感性豊かな子どもを育てる
子供の教育について、時代の流れと共に、様々な考え方や子育て法が話題になりますが、最近注目されている「情操教育」は、これからの時代を生きる子供に、とても重要な教育として注目されています。
情操教育とは?
・感情や情緒を育み、心の働きを豊かにするための教育。
自分で考える力や想像力、個性を育てるには、心のセンサーが敏感な子ども時代に感性を豊かに育てる経験や教育を受けることが大切です。
感性が豊かな子どもの特徴
感性が豊かな子どもは…
・感情表現が豊か
・好奇心旺盛
・周りの変化に敏感
などの特徴があります。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
感情表現が豊か
感性が豊かな子どもは、喜怒哀楽が激しく「楽しい」「悲しい」などの感情を分かりやすく表現します。
特に、年齢が低い程、自分の感情のままに怒ったりはしゃいだり、表情や態度がコロコロ変わるように感じるかもしれません。
成長と共に、場所や人を見て感情表現をコントロールできるようになりますが、感性が豊かな人ほど、心の変化も大きいです。
好奇心旺盛
感性が豊かな子どもは、好奇心旺盛で、色々なことに興味を持つことも特徴の一つです。
興味を持ったものを突き詰めたり、不思議に思ったことや、気になることがあれば「なんで?」と質問をすることも多いでしょう。
少し成長してくると、おもちゃを分解したり、大人がヒヤヒヤするような行動をとることもありますが、様々なことに興味を持ち、考えたり感じたりしている感性豊かな子どもにはよくある行動です。
周りの変化に敏感
感性が豊かな子どもは、好奇心旺盛で喜怒哀楽が激しい子どもが多いですが、その反面「周りの変化に敏感」な子どもも多いです。
自分の心だけでなく、人の心にも敏感で、パパやママの元気がない時にはすぐにその変化に気づいたり、泣いているお友達がいれば一緒に泣いたりと、周りの人の心の変化も敏感に感じ取ります。
感性豊かな子どものメリットは?
「感性豊かな子どもに育てたい」と考えているパパやママも多いですよね。
感性豊かな子どもに育つと、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
感性豊かな子どもに育つメリット
①人間関係が良好になる
感性豊かな子どもは、好奇心旺盛で、様々なことに興味を持つので、周りの環境の変化もよく見ています。
例えば、人間関係でも相手の気持ちや考えも感じ取りやすいため、相手が心地よいコミュニケーションを見つけるのが得意です。
また、感性豊かな人の心の変化は、見ている人や一緒にいる人を惹きつけます。
自分の気持ちも表現して、周りの状況にも気を配れる感性豊かな人は、自然と周りに人が集まりやすく、良好な人間関係を築きやすくなります。
②発想力が豊かになる
感性が豊かな人は、考え方が柔軟なので、表現力や発想力も育ちやすくなります。
何か行動する時にも「こんな方法はどうかな?」「こうしてみたら楽しそう」など、様々な発想が出てきて、それを表現するのも得意になります。
また、発想力が豊かになるので、好奇心も旺盛で「やってみたいこと」がたくさん溢れてくるので、勉強やスポーツでも意欲的に取り組むことができます。
③人を思いやる気持ちが強くなる
人の心の変化に敏感で、相手が嫌な気持ちになっていることにも、気付きやすいので「優しい」「思いやりがある」と言われるような「人思い」な性格になります。
相手の気持を感じ取りやすい分「楽しませたい」「喜ばせたい」と思う気持ちも強く、たくさんの人に愛されて感謝される存在になりやすいです。
④自分で考える力が身につく
感性が豊かな子どもは、周囲から「どうする?」「どう思う?」と聞かれなくても、自分からいろいろな提案ができます。
さらに、自分で興味を持って考えているからこそ、自分で考えて行動する力もどんどん育ちます。
興味を持ったことに突き進んでいくことは、子どもの才能を伸ばすために役立ちます。
感性豊かな子どもの注意点
感性が豊かな子どもに育つと、たくさんのメリットがある事が分かりましたが、多くのことを感じやすい特徴だからこそ、注意しておかなければいけないこともあります。
感性豊かな子どもの注意点も知っておきましょう。
感性豊かな子どもが抱えやすい不安
①感情のコントロールが難しくなる
感性が豊かということは、感情の変化が大きく、特に子供時代は、そのふり幅を自分でコントロールすることが難しくなります。
子どもの間は、癇癪を起したり、感情が爆発すると激しく泣いたり怒ることもあり、パパやママは大変だと感じる場面も増えます。
②人と接することが負担になることもある
他人の気持や態度に敏感になると、周りを気にし過ぎて、人と一緒にいるのが苦痛になりやすいです。
人の顔色を伺いながら「何を考えているのかな?」「本当の気持ちを話していないのでは?」などと深く考えるようになり、人と接するのが億劫になるケースもあります。
また、人の気持ちを感じ取り過ぎて、自分に向けられる目を過剰に気にしてしまい、人前に出たり、大人数での場所でコミュニケーションを取るのが苦手な内気な子どもになることもあります。
③不安を抱えやすい
周りのことや他人のことがよく見えているだけでなく、自分が出来ていない部分や自分のネガティブな部分も気になりやすいです。
そのため「上手くできるかな」「失敗したらどうしよう」と不安を抱えやすくなり、自己評価も厳しくなりがちです。
感受性が豊かなあまり、ほとんどの人が気に留めないような些細なことでも、気になってしまい、生きづらく感じてしまうこともあります。
感性が豊かな子どもには、メリットもたくさんある分、大人のサポートが必要な場面も出てきます。
子どもの感受性を健やかに育てるために、大人がサポートしていきましょう。
子どもの感性を育む方法
子どもの感性を育てて、表現力や想像力を培う子育てには、どのような方法があるのでしょうか。
子どもの感性を育む方法を紹介します。
◎子どもの気持ちに共感する
子どもに芽生えた感性を、伸ばして育てるためには、その感性に共感することが大切です。
例えば、子どもが「楽しい」と感じたことを、パパやママが一緒に「楽しいね」と共感すれば「楽しい」という感覚を、より強く感じる事が出来ます。
「悲しい」「嫌だ」などの、ネガティブな感情に共感することでも、子どもにとっては安心したり、ネガティブな感情を持つことに対して、否定的にならずに受け入れることができます。
◎本を読む
まだ自分で本が読めない年齢では、絵本の読み聞かせをして、自分で読めるようになれば読書の習慣をつけていきましょう。
本の中には、現実とは違う世界が広がっています。
毎日読み続けることで、想像力や表現力を身に付けていくことができます。
さらに、たくさんの言葉を知ることもできて、語彙力や言葉の表現力を育てます。
◎たくさんの遊びを経験する
子どもの頃に、たくさんの感情を知るきっかけの多くは、遊びの時間にあります。
遊びの中での、家族や友達とのやり取りで、自分の気持の伝え方、人の気持のくみ取り方などを知ります。
さらに、おもちゃを使いながら「楽しい」「難しい」といった感情が芽生え、公園で遊びながら「風が冷たい」「空がきれい」など、たくさんの感覚に触れることができます。
子どもの感性を豊かにするのは、五感をバランスよく使うことが大切です。
外遊び、水遊び、ダンス、歌、バランスよく感覚を使うように、たくさんの遊びを経験していきましょう。
◎子供の意見を尊重する
周りの大人の対応が原因で、子どもの感性を育てることを妨げてしまうこともあります。
子どもは、自由に行動する中で、様々な感覚を掴んでいくので「そっちはダメ」「これにしよう」など、子どもの自主性を奪うような誘導はできるだけ避けましょう。
どうしても大人が口を出さなければいけない場面でも、子供の意見を否定するような言い方はNGです。
「それはダメ」「間違っている」と否定的な言い方をせずに「危ないからこっちにしてみない?」など、子どもの意見がダメな理由を伝えて、意見を出せたことは褒めてあげましょう。