが好きな人は声優向きといえるでしょう。

加えて、声優に求められる資質もあります。

たとえば、声優の仕事はひとりでは成立しない場合がほとんどです。基本的に、登場する人物の声優たちが集まって吹き替えの仕事をすることが多く、そこに大勢のスタッフも加わります。声優であっても、会社に勤める社会人と同様に、作品に関わるさまざまな人たちの中で円滑に仕事を進めるためのコミュニケーション能力も必要です。

最後に、声優の仕事は台本を読み込むことから始まります。台本の内容が理解できなければ人物の複雑な心情も解釈できません。そのため、文章を正しく理解できる読解力は必須です。読解力を身に付けるためには、できるだけ多くの文学作品を読んでおくといいでしょう。

興味を持ったらレッスンを受けてみよう

個性的な声は声優を目指すうえでは有利に働くこともありますが、それだけですぐに人気声優になれるほど簡単な世界ではありません。なぜならば、世の中に声優を目指す人は多く、仕事を取れるのは声に魅力があることはもちろん、いずれも高い演技力がある人たちです。

声や演技力は努力で磨かれていきますので、まずはきちんとした専門のスクールや養成所で正しい発声練習演技力などの基礎を学ぶことが大切です。特に、腹式呼吸を習得することで、より質が高く説得力のある声に近づけられます。

この記事を読んで声優の仕事に興味が湧いた場合は、できるだけ実践的な講義が受けられるスクールや養成所でレッスンを受けてみてはいかがでしょうか。

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