お子さんが憧れのモデル業界に足を踏み入れると、まわりからよく言われるのが「モデルやって学校ときちんと両立できるの?」という言葉です。「全然平気!」と言いたいところですが、正直ちょっと心配な面もあります。それはお子さんも親御さんも同じ気持ちでしょう。そこで、モデルと学校の両立を少しでもうまく乗り越えるためのポイントをご紹介します。
子どもの本業は学校
本当にその通りで、小中学校は義務教育ですから子どもにとっての本業であり、学校で勉強をすることがお仕事です。とくに最近の傾向として宿題の量が多かったり、自主勉といって宿題以外の課題も出されたり、以前より大変さが増している印象です。宿題が終わらないと遊びに行けないなんてよく聞く話です。1日学校を休むだけでも授業についていけないというのもあります。それだけ重要で、「待って!」が効かないのが学校というものなのかもしれません。
さらに習い事をしていたりしたら、バタバタです。学校→宿題→習い事→あっという間に就寝という日々をこなしていくわけですから、よくよく考えてみると子どもってすごいと思います。常に全力で駆け抜けているんですね。
そこにモデルのお仕事がプラスされるわけですから、さらに大変になることは言うまでもありません。でも、そこは自分の決めた道、勝ち取った道なわけですから、そうそう諦めたくもないでしょう。
ではどうすればいいのか、そこが大事なのです。「大変、大変」と言っていても何も生まれませんし、何も変わらないですからね。
学校とモデル業の両立は必須
モデルさんをすると決意したのであれば、どちらもおろそかにしては中途半端になってしまいます。学校もモデル業もどちらもきちんとすることがいわゆる「両立」というものです。
すべてのことに真剣に取り組む人ってそれだけでカッコいいですし、人の目を引く表情や姿勢も、そういう部分から生まれてくる場合が多くあります。モデルって、単に顔が小さいとか手足が長いとか、それだけで売れっ子になれるわけではありません。大げさな言い方をすれば「生き方」みたいなものがにじみ出て、その人の魅力が形作られます。
モデルのお仕事で帰宅するのが遅くなり、疲れていても次の日は学校、なんてこともあるでしょう。眠いし、行きたくない気持ちも分かります。まわりがとやかく言うよりも、そこは自分を奮い立たせて頑張ってほしいところです。
とはいえまだ子ども。眠ければ眠いというのが当たり前だと思います。そこからが親の出番です!そんな子どもをどのようにいい波に乗せてあげるか、力の見せ所だと思います。
「ざっくり」の1日のスケジュールをたてる
見えないゴールに向かって走っていては、疲れますし、常に不安になります。子どもにそのような気持ちを与えてしまわないよう、親が一日のスタートとゴールをきちんと把握し、子どもと共有することをおすすめします。共有することで、1人じゃないという安心感が生まれますし、日常を見られることでも子供の意識は変わってきます。
注意すべきは親が「次はこれだよ」「もう何時だからこうして」とその都度指示してしまうと、指示待ち人間になってしまい、自分から動こうとしなくなってしまいます。それはモデルのお仕事でも同じことです。「言われないから動かない、動けない」ではお仕事はできません。先を読むことも大事なのです。さらに、次どう動けばいいか分かっていれば、不安な気持ちは減ってきますよね?
もちろんまだ小学生低学年くらいであれば、それは難しいと思います。その頃は、ダイレクトに伝えるのではなく、アドバイスをしつつ次の行動へ誘導してあげるのがいいかと思います。朝起きる時間と就寝時間はできる限り同じ時間にしたり、モデル業がある日は、それに合わせたスケジュールを立ててあげるようにしましょう。
ここでポイントとなってくるのが「ざっくり」なスケジュールです。円グラフなどで視覚化するのも一つの手。絶対にこの時間にやらなくてはいけないこと以外は、大まかで構わないんです。きっちりしすぎるとかえってきつくなってしまい、そのあとのすべての行動がイヤになってしまいますから。
さらにスケジュールを共有することで空いている時間が見えてきて、そこに学校の宿題などをうまく当てはめることもできます。
とはいっても早寝早起きは毎日のこと。子どもながらに全力で駆け抜けているわけですから、たまには朝寝坊したっていいじゃないですか。「明日は日曜日だしちょっとゆっくり寝てたら~」なんて言葉をかけてあげるのもいいかと思います。そこはお子さんの状態を見て、親御さんが優しい言葉をかけてあげましょう。
ポイントは朝の時間と隙間時間!
朝お子さんが起きるのはいつもギリギリですか?ギリギリは…ちょっとお勧めできません。少しでも長く寝ていたい気持ちも、寝かせてあげたい気持ちも分かりますが、朝は10分でも20分でも、今より早めに起きてみましょう。その少しでも早く起きた時間を、予習や復習などの自主勉などに当ててみてはいかがでしょうか?
ちなみにおすすめは「予習」です。予習なんて…と思うかもしれませんが、予習をして授業に臨むことで「あっ、これ分かるかも」「先生が言っていること理解できる!」といったように、子どもにとってプラスに働くことがあります。
気持ちがプラスに働けば、モデル業と学校の両立も「なんですこんなに大変なの…」「学校の勉強についていけない」なんてマイナスに行かずに、「どっちも楽しい」とすべてプラスの方向にもっていくことができるでしょう。
ちなみに、夜遅くまで頑張るのは基本的にNGです。夜は一日の疲れが出てぐったりしてしまいます。そんな状態で予習をやろう!なんて思っても、睡魔には勝てません。どれだけ頑張りたくても、どれだけ気持ちを奮い立たせても、眠さに負けてしまうのが子どもというものです。大人でさえそこは難しいところです。
あとは隙間時間をうまく使うこと。ここでいう隙間時間は日常生活で何気なくしている「ちょっとした時間」のことです。ちょっとした時間に勉強をするといった癖をつける。例えば、
・髪を結っている時間→髪の長い子は朝髪を結う時間があります。ママが結わいているときに予習のドリルを1ぺージでもする。ママは近くにいるし、質問もしやすいし、教えやすい。
・歯を磨いているとき→その日の漢字テスト範囲をみておく。あらかじめリストアップしておくと楽。
・現場へ行く移動時間→単語帳やアプリなどを使い勉強。ペンなどを使わず場所を取らない勉強方法
もちろんこれだけではありませんが、何かをし「ながら」勉強をするのもおすすめです。テレビを観「ながら」はダメですけどね(笑)
楽しいから頑張れる!のループを作る
子どもは楽しいこと、やりたいことがあると、そこへ向けて大変なことも乗り越えられる強さがあります。でもまだ、その方法を良く知りません。だからこそ親御さんが工夫をして、そのポジティブなループを作り出す手助けをしてあげることが大切です。
モデル業は楽しい、学校は大変、でも自主勉のおかげで授業も分かる!のサイクルが起これば、モデル業と学校の両立もそこまで大変さを感じなくなるでしょう。楽しさと大変さの2つがあるからこそ、どちらも頑張れるというものです。ぜひお子さんをポジティブなループに乗せてあげてくださいね。でも、くれぐれも頑張りすぎないように…。